【名前】スペルビア
【性別】男
【出展】勇気爆発バーンブレイバーン
【所属】関東軍

【設定】
機械生命体集団・デスドライヴズの幹部の一体で『高慢を司る』。
死はデスドライヴズにとっての唯一の快楽であり、彼は「武人としての誉れ高き死」を求めている。
好きなものは推して参ること・嫌いなものは卑劣な行為。
大きさは全長9.0mで意外と小さく、18m級のMSの約半分程度である。
原作ではブレイバーンの(後に善き)ライバルロボ的なポジションにある。

オーソドックスなロボット然としながら、ガラスの破片や結晶のように尖った不均一なパーツで構成された見た目が特徴。
鴉の翼のようなユニットが背中についており、展開して飛ぶことができる。
ビーム砲や両刃剣「飛燕雷牙」を装備しており、近接戦闘に優れた性能を持つ。
歯を食いしばった様な造形の口が特徴的であり、喋る際はそこが発光する。

コックピットは胸部を開けパイロットが乗ったコアを取り込むタイプだが、ブレイバーン同様アビスに相当する液体に満ちているものの、あちらとは違いどろっとした紫色の禍々しいものであり、おまけに触手じみたパーツがパイロットに巻き付くという少々おぞましい仕様。
通常の人間ではパイロット、スペルビア本人共に適合しないのかスミスが搭乗を試みた際はスペルビアが苦しみだしてコアがスパークし、排出してしまった。
しかもこの液体は悪臭がするのか、乗っていたスミスはおろかルル(人物)まで嘔吐してしまっていた。
そもそも、本来はパイロットというより人型の電池と言える種族『ルル』を入れるところである。
余談だが、このコアにあるマジックハンドで食事を取ることが可能(ブレイバーンは食べられない)だったりする。

地球に降りてきた最初はノイズのような言葉しか話せなかったが、6話終盤にてブレイバーンのスタンナックルを腹パンされる形で喰らったことで言語機能を操作され、地球の言葉を話せるようになる。
堂々とした佇まいに相応しい高潔な武人肌だが、感情が昂ると広島弁(に近い訛り)のような口調になる。
立場的には人類の敵でありながらも、それなりに流儀を持ったり、戦う相手に敬意を払うタイプ。
なので自分の望みを叶える好敵手=「推して参る者」でない限りは無益な殺生も好んでおらず、敵対勢力でもコックピットを可能な限り避けている。

物語が進むうちに人類の味方になっていくが、参戦時期は上述の6話終盤であり、まだ人類の味方とはいえない時期からの参戦である。


【今大戦での動向】
ブレイバーンに腹パンをかまされたと思いきや、いきなり異世界召喚装置で内戦中の大東亜共和国世界の関東軍側にやってきてしまったスペルビア。
裏切り防止という建前で首輪を嵌められ、クーデター軍である関西軍との戦争を強要される。
スペルビア的には「誉れ高き死」を得られるなら、内戦に協力することも辞さないつもりだったが、ここで関東軍のモブ兵士が喋る大型兵器に必要以上に怯えてしまい、スペルビアが出自をデスドライヴス=地球の侵略者だったことを素直に話したことから監視の目が入り、東京の基地にて拘束される形になった。

スペルビア的には戦いをやらせてくれないことに「話が違うじゃけんのー!」と最初は不満を漏らしたが、冷静に考えたら自分は今は人間電池『ルル』を失っており、100%の力で戦いができないので今戦場に出ても「誉れ高い死」を得られぬ可能性が高いと思い直し、しばらくは関東軍に従うことにした。
なお、スレッタなど異世界召喚された面子との交流はある程度はあった模様である。
関東軍は未知なる存在ゆえに技術転用できないか、という思惑もあったのかもしれないが……
やがて拘束も監視も少しずつだが緩くなっていった。

時は進み、名古屋基地では強襲され関東軍が敗走。
越後基地では関東軍が勝利したものの毒ガスGUSOH使用まで追い込まれた。
このままでは関西軍に押されかねないと危機感を抱きスペルビアの解放および戦線への投入を関東軍は検討し始めた。

そしてイオ・シロー・イプシロン・グラム・スレッタがパイロット候補として召集されていた。

「ルルがいれば最善であったが…苦肉ではあるが、共に推して参れる人間がいることを願おう」

しかし、アームストロングにより群馬県での救出任務に招かれて抜けたスレッタを除き、パイロット候補者たちはコアに入っていく。
だがシロー・イオ・イプシロン・グラム……いずれも適合できず全員排出およびアビスの悪臭に耐えられないという結果になってしまった。

そんななか、群馬から戻ったスレッタがスペルビアのいる格納庫に訪れる。
群馬ではギャオスにより甚大な被害が出たと聞き及んでおり、そんな群馬の戦いを生き残った彼女曰く「ひどいことをする関西軍を撃滅するために力が欲しい」と渇望していた。
スレッタも排出こそされるが、他の4人よりは長く持ち、アビスの悪臭も根性で耐えていた。

