【名前】アーチャー
【出典】Fate/stay night
【性別】男
【年齢】不明
【名セリフ】「時間は稼ぐのはいいが―――別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」
「ああ―――満足だ」
【支給武器】凶式・喉斬丸@.hack//G.U.、ブルーアイズマウンテン@遊戯王5D’s
【本ロワでの動向】
凛ルートにおける士郎との決着の直前から喚び出される。そのため当初はやや摩耗気味。
本ロワでは一級の給仕スキルを持った家政夫、華麗にお客様をおもてなしするバトラー(執事)のサーヴァントとして八面六臂の活躍をする。……間違いとは言い切れないのがなんとも困る。
なお
主催者は「恥ずかしい黒歴史抹消したくて自分殺しプギャーwww」とやたら煽りに煽るのであった。……本当にお疲れさまです。
過去の間違った自分、衛宮士郎を殺す機会を与えられながらもそれを目の前で取り上げられたことに運命の悪戯を感じ独り自嘲。
ならば潔く『抑止の守護者』として、その場にいる人間を全員殺し尽くし世界の破滅を救うという、掃除屋の役目をこなすのしかないと諦めにも似た考えを抱いてしまう。
……が、突如として表れた謎の魔法少女、ワンダーつぎは(
与次郎次葉)にお供にしようと追い回されてしまう。赤=戦隊ヒーローのリーダーという理屈だかららしいが、実はだいたい合っている。
どこか既知感(ゲットー)のある杖を持った次葉に調子を狂わせられ、支給品を確認する間もなく逃走に終始する羽目になる。
こうして見事にマーダーフラグを叩き折られ、さらに後の展開を鑑みるに次葉の行動は地味にファインプレーだったのかもしれない。ありがとうワンダーつぎは!
ようやく腰を落ち着け名簿を確認。自分の知る名前がないことに複雑な感情を持ちながらも次に支給品に手をかけ出てきたのは、なんと参加者の
イエス・キリストが使用していたマグカップ。聖杯戦争の途中で飛ばされたが支給品がガチの聖杯(マグカップ)だった、な、なにを言っているかry
しかもかなり上位の回復道具であり、魔力補給が生命線のサーヴァントにとっては非常に強力な支給品だった。
神の子の有難い聖遺物に心を洗われたのか少しは前向きになってから対峙したのは、後にこのロワ随一のネタキャラとなる
藍染惣右介。
外見に隠された野望を見抜き弓を引くが、腐ってもジャンプ屈指のチートボス。この時点ではまだ威厳を保っていた藍染に苦戦を強いられるが、必要以上に余裕ぶった隙に鏡花水月を投影。「予め刀身に触れておく」という完全催眠の解除条件を偶然にも達成する。
そこから鏡花水月を弓状に変形させて射出し、「壊れた幻想」で爆破するという屈辱的な痛手を与え撤退に追い込んだ。
聖杯の回復もあり休みを入れずに、遠距離からの狙撃に端を発した
バランとの対決を迎える。
竜の騎士という因縁のある関係に、投影した複数の龍殺しの剣を中心に戦いを優位に進めていく。
だが人類と人外に絶望したバランの憎悪は相性の差を覆すほど凄まじかった。
竜魔人へと姿を変じて放つ最強の呪文ドルオーラ。咄嗟に「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」を展開するが吹き飛ばされ敗北を喫する。
傷を癒している時に
涼宮ハルヒ率いるSOS団――刹那オブサティスファクション団と接触。
つまならさそうな顔をしているのが気に食わない、という理由で強制的にハルヒに勧誘を迫され、治療中なのが災いして強制入団させられる。
この出来事が、アーチャーにとってあらゆる意味での転機となる。
当初は素直に従うも、常にハイテンションなハルヒに振り回され、ついうっかり見せてしまった家事スキルの高さに目をつけられこき使われたことで遂に我慢の限界に到達。
