【名前】泉こなた
【出典】らき☆すた
【性別】女
【年齢】16~19(架空学園では全員中学三年生なので15)
【キャラ解説】
「らき☆すた」の主人公で、明るくお気楽なオタク少女。
身長は142cmと小学生並みの身長だが、運動神経が高く合気道系の武道の心得があり、腕っ節は強い。
勉強も好きではないようだが一夜づけの勉強で
テストを凌いだり、車の運転ができるなど見た目よりはスペックが高い。
貧乳であるが「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」と豪語するほど強みであると思っている(誤解されがちだがこのセリフは彼女のオリジナルではなく、某エロゲの受け売り)。
父子家庭で母親である泉かなたは物心着く前に死別しており、本編でかがみやみゆきに甘えたがるのは母親の温もりを知らないがためである。
【架空学園での設定】
この世界では母親であるかなたは大東亜帝国の技術によって延命し、しばらく生きていた模様。
しかし、謎の病死を遂げてしまう(理由はあらすじ参照)。
母は大東亜帝国の科学者であり、BR法の実権を握っているエスデスとも繋がりがあった。
こなた自身は基本的なキャラに大差はないが、購買部チョココロネ(ラス1)争奪戦にて神楽としょうもないバトルを繰り広げ、神楽側から和解としてコロネを譲られるがナーサリーの悪戯で練りわさびが仕込まれており、それを知らずに食べたこなたは神楽を悪辣な奴と見なして一方的に距離を置いてしまう。
また、文化祭ではデグ・セリュー・蛇喰と共にメイド喫茶を開くがやらない夫が失禁するほど不評だった。
こなた「サラサラ黒髪巨乳に茶髪真面目ポニテにゆるふわ金髪幼女…いけると思ったんだけどなあ」
学年上の成績は以下のとおり
※白=白兵、射=射撃、魔=魔法、兵=兵法
文5 理3 体3 工2 音3 白4 射4 魔3 兵2
【あらすじ】
対主催として行動する。得物は変身アイテムである帝具・インクルシオ。
学園大乱闘篇で響の死体を前にしている神楽に対し、元々仲が悪かったこともあって彼女が響を殺したと勘違いし、響の親友であったハッカドール1号ら対主催に誤報を伝えてしまう。
結果、1号が響の仇を討つために犯人が違うにも関わらず神楽に襲い掛かることになり、神楽が響殺しの犯人ではなかったと気づいた時には双方相打ちで致命傷を負った時であった。
こなたは誤報をばらまきクラスメイトを二人も死なせる結果を招いたことから戦犯扱いされ、対主催から放逐されてしまう。
途方に暮れていたこなただったが、秘密警察イェーガーズ候補生のデグに拾われ、後にセリューとも合流。
彼女の持っていた暴露資料及びかなたの日記から、母は帝国の研究機関で「被験体への記憶改ざん実験」に携わっていたことや、最期は病死ではなく帝国の粛清によるものと知る。
記憶が改ざんされているのならここにいる自分たちは何者なのか……それを知るまでは死ねない。
こなたは一号と神楽を死に追いやったミスと母の真実を知ってメンタルボロボロだったが、母親が自分たちに託した何かを知るために更なる真実を求めるべく会場を探索をすることを決める。
探索の果てに明かされた真実とは、この世界の正体は魔女が作り出した箱庭であり、自分たちは記憶を改竄されて蓬莱学園に通わされていた異世界の住人。
蓬莱学園とは殺し合いのためだけに作られた架空学園だったのだ。
それを知ったかなたは大東亜帝国とその裏に潜む魔女の非道に抗うために戦ったが散ったらしい。
真の記憶を取り戻したこなたは愛する母の戦いを無駄にしないためにも帝国と戦うことに決めたのだった。
そして対主催と和解し、迎えた主催戦では母を殺した上司ことエスデスと相対。
怒れるこなたはよしこと共に戦うが一歩足りないところをセリューが己を犠牲にする覚悟で村雨を持って吶喊。
三人の力を合わせて押し込んだ村雨の破片によってエスデス撃破に成功する。
その際に消耗でよしこ共々死にかけるのだが、セリューが持っていたアドレナリンを尻に刺されて復活。
親玉であるベルンカステルを取り逃がしかけるも母が自分たちに託したタイムリープ装置とフレームアームズである轟雷の献身により討たれ、崩れゆく箱庭世界で卒業式を迎えて他の世界に戻るハズだった。
しかしこなたが最後に見たのはなぜか復活するベルンカステルやエスデス、そしてやり直される架空学園での生活と殺し合いだった!