そして原作のルル(人物)のように何度も繰り返せばそのうち乗れるようになると判断した関東軍はスレッタにスぺルビアのパイロットに任命した。
ただし、すんなりいったのび太とブレイバーンと違い、完全な適応には時間がかかるため。
この後に起こる佐渡島と浜名湖の戦いにも参戦することはできなかった。
適合を焦るスレッタにこーりんがコーヒーをさしいれたりしていたのを見たりした。

さらにギニアスでもろくに整備しきれなかったとはいえ、そのギニアスがスペルビアの整備と適合実験を放棄、寿命がもうそこまで来ているという理由があったとはいえ、アプサラスⅢ完成のために浜名湖戦に向かって、アプサラスⅢで戦闘をした後に病死してしまったという。
おかげでスレッタの訓練が難航するのだが、そのせいで更にスレッタが曇るという嫌なピタゴラスイッチが発生する。
スペルビア的には内戦を加速させたいならいくらか融通はできるかもしれないらしいが、とはいえまずはスレッタと適合しないと何も始まらないというのが答えだった。

そんななか、こーりんがトマトが敷き詰められたダンボールを持ってきた。
こーりん的には栄養を少しでもつけないと、という理由で二人に真っ赤なトマトを渡し、ミオリネ絡みでトマトを嬉しがったスレッタは喜んでいただいた。
スペルビアも最初は「食べる」という行為に難儀を示したが、試しにコア部分のマジックハンドでトマトを掴み食べて見ると、トマトは程よい甘味と酸味、そして何かがみなぎる感じがして感動をしていた。

スペルビアとスレッタが二人でトマトを食べる、ほっこりとした展開も終わり、あらかたもらったトマトを食べつくしたスペルビアとスレッタは気合を入れ直し、適合訓練に戻る。
すると、これまで適合できなかったスレッタが今まで以上に馴染んでいき、とうとう適合に及んだ。

スレッタはついにルルの代役となったのである。
これでほぼ100%の力で戦場に推参できるようになり、仮に戦場でブレイバーンが現れたら推して参る(=倒す)こともできるだろう。
適合が成功したことで、敷島やグリーグといった周りの主戦派は2人の努力の賜物と見て祝福した。
……一方でトマトを運んできたこーりんだけは冷ややかな目で見ていたのを、誰も気づいていなかった。



そして関東軍と関西軍の行方を左右するかもしれないと言われた桶狭間の戦いにて、遂に参戦することになったスペルビア。
スレッタと共に航空輸送機ミデアに乗り込み、飛び立つ。

しかし、ダリル率いる狙撃MS部隊によりミデアは次々と撃墜または不時着させられ、散り散りになる関東軍。
スレッタを乗せたスペルビアもミデアから緊急脱出を余儀なくされた。
だが関東軍もただやられっぱなしではなく、実力を発揮できるようになったスペルビアの攻撃や後方のガンタンク部隊の苛烈な支援砲火により関西軍も分断

結果、桶狭間の戦いはこれまで以上の乱戦になることになった。


ます見つけたのは関西軍の魔法少女である織莉子。
既にグロッキー状態にあったが、敵である以上は仕方ないと推して参ろうとするスペルビアとスレッタ。

そこをキリカが庇い、負傷するも織莉子を後方へ逃がされてしまい、入れ替わりでキリカは単身でスペルビアに挑むことに。
キリカはスペルビア相手に奮戦するが、負傷した身では勝てず、鍵爪を突き立てることもできなかった。
デラーズのドムの援護もあり、有利に戦いを進め、最期は組み付いて自爆しようとしたようだが、それより速くソウルジェムごとバラバラに膾切りにした。

そして関西軍の織莉子を追いかけてついに追いついたスペルビアだったが

織莉子「ここまで来れば……!」
スレッタ「逃さないっ、堕ちろぉ!」
スペルビア「! 敵だ!」
スレッタ「なっ、キャァ!?」

ノリス「間に合ったな……攻撃を開始する!」
シロー「あのグフ、まさか!」

スペルビアの腹部にガトリングが突き刺さり、危うくコックピットに当たる寸前で物陰に転がり込む。
ノリスの後ろには多くの関西軍のMS等機動兵器群、幸いなのはこちらにはデラーズのドムとシローのEz-8、大智、バラートがいたことか。

戦いの前にデラーズはギニアスの誉れ高い死を敵軍のノリスに告げる。
どうやらデラーズ・ギニアス・ノリスは同じジオン軍に元々所属しており、ノリスはギニアスの忠臣であったらしい。
そして交戦する両軍。
数は向こうの方が上だが、デラーズと1VS1決闘のように戦うノリス以外は雑兵、スペルビアたちの敵ではなく次々と撃破していく。

そんななかで自分(とスレッタ)を襲おうとした敵機を堕としてビームサーベルで更に一機を大破させたシローは突然言い出した。

シロー「みんな、今のうちに脱出だ!」

どういうわけかわからないが、シローはデラーズを取り残して自分とスレッタ、大智とバラートを連れてその場から逃げ出してしまった。
シローの突然の行動に一同は困惑する。