実家に帰らせて頂きますとばかりにストライキ、もとい脱退してしまう。
戦力的に自分が離れても問題ないという方便を取り、子供の我が儘な理想に溺れて溺死しろと吐き捨てるが、内心ではかなり気にしていた。
主義も主張も全く異なる集団。いつ瓦解してもおかしくなく、しかも聞けば既に離別したこともあるという。
ならばなぜ、今こうして一つになっているのか。なぜああも、彼らは笑えるのか。
生前には確かにあったはずの人との繋がり。いつの間にか捨ててしまっていた暖かさ。
それぞれに通じる面があることは理解しており、彼らしくもない反発はその裏返しだったのかもしれない。
感傷に浸り足を止めていたため、追ってきたハルヒにはすぐに捕まってしまう。
彼女もまたらしくなく己の非を認め、団員の不満に応え体質を改善するのも団長の努めだとし、家政夫が不満なら執事にグレードアップはどう?と的外れな提案をする。
本来であれば一笑に付すところだが、ハルヒの顔には何が何でも手放さないという強い思いが込められていた。
前言は撤回しない。過去に何があろうが殺し合いの真っ最中だろうが、積み上げた刹那でその煤けた顔を満足させてやる。
絶対に諦めない剣のような強情さ。宝石のように美しく輝く渇望。
高らかな宣言を聞き想起したのは赤い魔術師か、それとも過去の己自身なのか。
最後にはとうとう根負けし、剣の丘で孤独に戦ってきた男は、この場限りでの刹那の仲間を得たのだった。
こうして正式にSOS団入りしたアーチャーはSOS団専属バトラーとしてその敏腕を本領発揮する。
支給品のブルーアイズマウンテン(\3000)に一本満足バーを添えて振る舞い、故障したトリニダード・ウロボロスを修理して
鬼柳京介を大層満足させたり、
手先の器用さを見込まれて新たなSOS団の腕章や満足ジャケットを制作したりしている(ただしジャケットはお蔵入り)。決戦前に鬼柳に依頼され作ったあるキャードは、最終回を飾る重要なアイテムとして機能することになる。
戦闘では後衛を担当し、的確な援護で脇を固める縁の下的な役を果たした。
ただ敵の射程外からの狙撃や奇襲には鬼柳が「それでもデュエリストか!?」と苦言を呈されている。無論アーチャーはリアリストだと返答した。
とにかく突っ走りがちな団長と副団長を諌め、しかし抑えきれず項垂れる姿はもはや引率の保護者であり、苦労人枠として参加者・住人両面から温かい視線を送られるのであった。
受け入れられて地が出てきたのか、次第と世話焼きな一面を覗かせていく。
元のマスターを思わせるハルヒ、願いの為蘇った死人である鬼柳、声や雰囲気が相性の悪い槍兵と似た
蛮、分類上では近い領域にいるマリイと、他のメンバーとは満遍なく関係を持っている。
特に絡みが多かったのは
藤井蓮で、神の座に聖遺物、街で起きる儀式など世界設定で似通う点がいくつかあることから、
厨二ロワでは数少ない考察パートを担当していたりもした。
変わらぬ刹那を求める蓮の歪みを皮肉げに指摘しつつも、根本的には同じ平和を愛する側なのでなんやかんや言いつつ行動を後押ししている。
またあらゆる聖遺物を扱える蓮の特性と無数の宝具を揃えられるアーチャーとのシナジーは抜群であり、SOS団のチート度合いがますます上がってしまった。もっとも蓮はマリイを愛用しているので使う機会はあまりなかったのだが。
この時は知られていないある繋がりは、終盤の山場まで持ち越しとなる。
アーチャーといえばやはり投影の存在抜きには語れない。
上述の藍染に始まり、ロワ中で拾ったり目視した支給品を片っ端から剣製に登録している。
村紗のアンカー@東方project、プラズマブラスターソード@スパロボW、狒狒王蛇尾丸@BLEACH、長門が細工した金属バット@ハルヒ、デッカー・スパナ@スパロボZ、etc.etc…