【本ロワの動向】
母の仇たちが蘇る地獄のような光景を見たこなたであったが、その直後に今度は本ロワに招かれる。
殺し合いを仲間と共に乗り切ったのにどうしてこうなったと困惑はするも、サメに食べられる人々と火星まるごと滅ぼされる映像から大東亜帝国と同じやり方の主催に義憤を覚え対主催に。
支給品にアメコミで有名なアイアンマンのスーツが入っていたが、赤ではなく紫色だったのでパチモノ(メタルマンから二代目アイアンマンになったカイル・フィンが装着していたもので決してパチモノではない)じゃないかと疑うが、着ると思いの外高性能だったのでインクルシオの代わりに着ていくことを決める。
その後に堕狂版森近霖之助ことこーりんに出会いお近づきの印にジュースを渡されるが、級友のやらない夫が誰かが渡した毒入りの食べ物で殺されていた件を思い出し、ジュースの中に毒物(媚薬)が入っていることに気づく。
媚薬がバレたこーりんは本性を表し、道具の名前と用途が判る程度の能力でスーツを強制的に脱がせようとしたが、原作からして腕っ節強いこなたであることに加えて大東亜帝国の生徒は国家から戦闘の授業を義務づけられている故に更に強くなっており真正面から勝てる道理はなかった。
スーツを脱がすこと敵わず、鉄の拳でこーりんの眼鏡と鼻っつらを叩き折り、撤退に追い込んだ。
かつての親友の犠牲と、敵視した大東亜帝国が施した戦闘術が皮肉にも自分を生かしたことに、こなたは複雑な心境になった。
こーりん撃退後に級友の弓那の死が放送で流れ、悲しんでいたところを女神アクアと腹ペコ青玉葱の藍、そしてアクアに支給されていたフレームアームズの轟雷と合流する。
そしてアクアの無理矢理な勧誘によりアクシズ教団入りさせられることになる。
こなたとしては轟雷がいたことはもちろん、スペックの割にヘタレなアクアと、クールビューティな見た目に反してUMAっぷりを見せる二人に萌え属性を感じていたため仲間になることは好意的であった。
こうして「青髪トリオ」ことアクシズ教団は本格的に動き出すことになる。
まずはアイアンマンの飛行能力を持っているこなたが偵察として前に出るが、そこでこなたは本ロワ屈指の強マーダーである志々雄と浅倉に囲まれてピンチであったやる夫を発見する。
級友よりやる夫の正体は狛枝や浮絵を殺した殺人鬼キルキル(キル夫)であると教えられ、ここは見捨てるべきかと葛藤する。
だがやる夫との楽しい思い出や、彼自身の目には殺人鬼特有の曇りがなかったことにより、やはり級友を見捨てられないと判断したこなたはリパルサーを吹かしてやる夫を志々雄と浅倉の手から救い出したのだった。
やる夫は元殺人鬼故に殺しに迷いがない……が、彼はキル夫ではなくやる夫として級友たちを守りたいと思っており、殺しのできない他の連中の代わりに汚れ役を引き受けるマーダーキラーとして影で動くつもりだったらしい。
それでもいつ元の殺人鬼に戻るかもしれないので長居は無用とアクシズ教団を去ろうとするやる夫だったが、そこで轟雷の説得を受ける。
やる夫の気持ちに嘘がないのは先の戦いでわかり、内にあるキル夫と戦っているのもわかった。
だからこそ友から逃げるのも辞めにしないか、と。
やる夫「いきなりやる夫がキル夫に戻る危険もあるんだお?」
こなた「その時はその時だよ~、アクアも藍も轟雷も強いし、私はやる夫よりも格闘成績は上。
キル夫が出てくる度に『前が見えねぇ』状態にしてあげるよ」
やる夫「……おっおっおw お手柔らかに頼むおw」
こなたのどこか気の抜けたような、それで安心させるような言葉にやる夫の心も動いたのか単独行動のマーダーキラーから対主催としてアクシズ教団に参入する。
この後やる夫がギャグ的な意味でやらかしアクアにゴッドブローをブチかまされた時は、蓬莱学園の時のドタバタっぷりをこなたに思い出させた。
次にアクシズ教団は
Deusに襲われているハンターを目撃し、助太刀に入る。
Deusは絶大な幸運値と神っぽい雰囲気により人々に神だと錯覚させることに進化した人間であり、なぜかこちらの攻撃が当たらず、向こうの攻撃が命中することにハンターだけでなくこなたたちも一時は霹靂する。
しかしアクアだけは元々女神である故に神の詐称術の効果がなく、逆に一方的に攻撃されるハメになる。
最後は
Deusがただの詐欺師に過ぎないと知ったこなたたちの集中砲火による援護を伴ったアクアの一撃により
Deusは空の彼方に吹っ飛ばされ、落下地点でシャークネードに巻き込まれて死亡した。
襲われていたアイルーマスクの狩人、ハンターとはこれが縁で仲間になる。
ハンターはプレイヤーのアバターであり、自身の正体は偽物であると情報交換の際に明かすが、若干の差異はあるが偽物同士としてやる夫とは特に仲が良くなり、互いに応援しあう仲にあった。
ちなみにハンターもアクアにセクハラ発言をしてゴッドブローをかまされた。