スレッタ「ええ!?どういうことなんですかシローさん!」
シロー「デラーズはおそらく関西軍側の内通者だ、毒ガスを俺たちにばらまく危険がある......」
バラート「お、おい、その根拠は?」
シロー「根拠はモノアイの発光と、明らかにあのグフ相手に手を抜いていたところからだ」
大智「確かに、モノアイの件は見たが......」

確かにシローの言った通り、デラーズはやたらピカピカとモノアイを光らせ、格闘戦では手を抜いていたように見えなくもなかった。
果たしてデラーズの目的とは……

そんなことを考えている暇もなく、ダリルの狙撃MS部隊の遠距離射撃によって散開しないといけなくなり、スペルビアとスレッタは他の三人と逸れてしまった。


なんとか、ダリルたちの攻撃から逃れたものの仲間を探さなければならないスペルビアとスレッタ。
そんななか、スレッタと親しかった東京卍會の面子が倒されているのを目撃する。
特にリーダーのマイキーはボロボロで今にも敵軍のブロリーに倒されそうだった。
それを焦ったスレッタはブロリーが首を絞めようとしてマイキーにトドメを刺そうとしていると思い、突撃する。


スレッタ「やめなさい!!」


ブロリーを袈裟斬りにするべく、猛スピードで接近し飛燕雷牙を振るった。
ブロリーもボロボロの状態ではこの斬撃を避けることはできない。

だが



マイキー「危ねえ!ブロリー!!」
ブロリー「マイキー!?」

マイキーはブロリーを蹴ってスペルビアの一撃から庇い、身代わりとなったその肉体は袈裟斬りに両断された。
即死である。

スレッタ「え……?何でマイキーさんが、敵を庇って、私が殺して……!」
スペルビア「これはいったいどういうことだ…?」
ブロリー「マイキー!?、マイキー!!
     貴様ァッ……ぐう」

スレッタはマイキーを自分の手で殺めた事実を受け入れられず、パニック。
スペルビアはマイキーが敵を庇った事情がわからず、困惑。
ブロリーはスペルビアに怒りの攻撃を叩き込もうとしたが、傷の痛みに耐えられず悔しそうに片膝をついてしまう。

ゆきたち、周囲の者が気絶から覚めたのはこの直後であり、ほむらたちが到着したのも同時であった。
余談だが、味方を攻撃した場合は「通常は」首輪を爆破されるものの、この場合はスレッタおよびスペルビアの誤殺およびマイキーの利敵行為のため、爆破はされない。


ほむら「その刃から流れる血……あなたがマイキーを殺したのね、スレッタ・マーキュリー……!」

辿り着いたほむらがスペルビアを睨む。
同じ軍だからこそスペルビアの搭乗者がスレッタだということはわかっているはずだ。

マサツグ様「やれやれ……。笑えない冗談だな。どうして東京卍會だったお前がマイキーを殺したんだ……!」

ウォーズめぐみん「仲間を殺すなんて……絶対に許せません!スレッタ、あなたはもう東京卍會失格です!」

そしてそこにキリトも辿り着いて……唖然とした。
自分達のリーダーの死と、彼を殺したのが明らかにスレッタだということに。。
あのブロリーが片膝をついてるのも驚きだが、それ以上に仲間を殺したスレッタに問い掛ける。

キリト「どうして……どうしてパーティーメンバーを殺したんだ。答えろ、スレッタ!」

かつての仲間達やミラージュだったのに東京卍會になった男に言い詰められて……
マイキーの死骸に寄り添って「マイキーくん……!マイキーくん……!」と泣き声をあげるゆきを見て……

スレッタ「あ、え、あ……。私は、私は……」

スレッタは何も言い返せず、動揺してその場を去った。
操縦されるスペルビアもまた彼女の操作に従うしかなかった。

パニックになったスレッタはスペルビアを動かし、まるで逃げるかのように走らせる。
その先で待っていたのはまだ息のある溝口(ヨンファ)を担いで同じく前線から後退してきたアームストロングと、前線が押し上がったことで前進してきたガンタンク部隊の長であるこーりんだった。

スレッタは自分から降りるなり、アームストロングの上裸に泣きついた。

アームストロング「どうしたのだスレッタ・マーキュリー?」
スレッタ「私、マイキーさんを…マイキーさんを殺してしまいました!」
アームストロング「なんと…」

泣きじゃくるスレッタと困惑を隠せないアームストロングを尻目にスペルビアとこーりんは不可解な事象について話し合う。

スペルビア「スレッタはマイキーを守ろうとしただけだ、だが、どういうわけかマイキーは尖兵(ブロリー)を守ろうとして、果てたのだ」
こーりん「ふーん、なるほどね」
スペルビア「何がなるほどなのだ?」
こーりん「マイキーの行為は立派な利敵行為じゃないか。
     回りの奴らもスレッタを非難するよりなぜ関西軍の尖兵を倒さない?
     思うにマイキーは…いや、東京卍會は、関西軍の回し者だったんじゃないか?」
スペルビア「憶測の域は出ぬ話だが、可能性もゼロではあるまい……が」
こーりん「これはただの直感だけど、奴らはきっと集団で関東軍を抜ける。
     仮にそうなれば推測は当たってたことになるね」