中にはシャイニングガンダムの頭部バルカンなんていう、色々な意味でアリなのかそれはという品もチラホラ。
流石にキリストの血を浴びた砂利を投擲→ブロークン・ファンタズムという養父の如き鬼畜プレイにはキリスト本人からお説教を食らう羽目に。
決闘脳にこそ染まりはしなかったが遊戯王カードも頻繁に使用し、装備カードやミラーフォースを筆頭にした罠カードを投影し、最後の戦いでも非戦闘員を守り切る活躍をしている。
ただし純粋なデュエリストである鬼柳に
遊戯、それと
スコールからは「それっておかしくないかな?」とカードのコピーに対して議論の的になる。
結局は予めデッキにコピーカードを仕込むのは禁止、バトルフェイズで使用できる
モンスター効果としてならOKということで落ち着いた。
まあ複製して使ったらえらい目にあった神のカードもあるから意味がないわけではないが……
角が取れて丸くなっても皮肉屋で現実主義的な思考までは変えることなく、ハルヒや蓮の能力の危険性を指摘し不安を煽るなど時には辛辣な言葉もかけている。
しかしそれは汚れ役を引き受けてなるべく軋轢を少なくしようという彼なりの配慮であり、団員からはあっさりと見破られている。
そもそもやろうと思えば独断でハルヒを斬る機会はいくらでもあり、というかそれ以前に、鬼柳に乗せられてとはいえ「デュエッ!」してる時点で、その気でないのはバレバレなのであった。
夜神月や
クラウザーさんを中心とした騒動でも基本的に中立を保ち状況を俯瞰する傾向があり、月の死で傷心したハルヒにも自分より鬼柳や蓮が適任だとして別のフォローに回って混乱を影ながら収束させていた。
このように他の団員とは一歩離れた視点で物を考えており、それがハルヒ達のことを考えた故の行動であることも理解されてるためおおむね肯定的に受け止められた。
ちなみに、後でこっそりハルヒには慰めの類の言葉を送っている。どうやらSOS団はツンデレの集まりでもあるらしい。
各地に点在するマーダーを討伐するためにチームを分け、因縁ある蓮の要望で
ラインハルト・ハイドリヒの元へ向かうが、その途中で顕現した
天魔・夜刀に道を阻まれる。
夜刀の正体、蓮の未来における姿のひとつであるという言を自身の来歴を明かすことで立証。
本当に救いたいものを救えなかった絶望、己に対するやり場のない怒りをこの場の誰よりも理解し、加勢しようとするハルヒらを制して蓮ただひとりを夜刀の前に送り出す。
SOS団員の中では終始、夜刀の心情の側に立って戦いを見届けている。
何の解決にもならない過去への八つ当たり。だがそれでもぶつけざるを得ない鬱屈した感情。
猛る夜刀の振るう一撃一撃に、本来あるはずだった自分の対決の姿が思い起こされる。
未来の自分と打ち合うことで急速に位階を上げる蓮。それでも互いの力の差は歴然だが、決して膝を折ることはしなかった。
たとえ未来に絶望が待っていても、今まで愛した刹那を捨てたりはしない。
おまえには負けない。誰かに負けるのはいい。けど、自分には負けられない。
この愛は決して、間違いなんかじゃない。
無我のなか一念で叫んだ蓮の言葉を聞き、アーチャーの中で何かが氷解した。
瞬間、解放される黄金の理想郷。
最後の支給品、戦いの前に蓮に預けた『全て遠き理想郷(アヴァロン)』による次元遮断。彼の騎士王以外にはアーチャーはおろか蓮でも使いこなすことのできなかった宝具が蓮を包み込む。
それは蓮の勝利を願うハルヒの覇道の力の賜物なのか、それとも、或る少女の願った祈りの奇跡なのか。
次元を超越する夜刀相手に完全に防げはしなかったが、刹那の機会を生み出すには十分であり。
夜刀が地に伏したと同時に、人知れず決した、彼だけの戦いも終わりを告げるのだった。
結局は脳内での仮想でしかなく全てに納得したわけではないが、蓮におまえたち仲間がいたから勝てたと告げられ、その中に自分が含まれていることを悪くないと、心境を変化させた。