その後、アクシズ教団は遊園地 岡山ドバーランドにたどり着く。
ホモガキ大歓喜のクッソ豪勢な遊園地にも新たな出会いが会った。
アクア「よ~し、このペンギンをアクシズ教のマスコットにするわよ!」
ケツデカ「オマン○~(きさくな挨拶)」
一同「うわあ…」
可愛い見た目に反してクッソ汚い言葉を喋るペンギン・ケツデカピングーにドン引きするも、彼からドバーランドの乗り物を全部乗り切れたら有利なレアアイテムと情報が手に入ると教えられた。
レアアイテムと情報をマーダーに握らせるわけにもいかないので一行は絶叫マシンにチャレンジする。
下ネタ満載の見た目とは裏腹にあらゆる方向から世界一に挑戦した数々の絶叫マシンはアクアを尽くゲロインにさせた。
だが質の高いアトラクションにここが殺し合いの場所であることを忘れさせるほどであった。
しかし……事件は起きた。
アクシズ教団はマーダーの襲来に予め備えていたが参加者最小の存在である人面蜂のスズメバチまでは予期できず、藍が刺されてしまう。
毒に苦しむ藍にアクアが慌てて治療しようとするが間に合わず、スズメバチの細工によってシートが途中でバラけるようにされていたため、踏ん張りようがない藍だけがシートからずり落ちてKSYMRIの最も高いところから落下してしまう。
藍がまだ生きていると信じてスズメバチを討伐しようとするアクシズ教団だが、スズメバチは回復係のアクアを狙ったばかりに隙がありすぎて逆に隙がないように見える彼女に集中しすぎたためにコースターに轢かれる事故死で決着が着くのだった。
KSYMRIを降りた一行はすぐさま藍を探しにいくも、彼女は既に鉢の毒と高所から落下によって死に絶えていた。
消える寸前の血や脳漿を撒き散らして潰れたトマトのようになった目の前の物体が藍とはとても信じたくはなかった。
今まで一行に死人が出なかったのは単に運が良かっただけ……それを自覚しつつ、藍の犠牲を無駄にしないためにも絶叫マシンに挑み続けた。
その甲斐あってアクシズ教は強力な装備である聖剣ガラディーンとめぐみんの杖、謎のDVDとそれを再生するためのDVD再生機を手に入れる。
謎のDVDは貴重な情報が入ってると思い再生すると、そこにはアクアと縁の深い
カズマの姿があった。
この
カズマは並行世界の別人ではなく、アクアが失ったかけがえのない友である
カズマその人である。
彼はアクアとこなたが参戦させられる前の999回目の殺し合いに参戦させられおり、対主催として立ち向かったが浄化杜首領を名乗る男に寸でで裏切られて主催に敗北したらしい。
幸い自分が囮になって脱出派(なぜかベルンなどの主催の名前があった)の大半は逃がすことができたが、自分はもう助からないようだ。
そして「次の対主催」に希望を託して巨岩に潰されて死んでいく
カズマのシーンを最後に映像は途絶えた。
カズマの最後にいつもの泣き虫っぷりとは違う涙を流すアクアにこなたたちは慰めるしかなかった。
アクアが落ち着いたところで考察に入るアクシズ教団一行。
カズマが残そうとした情報の意味は? なぜ脱出者に自分たちのロワで主催だった者たちの名前があったのか?
考察途中でやる夫が自分たちが当たり前だと思っていた世界こそ偽りで、実は無数の世界はロワのために作られていたとしたらという末恐ろしい考察も出た。
それは拡大解釈にしても実は元ロワの主催者たちはこの殺し合いの主催者に対抗・逃避・服従するためにロワを開いてたのではないかと推察された。
そして殺し合いも中盤に入り、聞きたくもない放送担当のBBの声を聞くハメになると思っていたアクシズ教団であったが、今回ばかりは違った。
それはこなたにとって最悪の展開、最も愛していたが故に最も出てくると思っていなかった尊い存在。
彼女の顔が出た瞬間、こなたは絶叫した。
こなた「どうして、どうしてあなたが――放送担当(そっち)なんですか!? 泉かなた!!!」
言葉にならない慟哭。ショックの余り言葉にならない叫びを上げるこなた。
愛する母親が楽しそうに死者の名前を読見上げる姿など見たくなかったのだ。
こなたに対しどうすればいいかわからないアクアとハンター。
なまじ
架空学園ロワにおいて主催側の立場だったがだけに「どういうことなの」状態になり脳内でキル夫と考察するやる夫。
この出来事が相当ショックだったのかこなたはしばらく塞ぎ込んでしまう。
アイアンマンスーツのマスクで泣き顔を隠すこなた。
そんなこなたをケツピンが慰めようと優しく声をかける。
ケツピン「アイアンマン……」
ケツピンの心遣いに対しこなたは彼の頭を撫でて答えようとした瞬間。
ケツピンの頭が何者かの狙撃によってポップコーンのように弾けた。
目の前で起きた仲間の死に悲鳴を上げるこなた。
すぐさま臨戦態勢に入るやる夫たちだったがこちらも何者かに狙撃されて手傷を負う。