どうにも腑に落ちない部分があるが、こーりんの推測も一概に反論できないスペルビア。
まさか戦場で敵同士が戦いの中で友情に似た何かを得たなどとは夢にも思ってない四人は答えにたどり着けるハズがなかった。
そんな四人の頭上の空を1発の巡航ミサイルが通過していった。
その直後、溝口がアームストロングの背中で首輪を爆破されて殺される、謎の戦死。
なんらかの背信行為があったのかはわからないが、余計に現場は混乱した。

そんななか、戦場の真ん中でEMP装置が作動し、一時的に首輪の機能がダウンする。
しかし、スペルビア、アームストロング、スレッタ、こーりん、ついでに近くにいたMURは首輪解除されることはなかった。
全員首輪解除者のいる現場から遠い後方にいるから仕方ない部分もあるが、マイキー殺しでスレッタ、スペルビアは東京卍會からの危険視されてるので言わずもがなであろう。

EMPが収まった頃、スレッタは東京卍會を心配し出す。

スレッタ「ほむらさんも、キリトさんも帰ってこない……まさか……死んじゃ……」

スレッタ「……! そんなはず、そんなはずない! 卍會の人たちは、裏切ったり仲間を見捨てて逃げる人じゃない! それは私が一番信じられる!」
スレッタ「スペルビアさん、お願いします!」
スペルビア(なんだ、スレッタが『馴染んでいく』……!)

なぜかはわからないが、スペルビアとスレッタの適合率が自然と上がっていったのを感じた。
スレッタ曰く未だ戦場には傷つきながらも生きている戦士たちがいる。
スレッタとスペルビアは負傷して動けなくなっている関東軍救出の為に再出撃した。

同時刻、巨大なロボット、ヴェルム・ヴィータが戦場に現れた。
関東軍全体には関東軍の最終兵器であると通達されて間違って攻撃しないように指示を受けた。
まだ戦場に残ってる関西軍の名もなき部隊が挑むが、全く歯が立たずビーム攻撃で次々と蹂躙していった
見た目「だけ」は美しい女神像のように見えるせいか、遠巻きから見ていたスレッタは「なんて素敵なロボット」と良い。
一方でスペルビアはヴェルムが自分と同じデスドライヴズに似た機械生命体であると見抜いていた。
(原作ではスペルビアとヴェルムは一切接触しないので仕方ないのだが、まさか自分たちのボスであることまではわからなかった)


途中、関東軍であるハズの仮面ライダーナイトこと蓮が裏切り、ヴェルムを攻撃しているのを発見、
スレッタの判断もあり両刃剣で、背後から蓮を串刺しに殺害する。

蓮「ぐはあ!」
スレッタ「この裏切り者ッ!!!」

致命傷を受けた蓮の変身は解除され、同時にスペルビアは剣から引き抜くと同時に力強く地面に叩きつけた。
蓮の肉体は潰れたトマトのように戦場の土を赤く染めた。
そしてヴェルムに礼を言われるスペルビアとスレッタ。

ヴェルム「助かりました、勇者スレッタ、勇者スペルビア」
スレッタ「あなたは人が乗ってるMA……じゃない。
     スペルビアさんやバラートさんと同じ機械生命体?」
ヴェルム「その通り、私は数年前にこの星に降り立ち、召喚装置を人々に授けたもの…ヴェルム・ヴィータ」
スペルビア「ヴェルム・ヴィータ……」

2人や、関東軍に対してはまるで女神のような態度を取るヴェルム。

ヴェルム「どうやら桶狭間の戦いは我々の勝利です…が、こちらも離反者が多く被害が大きい様子。
     いったん、近くの基地まで後退します」
スレッタ「まだ負傷して動けない人や卍會の人がいるかもしれません!」
ヴェルム「……わかりました、私も可能な限り探しましょう」

ヴェルムも手伝う形でスレッタの捜索を手伝う、だが、見つかったのはほとんどが無惨な死体に成り果てているか、既に戦場にいないかのどちらかであった。

途中、ギーツキラー(釘宮)に圧倒的に押されていた宝太郎を発見。
ヴェルム、スレッタ、スペルビアが宝太郎に加勢したのもあり…最終的に数の利で押し切られ限界を迎えさせた後、宝太郎のアイアンナックルでふっ飛ばされそのまま海中に沈めて殺害した。

そしてまた味方の探索を続けるが、仲間も良き情報もほとんど見つからなかった。
特に男であるハズの曽良は凌辱された殺されただの、スレッタの友人であるハズのほむらが助けるふりをして敵軍の首輪を破壊して殺害しただの、バッドなニュースばかりが飛び込んできた。
もはやこれ以上は探すだけ無駄だと判断し、スペルビアはスレッタに提案、スレッタもまた諦めてヴェルムの言っていた近くの基地に戻ることにした。