蛮「結構美味いしイイんじゃね?」←10本ほど貪りつつ
アーチャー「お前は……食い意地が張っているな、まったく」
ハルヒ「けど、こういうのって食べると喉乾くわよね。アーチャー、ブルーアイズマウンテン淹れて。折角だし、みんなでお茶にしましょう」
アーチャー「了解だ。茶器がたらんから、一部は湯飲みや茶碗で我慢してもらうぞ」
マーダーの殆どが姿を消し、分散していた仲間も少なからず損害を被っていたため、やがて来る最後の時を前に休息を兼ねたひとときの団欒を行うことに。
コーヒーを入れ、再び満足状態になるハルヒらを止め、他愛もない話に華を咲かせる。
殺し合いという環境の中でも彼らは笑い合い、紛れもなくアーチャーもその輪の中に入っていた。たった刹那の満足を抱いていた。
訪れるジ・エーデル・ベルナルとの最終決戦。一度は一切の犠牲を出さずに完封勝ちを遂げるも、いくら倒しても復活するジ・エーデルを前に徐々に息を切らし、ハルヒを庇った蛮が死に、その動揺を突かれた蓮も瀕死の重傷を負ってしまう。
仲間の喪失に精神が追い詰められ、悲しみに耐えかねて流出しようとしたハルヒを止めたのは、自身の過去を抹消することを望んでいたアーチャーだった。
仲間の死に悲痛と苦痛を抱くのは正しい。だが今ここで生き、もがきながらも必死に戦う者たちがいる。それら置き去りにして、彼らの生き様をなかったことにはしてはいけないと。
どこか懇願にも近い言葉に涙ながらもハルヒも思い止まり、鮮烈な赤い背中を見せながら、かの最高の死亡フラグのセリフと共に"無限の剣製"を開く。
アーチャーとジ・エーデル以外を締め出した固有結界。その気になれば無理やりこじ開けることもできたが、惨めに足掻く様を楽しむためにあえて遊びに興じる。
今更にヒーローぶる様を散々におちょくるジ・エーデルだが、弓兵はただ不敵に笑う。
「生憎、ヒーローも正義の味方も廃業していてな。今の私はアーチャーのサーヴァント。
そしてSOS団の、しがない執事さ」
宝石剣を悪用し遠坂を汚す相手に一切の容赦を捨て、聖杯からの魔力供給で無尽蔵に射出する剣の弾丸、バスターソードを読み取って再現した超級武神覇斬Ver.EMIYAらを駆使して孤軍奮戦する
しかし有効打は与えられず、最期は嘲笑するジ・エーデルの宝石剣の一撃に全身を消滅させられてしまう。
しかしそれはアーチャーの計算通り。そもそも彼の狙いは始めから「時間稼ぎ」だった。
ひとつは文字通り、崩れた対主催の陣形を持ち直すため。
そしてもうひとつは、蓮の時間操作を阻む要因だったド・マリニーの時計@デモンベインシリーズを投影して、その効果を相殺するため。
クラウザーさんの魔王のプライドを懸けたレイプ地獄の力添えをもらい、身を犠牲にして逆転の狼煙を上げ、残る者に後を託したのだった。
所詮は刹那の満足。やがては忘れられ、僅かな記録としてしか残らない幻想に過ぎない。
だがそれでも、今ここにいる自分だけは信じていられる。原初の願いを思い出し、今度こそやり通せたと誇ることができる。
オレは、間違ってなどいなかった。
「ああ―――満足だ」
その後、流出しかけたハルヒの影響か、はたまたジ・エーデルが起こした多元世界の改竄の弊害か、座に至るも傍にいた守護者を失った黄昏の女神の元に、"水銀"により別の"座"から流れ出た英霊を用いた新たな守護者のシステムが構築され、やがて覇道に至る少女を静かに見守っていると伝えられているが、その記録は定かではない。
……またさらなる余談として、女神を守護してくれた礼という名の暇つぶしに冬木市を訪れたどこぞのニートや、立川から小旅行に来たロンゲとパンチパーマの2人組により、聖杯戦争史上最大のカオスが起きたといわれるが、やはりこれも定かな記録は存在しない。
最終更新:2013年12月01日 14:15