やる夫とハンターはアクアが治療できるケガであったが、逆にアクアが一行の貴重な回復要員だと気づかれてしまい、狙撃されてしまう。
アクアは死にこそしなかったが、強化された麻酔弾で昏睡状態に陥ってしまう。
見えない敵の長距離狙撃に対し、物陰に隠れるしかないアクシズ教団。
近距離主体のやる夫とこなたじゃ分が悪いので、頼みの綱が遠距離攻撃のできるハンターだけになったが、敵はスコープの照り返しひとつ見せない透明な敵。
なんとか敵を探そうとする一行だが、ここで「敵」は奥の手を使用。
敵の正体はスタンド使いであり、弾丸の軌道を敵に当たるように調整できる他に軌道をあやとりの紐のように具現化できる能力を有す。
即ち捕縛にも適している。
それを知らない三人は物陰に隠れていれば当座は安全であると思い込んでいたために、放たれた銃弾と紐として具現化した軌道によって轟雷含む五人とも雁字搦めにされてしまう。
そして紐により強引に開かれるこなたのマスク、額に迫る弾丸に五人はあわや全滅の危機を迎えた。
ところがどこかから響いた大爆発の音と同時に弾丸も軌道の紐も消し飛んだ。
敵の正体は
銃ロワのマーダー・のび太であり、とうめいマントによる透明化とスタンドを使ってアクシズ教団の全滅を狙ったが、消しきれない臭いによってサーバルに偶然気づかれてしまい、慌てて殺そうとするがそれによりけもフレファンである
バーン(とオジマンディウス)の怒りを買い、暗殺しようがない圧倒的格上の敵を前にボコボコにされるハメになったのだ。
爆発を聞きつけたハンターはケツピンの仇であるのび太にガンランスで狙い撃とうとする、のび太も最後の意地で反撃。
しかし、アイルーマスクで滑って致命傷にならず、エターナルファランクスの直撃を受けて死亡する。
自分たちを全滅に追い込もうとしたのが年端も立たない小学生だったことに改めて殺し合いの狂気性を自覚するのだった。
そしてこの戦いによりアクシズ教団は
バーン様率いるけもフレファン一行と合流。
彼らはステルスマーダーのジャックが引き起こした毒じゃぱりまん騒ぎで対主催から孤立していたが、幸いアクシズ教団は噂を知らなかった。
けもフレファン側としては毒を仕込んだ犯人もわかったのでアクシズ教団に他の対主催の橋渡しになって欲しいと言った。
そして同盟を組んだ二つの集団はドバーランドを対主催の拠点とし、残存する対主催参加者全てをここに集めることを計画した。
一方、こなたとやる夫はけもフレファンに身を寄せていたクラスメイトのよしこと再会を喜ぶ。
相棒の弓那の死には流石に悲しんでいるようだが、安定のアホガールっぷりは顕在で二人を安心させた。
そんな中、アホ毛の女子中学生が銀のアホ毛の男とカニ頭の男と一緒に野獣邸に入ったところを目撃したとの情報が入り、アホ毛の女子中学生が西園寺世界だと気づいたやる夫はすぐさま迎えに行こうとする。
一人で行こうとするやる夫にこなたは呼び止めるが、アクアは気絶中でこれからドンドン怪我人が増えていくかもしれないのに、これ以上ドバーランドの戦力を削ぐわけにもいかない。
そもそもドバーランドと野獣邸は対して離れていないからへーき、へーきと言いつつ、こなたをなだめたやる夫は世界を迎えに野獣邸へと向かうのだった。
やる夫が発った後にこなたの介抱のお陰でやっと目を覚ますアクア。
だがそれから間を置かずに来客が現れるのだが、これが曲者であった。
BB「す、すみません……ちょっと、休ませ――」
アクア「…あの、どちら様で」
こなた「そんなこと言ってる場合じゃないよ! この人大怪我してるじゃないか!」
放送担当であったBB、しかしその体はリンチでも受けたようにズタズタであり、その眼は酷く怯えていた(特にこなたを見た瞬間)。
敵である彼女の身にいったい何があったのか……彼女はただ自身の投降と治療を条件に貴重な情報を渡すとだけ告げて倒れた。
あまりのボロボロぶりに殺す気も失せてしまう対主催。
一先ず
バーンとアクアは話し合った結果、貴重な捕虜としてBBは殺さず捕えておく方針で固まった。
果たして主催サイドで何が異変が起きているのか……ともすれば母は無事なのか、こなたにはそれが心配であった。
BB捕獲後、しばらくして魔理沙の知り合いであるらしい男エンブリヲから、糸なし電話の通話ごしにすぐに指定の位置まで来るように言われたこなた。
最初は怪しむが魔理沙が危ないと言われ、実際遠くない場所から魔理沙が放ったマスタースパークの光が見えたので指示通りによしこを連れ、アクアに一声かけた後で現地に向かう。
やる夫が出た時は離れるべきではなかったが、現在はアクアも復帰し、対主催も次々とドバーランドに集まっているので戦力的には問題ないという判断であった。
(エンブリヲの指示については
蛇喰夢子(リピロワ2017の項目を参照)
エンブリヲの指示通りによしこと共に現地に降り立ち、近隣にいた世界と正嗣を呼び寄せたこなた。