ヴェルムは桶狭間の戦いが終わって最寄りの基地まで戻った後、この戦いの真実を残った召喚者の面々に話した。

元々、別の星からやってきたヴェルムはこの星の住人と共生していた上で、人類に豊かさを与え、場合によっては死すら超越する「異世界召喚装置」を作り上げた
ところが召喚者の中に裏切り者が出て、3機あった召喚装置の1つを強奪(もう1機は地震で喪失)されてしまった。
その強奪した者たちが今の関西軍であると。
仮に関西軍に関東軍側に残った装置を奪われれば、私利私欲に使うだろう。

余談だが、これまでの関東軍側の虐殺や大量破壊兵器使用の責任は全部溝口とデラーズのせいであるらしい。

ヴェルムの言葉を真実と鵜呑みにし、なお関西軍への敵意を高めるスレッタ、敷島、宝太郎。
話に違和感を感じるが確たる証拠もないので口に出せないアームストロング、ゲロウジーム。
「だから何だ?」と真実そのものに興味はなく報酬目当てに関東軍として戦っていくつもりのシャロ、グリーグ。
この話には裏があると思いつつ、後でヴェルムと交渉して甘い汁を啜れないかと考えるこーりん、MUR。
スペルビアに至っては自分が推して参り、武人としての死を得ることができるなら、ヴェルムの目的自体は何でも良いから遣えておくって立場を取った。
時系列のせいもあって「死」と「戦い」以外の生き甲斐を見いだした原作と逆の境地に至っていたのだ。


それから、とある夜にてスレッタ、アームストロング、こーりんの三人がシャワー室でまぐわっていたという目撃情報が出た。
これに対しスペルビアは「これがOMIAIという奴か」と答えた。


そしてスペルビア及びスレッタに与えられた次の任務は、浜名湖基地のアプサラスⅢを第三軍から防衛または破壊だった。
新たな任務に際してスペルビアは先の功績から新しい刀をヴェルムから託された。
マイティストライクフリーダム……の一装備である対艦刀『フツノミタマ』。
先の戦いで戦果をあげたスペルビアの新装備として授与されることに。

グリーグの浜名湖駐留を許可したヴェルムは、念のためにスレッタ&スペルビアとこーりん&ガンタンク部隊を名古屋・浜名湖の中間地点に配置していた。
もし仮に浜名湖が襲撃されても、万が一関西軍が進軍したとしてもどちらにも対応できるように配置したのだ。

それともう一つ、ヴェルムはグリーグに依頼する。
もし万が一アプサラスⅢが強奪されるケースを想定して、当機を破壊できる程の爆薬を仕掛けるように、と。
無論解析班がロックを解除してくれれば御の字だが難しそうであり、敵に奪われるぐらいなら破壊した方がいいと計算してのことである。

1アームストロングだけ埼玉の防空網を担う要塞の防衛に回されるらしく。スレッタ、アームストロング、こーりんはそれぞれの戦場に赴く前にスペルビアの前で円陣を組んでいた。

スレッタ「三人とも生きて、また帰ってきましょう」
こーりん「ああ、君を抱くまで死にたくないし、ライバルがいなくなるのもつまらないからね」
アームストロング「スレッタの初体験は……うむ、リンノスケ殿には奪わせたくないな」
スペルビア「これが友情というものか……背丈が同じならば私もエンジンに入りたかった」

戦争を通じて結果的に仲良しになっていた、この三人と一機。

それからしばらく経ち、浜名湖基地の異常はスレッタ達にも伝わり、すぐにでも出撃するように要請が入った。

こーりん「どうやらグリーグの予感は的中したな、遠距離から支援するから急いで行ってくれ、スレッタ」
スレッタ「分かりました、リンノスケさん。行くよ、スペルビア!」
スペルビア「この新たな刀と共に、いざ推して参る!」

フツノミタマを掲げて、戦場へと飛んでいく準備をするスペルビア。

こーりん「僕はガンタンク部隊で援護を行う。
     前にも言った通り、君の処女をいただくのは僕だ。
     死なずに帰ってくるんだ」

こーりんはガンタンクのキャノピー越しにサムズアップをスレッタに見せた。

スレッタ「ええ、わかりました。
     スレッタ・マーキュリー、スペルビア出ます!」

スレッタの操縦の元、飛び出したスペルビア。
関東軍及び関東軍を裏切った第三軍のガンダムとブレイバーンの2機相手に戦い続けたグリーグのフロストの元にスレッタのスペルビアが駆けつけ、牽制の攻撃で2機を後退させつつグリーグの横に並び立った。

スレッタ「グリーグさん、大丈夫ですか!」
グリーグ「助かったぜ、嬢ちゃん。ついでに聞くが、ガンタンク部隊はいまどの辺りいるか分からないか?」
スレッタ「ちょっと待って下さい、確かこの辺りです」