クラスの再会を喜ぶ暇もなく魔理沙がジェシカらしき怪物と五停心観を使って心による対話をしているのを見て、四人は同じくジェシカの心にダイブする。
そこには蓬莱学園の生徒にとっては衝撃的な真実があった。
本来の右代宮朱志香は六軒島に起きた殺人事件により既に死んでいる。
彼女が魔女の箱庭から解き放たれた先に待っているのは死なのだ。
その死の恐怖から逃れるために無意識的に魔女を求め、せっかく倒したベルンカステルの復活を許してしまい、何度も殺し合いをするハメになってしまっている。
ループによって紡ぎ出した黄金の真実を黒き架空(ウソ)に塗り替えていた裏切り者は他でもないジェシカであったのだ。
こなたがこの殺し合いに連れてこられる直前に見たベルン・エスデスの復活の理由がようやく判明したのだった。
それを知られたジェシカはこんなに弱い自分に落胆しただろうと悲しむと同時に、あの蓬莱学園の幸せな時間を終わらせないためにもここで止まるわけにはいかないとマーダーで有り続けようとする。
しかし、級友たちは優しく諭すのだった。
こなた的には幸せな時間を続けたい気持ちは痛いほどわかる……蓬莱学園での日常は陵桜学園にも負けないぐらいいい思い出だったが、それに固執して他人を傷つけてはいかないし、好きな人たちを束縛して良いもんじゃない。
だからと言ってジェシカに死ねと言いたいわけでもない。
魔女の箱庭世界の時は確かに解放されたら死しかなかったのだろうが、今は状況が違う。
アクアに
バーン、エンブリヲに黎斗……ジェシカが死なずに済みそうな術を知ってそうな人材が揃っている。
魔理沙がいた幻想郷には人間として一度死んでいるが妖怪として蘇った存在などザラにいる。
殺し合いに乗るよりももっと良いやり方や行き先は探せばあるのだ。
だから魔女から人間のジェシカに戻れと五人は願った。
その説得が通じ、ジェシカは改心して殺し合いを続けることをやめる。
こなたと魔理沙たちは自分たちの心が通じたことに安堵する――が、それが致命的な隙となり、ジェシカに恨みを持つ幼稚園児であるしんのすけにジェシカが刺されてしまう。
続けて明らかに暴走している園児は他の生徒にも牙を向く。
こなたはリパルサーで迎撃しようとするが相手は五歳児の子供故に躊躇してしまう。
他の生徒も同じであった――怒れる魔理沙を除いては。
憎しみに囚われた魔理沙はしんのすけを殺すためにマスタースパークを放とうとし、しんのすけはその前に彼女を
ナイフで抉ろうとする。
どちらかが死ぬまで続くかもしれなかった戦いは、名も知らぬ男――イオクが己を犠牲に戦いを仲裁することで決着した。
誤ってイオクを刺してしまったことで正気に戻り、凶器を捨ててワンワンと泣き出すしんのすけ。
イオクはただしんのすけも殺し合いの犠牲者だと言い、自分の命の分だけしんのすけを許して欲しいと言った。
それでも怒りが収まらない魔理沙であったが、こなたらと死にゆくジェシカの説得によりしんのすけを許すことにした。
そして消えゆくジェシカとイオク……こなたたちは犠牲を払っただけで友を救うことができなかった……せめて魂だけは救えたと信じるしかなかった。
ドバーランドへ戻る途中、ジェシカ説得の際は状況が状況なので聞かなかったが、世界と迎えに行ったハズのやる夫が世界と行動を共にしていないことに気づいた。
世界に聞くと、返ってきたのは世界と正嗣からの謝罪の言葉。
やる夫は二人を守るために、志々雄と相討ったそうだ。
自分の知らないところでまた一人友達がいなくなっていたことにこなたたちは何度目かの悲しみを覚える。
またエンブリヲが合流するのだが、彼から文化祭でメイド喫茶をやる仲であった蛇喰の死を伝えられる。
友達が次々と死んでいくことに心がギュウギュウと痛めつけられそうになるが、だからこそこんな馬鹿げた殺し合いは終わらせるべきだとこなたは決意した。
悲しみで足を止めるのは死んでいった仲間や級友に申し訳ない、そう思えたからである。
こなたがドバーランドに戻った頃には残存する対主催のほぼ全員が揃っていた。
ここにきてアクアと
バーンが捕虜にしたBBを対主催たちの前にだし、主催について話させる。
黒幕は泉かなた……に取り付いた殺生院キアラ。
またの名を人類悪『ビーストⅢ/R』。
そのままでも驚異的な存在だが、キアラは1000回の殺し合いと数多の世界の侵略により数え切れない命を吸い上げており、人類悪『完成』を目指している。
そうなれば暴走する彼女に誰も手が付けられなくなり、より多くの世界がキアラに喰われることになってしまう。
幸い、人類悪完成にはまだ時間がかかるようであり、完成前まではろくに動けない。
そこを狙って倒すしかないようだ。
すなわち寄り代にされている泉かなた――こなたの母を殺すことにも繋がってしまう。
だが、こなたは迷いつつも最後にそれを了承する。
母は元々死んでいる……母としても得体の知れない者に取り付かれているのは耐えられないだろう、殺すことこそがキアラからの解放かも知れないのだ。
ただ棺桶の蓋を閉める時のように、トドメだけは娘である自分に任せて欲しいと仲間に伝えた。
最終決戦前に今まで使ってきたアイアンマンスーツの強化をエンブリヲ・黎斗に頼み、仮眠に入る。
その時に見た夢は蓬莱学園の友たちと母との楽しい想い出であった。
あの眩しい日々はもう戻らない……しかし、悪い奴に汚させるわけにはいかない。こなたの囁かな望みであった。
始まった主催との最終決戦。
こなたは本人の強い要望によりキアラ討伐隊に編成された。
主催本部に殴り込みをかけ世界や正嗣や他の仲間と共に妨害するセンチネルを蹴散らしながら、進行し、最も早くキアラの待つ玉座にたどり着いたのはこなたとBBであった。
かなた?「ウフフ……こなた私の胸にいらっしゃい。昔のように甘えさせてあげる」
対面して自分の母親は異常に扇情的だった……記憶の中の母はこんな破廉恥な女ではない。
BBの言うとおり、母親はキアラに取り付かれているらしい。
肉親を侮辱された怒りを交えてこなたは問う。
こなた「あ、アンタ……母さんに何をしたの?」
キアラ「ああ、貴方のお母様は残酷な真実を知ってしまったのでそれに耐えられるように私が骨の髄まで救済しましたわ……」
母の魂は……既にキアラの中に吸収されてしまったのか、手遅れなのは確からしい。
こなたは母の顔がチラついて撃てなくなってしまう前に無言で200ペタワットレーザーをキアラに放った。
……が、レーザーはキアラを貫くことなく、片手で弾かれてしまった。
これはどういうことかと驚くこなたとBB。
実はキアラの人類悪完成は対主催が攻め込む前に完成しており、BBが裏切ることも想定して完成にはまだまだ時間がかかるという偽の情報を吹き込んだのだ。
実際にはBBの予定よりも早くキアラは完成しており、この魔性を討つ対主催の作戦は攻め込む前から失敗していたも同然である。
遅れて世界たちも駆けつけるが、まるで相手にならずキアラ一人にボロボロにされていく、当然こなたも母親の肉体を借りた悪魔に体のあちこちから血飛沫が飛ぶほどの怪我を負わされる。
他の場所でも次々と死んでいく仲間たち……一緒に戦って縁を結んだハンターが、よしこが、しんのすけが死んだことをキアラの口から聞かされた時は悲鳴を上げたくなった。
キアラ一人の前に倒れ伏す多くの対主催……その中でエンブリヲはなぜそこまでして神に固執するのか、ドラゴニウムに頼らないと調停者の真似事ができなかったかつての自分とは違い、今のキアラは正に全知全能。
やろうと思えば何でもできるだろうし、その力の前では誰も逆らわぬだろう。
もはや目的は達成したも同然……これ以上無駄な犠牲を払わなくても良いではないか、と問う。
それに対して放たれたキアラの言葉は人知を超えていた。
「―――いいえ。
まだ理解が及んでいませんのね。
神になるのは結果論です。
私はただ、自分の欲望に忠実なだけ。
私はすべての人間に愛されたいのです。
平行世界すべての人間の、快楽の受け皿になりたいのです。
まだ生きているすべての生き物の欲望のはけ口になりたいのです。
そう―――
何万何億という人間を使って、最大の快楽を得たいのです。
―――ほら。
そのためには、神になるしかないでしょう?」
これに対し、最も怒り立ち上がったのはこなたであった。
大層なことを言っているように聞こえるが人の命を吸い上げてキアラがやりたいことと言えば、自慰じゃないか。
自分たちの命はこの女の一人遊びに付き合うためだけに死んでいくほど安くないハズだ。
何が『愛欲』だ、人の命を玩具として弄ぶぐらいならまだ同人誌やエロゲをやって自家発電した方が有意義だ。
人は快楽だけで生きてはいけない……誰かを愛し愛されてなければ自分は殺し合いの中で生きることはできなかった。
親友が好きだから、友と家族に好かれていたから今の私はここにいる。
支えてくれた家族や友からの愛さえも快楽の一言で一括りにするなど言語道断。こなたは吠える。
こなた「アンタは人の記憶や体を操り、制御できると思い上がっている! だけど心に刻んだ想い出や気持ちまで侵すことは誰にも許されることじゃないんだよ!!」
所詮は負け犬の遠吠えだと嘲笑うキアラであったが、こなたはそれに対し「ではなぜここまできて誰も殺せていないのか」と突きつける。
これはかなたや他の参加者たちの魂が私たちを殺すまいと頑張っている証拠なんじゃないかと。
実際、キアラは人類悪の圧倒的な力で参加者をねじ伏せはしたが、この場で直接的に殺した参加者はまだ一人もいなかった。
図星なのか違うのか、ならば望み通りにと、キアラはこなたを消し飛ばそうとするが、攻撃が当たらない……というよりかなたの腕が勝手に外すように動くのだ。
そしてこなたは確証を得る「母さんや皆はキアラの中でまだ戦っている」と。