スペルビアから地図情報が送られ、ガンタンク部隊と浜名湖基地の位置を確認する。
そしてグリーグは敵機と交戦しつつ、ヴァンツァー部隊の部下に指示を出す。
内容は――基地への砲撃だった。
ちなみにヴェルム曰く、浜名湖基地には新潟から連れ出した関西軍捕虜に特別な首輪を付けて洗脳状態にしてあるため、彼らを殺してしまったとしても我々の首輪は爆破しないように設定してある、と言われている。
ここで第三軍にガンダムやアプサラスⅢを奪われるわけにはいかないと判断し、こーりん率いるガンタンク部隊は遠距離砲撃を開始した。

浜名湖基地に落ちる砲撃。

ノリス「奴らめ…自軍の基地ごとアプサラスを吹き飛ばす気か!」
ゲッタ「あの戦車モドキをぶっ潰さねえと!」

スレッタ「行かせません!」
スペルビア「行かせんぞ!ブレイバーン!」
ゲッタ「くそっ、邪魔しやがって」
ブレイバーン「スペルビア!この戦争に加担する気か!」
スペルビア「全ては武人として果てるため、推して参る!!」
ブレイバーン「……くっ、『変えられなかった』ということか、やむを得ない。ここで討たせてもらう!」

ブレイバーンの『変えられなかった』という言葉に引っかかるものがあったが、スペルビアは戦闘に集中。
ブレイバーンを討つために戦う事に。

グリーグ「これで1VS1だな髑髏のガンダム!」
ノリス「望むところだ。例えここが死に場所になったとしても、貴様を討ち、仲間を守らせてから死のう!」

スペルビアとブレイバーン。
フロストとガンダムEX。
今、意地と信念がぶつかり合う。


スペルビアはゲッタとブレイバーン相手に有利に戦っていた。
前にも増して適合率の上がったスレッタとスペルビアそして新装備のフツノミタマの切れ味と硬度はバーンブレイドのそれを上回っており、ブレイバーンの剣ごと右腕を切断した。

ゲッタ「……ッ! まだだ、仲間たちのためにもここで引くわけにはいかねえんだよ!」

イサミのそれと比べるとだいぶ荒々しいが、ゲッタの勇気が爆発しそうな感じをブレイバーンは感じた。
今ならバーンドラゴンと合体できると睨んだブレイバーンはゲッタに合体用レバーを動かすことを伝えた。

そしてバーンドラゴンと合体し、強化形態バーンブレイバーンになろうとするブレイバーン。
しかし――

ブレイバーン「ユウスケェェエエ!」

バーンブレイバーンが突如、謎の汚濁により黒く染まった。
そして獣のような叫び声をあげ、距離をとっていたスペルビアに急接近して折れたバーンブレイドで斬りつける。
合体自体は成功しているのでバーンブレイバーンのスペック……いや、ジュマ化したことでそれ以上にスペックが上がっていた。

それだけでなく、バーンブレイバーンはどういうわけか、浜名湖基地を砲撃し、その砲撃は基地を貫通して周辺の町すらも焼いた。
兵士だけでなく、民間人への大量虐殺もブレイバーンは行ったのだ。

スペルビア「見損なったぞ、ブレイバーン!!」

スペルビアとスレッタはこれ以上の味方や民間人の被害を抑えるために、暴走したブレイバーンと戦い続ける。

その途中、近くの浜名湖に落ちていた第三軍の鬼龍が

鬼龍「さあ、ここから灘神陰流の極意を――」


次の瞬間、スペルビアのフツノミタマにより浜名湖を泳いでいた鬼龍の首が切断された。
暴走ブレイバーンとスペルビアは戦っていたが、その最中、偶然刀の切っ先が触れたのだ。

スレッタ「あれ……なんか斬ってしまいました?」
スペルビア「味方じゃないから気にするな!」

哀れ、鬼龍。


その後も戦闘を続け。バーンブレイバーンのバーン・ランサーによる猛攻をフツノミタマでなんとか凌いでたスペルビアだったが遂にフツノミタマも硬度限界を迎えて破壊された。
スペルビアたちは知らないがシンプルにバーンブレイバーン+ジュマ化で底上げされたスペックは危険な領域まで達していた。

フツノミタマ破壊と同時に基地の瓦礫に吹き飛ばされるスペルビアおよびスレッタ。
そしてダメージからスペルビアは一時的に機能停止(気絶)してしまう。
スレッタもまた、痛みで意識を保ってられない。

そしてジュマバーンはスペルビアとコクピットに乗るスレッタにトドメの一撃を叩き込もうとしたその時。
一発の砲弾がジュマバーンの背中に命中する、

それを放ったのはこーりんの乗るガンタンク。
遠距離から受けたそれによりダメージを受けたジュマバーンは、遠方にいるガンタンクに向き直る。


一方、物陰に隠れていたグリーグは決断した。

グリーグ「……潮時だな、動けるうちに退く」

フロストから信号弾が打ち上げられると、イオの奪われたアトラスガンダムを牽制しながら後退をはじめた。

グリーグ「スレッタ! メガネ! さがれ! 空爆を要請した!」

浜名湖のMSが2機も奪われたということはアプサラスも奪われた可能性が高い。

ガンタンクで撃破できたかも不透明な以上、優先すべきミッションはアプサラスⅢの破壊だ。

こーりん「簡単に言ってくれるね……こっちはあんなのより大事なものがあるんだよ」

通信を切ってそうぼやくこーりんは、腕部のミサイルを撃ち込みながら後退する。
ただしそれはスレッタの乗るスペルビアから遠ざけるような動きだった。
こーりんがブレイバーンのヘイトを稼いだおかげで気絶したスペルビア・スレッタは名もなきヴァンツァー部隊に引き上げられて戦線を離脱していくことができた。