苛立つキアラであったが、そこで主催戦力であったモブサメが暴走。
さらに主催陣営に組み込んだハズのラングセンがやってくる。
主催のワンサイドゲームじゃ盛り上がらないと思った彼は危険な三次元人への殺し合いの映像を流し、その狂気によるエナジーをサメに取り込ませて暴走させたのだ。
どうやら三次元人への干渉は主催内でも御法度だったらしくラングセンはキアラにシャークネードに放り投げられる形で粛清されるが、それがまずかった。
例のアレロワにてUNEIを強化した三次元人の狂気のエナジーは完成した人類悪でも段階を踏まないと取り込めない代物……実はラングセンは自分にもそのエナジーを注入しており、死んだ参加者の魂が必ずキアラに吸収されるシステム上、キアラはラングセンの魂を取り込んでしまう。
つまりまだ取り込むことのできないエネルギーを無理矢理取り込んでしまい、異物を取り込んだ肉体が拒否反応を起こしてしまうのだ。
結果、本体のキアラと寄り代になっていたかなたの肉体が分離することになった。
同時刻、センチネルであるソロモンの自決によりキアラは更なる弱体化を強いられるが、まだ対主催にとっては勝機は薄かった。
そこでBBがずっと隠していた破壊されたあるハイ・サーヴァントのコアをかなたと融合させ、擬似サーヴァントとして復活させる。
即席かつ、即決の手段であったがキアラを討伐できる最後の手段であった。
パワーダウンしたキアラだが、その分かなたという存在がいなくなったために対主催に容赦のない攻撃を繰り出せるようになり、トドメを刺そうとする。
だがかなたのクライムバレエの力によってその一撃が届くことはなかった。
キアラ「そ、そんな――あなたの意識も思いも、何もかも私が溶かしてしまったはず!?」
「殺生院キアラ、たしかに貴方の力に私は抗うことはできなかった」
「でもね、『心に刻んだ想い出』だけはあなたには侵せない」
「だからね、私は――『文字通り、地の底から羽ばたいて戻ってきたわ。』」
「『もう一度、貴女たちと戦う為にね。』」
キアラ「泉、かなたぁぁぁっ! それにその言い方……まさか!?」
泉かなたは『メルトリリス』として蘇った!
現状ではキアラと互角に戦える唯一の存在である。
かなたの復活にキアラは驚愕し、こなたは感涙の涙を流した。
かなたは愛娘であるこなたを優しく抱きしめる。
キアラに囚われている時からずっと見ていた……
いくつも痛い目に合い、悲しい目にあった。それでもこなたは立ち続けた。
鋼のような強い心を持って成長したことを親として嬉しくないわけがなかった。
あなたは私とそうじろうさんの自慢の娘よ、と母は娘を褒め称えるのだった。
そして世界や正嗣たちと共に泉親子はキアラに立ち向かう。
弱体化したままではまずいと思ったキアラは回復までの時間稼ぎのためにTDNと生き残っているセンチネルを呼び寄せてこなた・かなたとBBたちを分断させる。
泉親子だけなら現状のキアラでも十分にひねり潰せるとの判断であったが、これは悪手であった。
親子しか味方がいないということは、親子間以外の周囲の被害を気にせずに戦うことができるからだ!
こなたとかなた。
親子の最初で最後の共同作業は悪の親玉を倒すことであった。
こなたの鋼鉄の拳がキアラを殴りつけ、かなたの蹴りがキアラに入る。
光線の光が穿たれ、脚部の槍が敵の力を削ぐ。
マイクロミサイルが敵を追い込み、どんな攻撃もクライムバレエを交えた献身によって無効化された。
キアラはたった二人の親子に追い詰められ、フィニッシュはユニ・ビームと弁財天五弦琵琶の同時攻撃によりキアラはボロボロになった。
息のあったコンビネーションを前に敗北を喫したキアラ、だが自身の敗北時の保険をかけていたキアラは生み出したセンチネルを盾に、ここでの己の完成を諦めて逃走することを決意。
追おうとする泉親子だったがセンチネルを倒した時と同時にかなたが倒れてしまう。
実はメルトリリスの霊基と取り込んだ時点でかなたの肉体崩壊が始まっており、この世に顕現できるのは限られた時間しかなかったのだ。
メルトリリスにならなければ衰弱でそのまま死んでいたので、どちらにせよ死ぬのならばデミ・サーヴァントになるしか道は残されていなかったのである。
かなたを助け起こすまでにキアラは既に遠くへ飛んでおり、アイアンマンの飛行能力も先の戦闘で大破して失われていた。
そこでかなたの中にあるメルトの霊基は時を裂くヴァージン・レイザー・パラディオンならキアラを討てると提案するが発射台担当のパッションリップがいない。
それすらもキアラの計算の内だったのだ。
このままキアラを逃がせば多くの犠牲は無駄になり、どこかで人類悪を完成させて対主催の敗北が先延ばしになるだけである。
そこへ話を聞いた、正宗を討伐してきた仮面ライダー・永夢がやってきてクロスワールドガシャットでメルトの霊基を読み取りキャラクターチェンジで自分がリップに変身することを提案する。
しかし、パラディオンの使用は弾丸となるメルトもといかなたに犠牲を強いる。
これが親子の、正真正銘の最後の別れであった。
どうやってもかなたは死ぬことを悟り、母の硬い意思からこなたはかなたを止めこそしなかったものの、ただ怖くはないのかだけ聞いた。
かなたは優しく微笑んだ。
かなた「娘を、子どもたちを守ってあげるのは、親として当然のことよ」
最後にこなたの額にキスをして、かなたは発射台に乗り込んだ。
こなたは叫ぶ。
こなた「母さん!」
かなた「……こなた、最後にあなたに会えてよかった。ありがとう」
「『『立香』……’また会いましょう’』
永夢(リップ)『パラディオン、撃ちます!』
放たれたメルトの光がキアラに向かう。
完全な直撃コース。
これに対し「そんな馬鹿なと」驚愕するキアラ。
彼女の中にあるかつて殺し合いに巻き込んだ者たちの残留思念が囁く。
戦狂いの軍人『だからあの時言ったじゃないか人間の力を無礼なよ、と』
異世界の悪神『鮫よりも不可解な連中だよ本当に』
奇跡の魔女『だからこそどこまでも飽きさせてくれない』
破壊の創造者『より自由に生きたがる執念には素直に感服する』
火星の王『貴様は1000回殺し合いを続けても理解しなかった、滅ぶべき古い妄念だ』
古の巫女『さあ、より深い愛に包まれて逝くがいい。自慰の時間は終わりぞよ』
六人の敵対者による嘲笑うか、見下すような痛烈な言葉を受けたと同時に砲弾が直撃。
無数のサメの泳ぐ水辺へと落ちていく。
そのサメはロキが対キアラ用に飼育していた生物兵器で、神だろうが悪魔だろうが関係なしに噛み砕く。
サメによって崩れ行くキアラの肉体。最終手段としてかなたの肉体を乗っ取ろうとするキアラ。
だがその悪あがきが無駄であり、エミヤ・オルタの妨害とかなたの肉体が乗っ取る暇がないほど早く消失したことによりキアラはサメに飲み込まれるしかなかった。
かくして 魔性なる菩薩は 今ここに完全に消え去った
何故彼女はこのような末路を辿ったか
ただ、一つだけ言えることがあるとすれば、それは
――ただ、間が悪かっただけなのである
母の壮絶な最期を看取ったこなたは地面に膝を突き泣くしかなかった。
永夢とバイクを相乗りしてアンパンビウムに乗り込み、会場を脱出したこなた。
その脱出艇に仲間であるアクアと正嗣、轟雷が乗ってないことに気づいた。
蓬莱学園の友達も世界と魔理沙だけ、アクシズ教団も残ったのは自分一人だけになってしまった。
多くの世界や参加者が救われたとはいえあまりにも多すぎる犠牲。
かけがえのない友達や良い人があまりにも多く亡くなりすぎた。
その人たちには二度と会えないんだと思った瞬間、こなたの心は決壊し喪失の悲しみで涙が止まらなくなってしまった。
涙を隠すためのマスク部分は先ほどキアラに破壊されたので、隠すことはできない。
今までは隠せたのに、どうすればいいのかわからなくなる少女。
魔理沙「もう隠さなくて良いんだぜ、こなた」
世界「三人でさ、一緒に泣こうよ、ね?」
もうマスクは必要なかった。
隠せないからこそ親友たちと共に悲しみを分かち合えたのだったから……
殺し合いを生還したこなたは元の桜陵学園の日常に戻った。
父や友に余計な心配をさせないために殺し合いや蓬莱学園の出来事は一切誰にも喋らなかった。
それでももう一つの青春の出来事を片時も忘れた事はない。
そしてたまには魔理沙のいる幻想郷や世界のいる江洲衛府島に顔を出して交流しつつ、普通の人間として大人になり母親になり幸せに老いて人としての人生を全うした時、幸せの星は瞬いた。
とあるFGO世界にて、こなたは英霊として新生する。
気が付けば体は最も強かった時期の肉体に若返っており、インクルシオとアイアンマンを足して二で割ったような鎧を纏っていた。
周囲には立香の他に見覚えのある顔だ。
キャスターJ「久しぶりだな、こなた!」
バーサーカーS「元気にしていたようですね」
セイバーM「やれやれ、おまえも英霊になれちまうなんてな」
アサシンY「しかも特殊クラス“ラッキースター”だっておw ちょっと羨ましいおw」
ランサーY「いいなあ、よしこのランサーと交換してよ!」
シンガーY「クラスの交換なんてできるわけないでしょうに……あれ? そうだっけ?」
アーチャーD「おまえたち、そろそろ空気を呼んで道を開けてやれ」
概念礼装G「あの人が待ってるよ!」
友だった英霊たちが道を開けると、そこには懐かしき母の姿があった。
かなたはメルトリリスと融合することで全く新しい英霊“マザー”として先に召喚され、こなたも英霊“ラッキースター”となってこの世に呼ばれた。
親子の愛は死ですら引き裂くことはできず、ひとつの世界で再会を果たしたのである。
この日カルデアでは一部の英霊たちが親子の再会を喜ぶと同時に同窓会を開き、楽しく盛り上がったそうだ。
最終更新:2024年01月21日 22:10