そのこーりんの乗るガンタンクは破壊され、コア・ファイターによる脱出も失敗して戦死。
不幸中の幸いだったのはスレッタは無事だったことと、獣に身を落としたブレイバーンはグリーグのフロストが仕留めたことを、気絶から醒めて別の基地に知らされたことだった。
一方で防空網を担っていた要塞にいたアームストロング含む兵士・召喚者は第三軍に皆殺しにされ、やむなく関東軍自身の空爆で破壊するしかなかったとヴェルムから聞くことにになった。

こーりんとアームストロングに好意を寄せていたスレッタにスペルビアはかける言葉が見つからなかった。


後日、スペルビアが修理を受けていたとある基地の格納庫で、召喚者たちは妙なことを言い出す。

宝太郎「どういうこと?まさかこの内戦に真の黒幕がいるとか!?だとしたら俺はそいつを許せない!」

混乱しながらも声を荒げる宝太郎。

そんな黒幕探しをする関東軍の皆様方に最前線に出ていたMURが帰ってきた。
いつもの陽気なあんちゃんのようなノリで。

MUR「何?黒幕探しをしてるのか?
   だったら関西軍と第三軍の捕虜を何人か捕まえてきたゾ」

こんなこともあろうかと、MURは敵兵モブ数人を下手に皆殺しにせず、あとで気に入った男をホモレ……ゲフンゲフン、情報をもたらしてくれる捕虜として捕まえていた。
捕虜たちは首輪をつけられた上に完全に心折れた命乞いをしており、ありのままのことを話すつもりのスペルビアからすれば誇りもクソもない軍の屑でもある。
ここで情報を統合したヴェルムは口を出した。

ヴェルム「おそらくなのですが、ダリルとユリカという存在は召喚装置を盗んだ犯人だと思います。
     ダリル・ローレンツは召喚前はテロリストの経歴もある危険人物。
     村田ユリカは……おそらく偽名で、本名はアウラ・マハ・ハイバル、こちらは元の世界で世界征服を行おうとしたダリル以上の危険人物です」
敷島「知っていたのか?」
宝太郎「なんで黙っていたんだ」
ヴェルム「関西軍の黒幕と思える確証が持てなかったので……まさか今になって戦場に自ら出てくるとは思いませんでした。
     それからアウラの少女姿に騙されてはいけません、中身は50代を越えた中年女性です」
敷島「ええ……」
宝太郎「ロリババアって奴か……」

そして第三軍の捕虜から東京卍會派閥のリーダーがゆきになっていることを知らされた。

スレッタ「ゆきなんて子、前の戦い(無印妄想ウォーズ)にはいなかった。
     仮にマイキーさんがやられたらキリトさんかめぐみんさん辺りが総長になってるハズ。
     なんで、いきなり現れた子が総長になってるの?!」
スペルビア「そやつが東卍の面子をマインドコンドロールしていた可能性はあるな。なれば、マイキーがブロリーを庇った理由もわかる。
      戦力にするならマイキーよりブロリーの方が都合が良かったのだろう」
MUR「あいつら、デキてたっぽいけど、SRT(スレッタ)の話を聞くと急に仲良くなったようにしかみえねえな。
   あとRIT(月)には気をつけろ、あいつに名前を知られるとたぶん殺される能力があるゾ、そして仲間を殺せるくらい冷酷」

グリーグ「黒幕探しには興味ねえが、察するに要はそいつらを優先して殺せば関西軍も第三軍も瓦解するんだろ」
ヴェルム「そうですね、アウラ・ダリル・ゆき・月は要注意人物として狙いましょう。
     この内戦を一秒でも早く終わらせるためにも」

生き残った関東軍一同は、ダリル・アウラ・ゆき・月を優先して殺害することを決意。
特にスレッタは東京卍會を狂わせた元凶としてゆきを最も危険視するのであった。


そして、また後日、MURの活躍により空爆で秘密基地に大打撃を与えた報せが関東軍のモブ兵士達から入った

MUR「Foo↑気持ちいい~!じゃけんそろそろ大阪も攻めたいゾ~これ」

関西軍はギャオスとグラトニーの被害が甚大で、第三軍の秘密基地も潰した。
調子に乗ったMURは大阪襲撃をヴェルムに進言する。

ヴェルム「ええ、善は急げという言葉が地球にはあります。
     戦いを終わらせに行きましょう」
敷島「……毒ガスは使うのか?」
ヴェルム「民間人の被害を考えて今回は大量破壊兵器の類いは使いません。
     大変ですが、通常戦力を持って関西軍を撃滅します」
敷島「そうか、ちょっと安心した」
スペルビア「件の4人、アウラ・ダリル・ゆき・月は優先して討滅だな」
グリーグ「第三軍の屑どもは大阪に現れねえ可能性はあるが、まあ、関西軍を倒してもうひとつの召喚装置を奪ってから潰しても遅くはねえ。
     個人的には髑髏のガンダムモドキが気になるところだが」

ヴェルム「では進軍を開始いたしましょう。
     勇者たちの活躍に大いに期待します」

そして、関東軍は決戦の地、大阪に向けて進軍を開始した。
その途中にて

ヴェルム「おや?」
スレッタ「どうしたんですかヴェルムさん」
ヴェルム「大阪の……この位置は大阪城ですね。
     召喚装置を起動したという波動をキャッチしました」
スペルビア「そこまでわかるのか?」
ヴェルム「召喚装置を作ったのはそもそも私です……と言っても以前は遠すぎて詳しい場所まではわかりませんでしたが、ここまで近づけば妨害電波を出して召喚を止めてしまうこともできます」

ヴェルムの瞳が妖しく輝いた同時刻。
妨害電波により、大阪城の召喚装置から排出されたのは、生き物として召喚されるハズだった肉の塊……死骸と大阪城の外に顕現した巨大ジャンクの塊であった。



召喚装置が大阪城にあることがわかった関東軍は、そこへまず向かうようにしたな。
だが、アウラも即座にグルヴェイグに乗船し、大阪城までの道を遮断するように遠距離から陽電子砲やミサイルを放つ。

これでは的が大きいロボチームが大阪城に迎えないため、グルヴェイグを先に潰すべく、ヴェルム・グリーグ・スレッタ&スペルビア・敷島はグルヴェイグ撃沈を目指して大阪湾へ。
他がグルヴェイグを引き付けてる間にMURと宝太郎はモブ歩兵と共に大阪城へ向かった。


スペルビアとスレッタは大阪の海へ向かう途中、第三軍のゾックと中から出てくる召喚者たちを発見・捕捉。
損傷により海を進むのが不可能になったため陸地に上がって移動を開始したらしい。
スレッタおよびスペルビアは写真で見ていたゆきの姿を見つけたため、討滅するために真っ先に狙いにいった。

スレッタ「あなたが、東京卍會を狂わせた元凶かぁぁぁーーー!!」


スペルビアの刀は確かに当たった。
ゆきではなく、ブロリーに。
マイキーがブロリーを庇ったように、今度はブロリーがゆきを庇ったのだ。
そしてスペルビアの刀は膨れ上がったブロリーの筋肉を完全に切り裂くことは出来ない。
深傷を負ったブロリーだが、己が肉体のおかげで命拾いはした。
もっとも自らの命がもう残り少ないことは悟ったが……

ブロリー「東京卍會を狂わせたのは……マイキーを殺したのはお前だァ!」

マイキーを殺された時よりも、今のブロリーは回復している。
だからマイキーの仇であるスペルビアとそのパイロットであるスレッタに怒りをぶつけられる。
まだまだ調子が悪いから、本調子の時ほどの威力ではないが、不完全なイレイザーキャノンがスペルビアとスレッタに向けて放たれた。

ブロリー「俺は悪魔だ!だからお前も道連れにする!マイキーを殺したことを地獄で後悔しろ!!」

その気迫は、第三軍の仲間達すらも息を呑む程であった。

イレイザーキャノンを受けて、スペルビアは大阪の浜まで吹き飛ばされる。
コクピットのスレッタは無事だが、今の一撃でスペルビアは致命的なダメージを受けたようだ。

スレッタ「スペルビア、死ぬ時は一緒…でも、ゆきを討つまでは死なないで」
スペルビア「……ああ!武人としての最高の果てを迎えるために!」
ブロリー「死ぬええええええええ!!」

弾丸のように向かってくるブロリーにスペルビアは剣を構える。
ブロリーはもはや気弾を撃つ体力もなく、全力全開の拳でスペルビアとスレッタを殺すつもりだ。

そして、拳と刀が交差する瞬間。
スペルビアはスレッタをコクピットから排出した。

スレッタ「スペルビア!?」
スペルビア「すまぬスレッタ、拙者は任務を全うできそうにない……御主に託すぞ…!」

スレッタを失ったスペルビアは龍拳を受けたピッコロ大魔王のように、腹をブロリーに貫かれ、大阪の浜に倒れた。

ブロリー「マイキー……おまえとあの世で……」

しかし、ブロリーもまた、一言呟いた後に首がコロリと落ちた。
相討ちである。
その壮絶な最期はまさに武人と呼ぶに相応しいものだったに違いない。
スペルビアにとっては誉れ高い死を迎えたのである。



彼の物語はここで終わった。
しかし、そのパイロットであるスレッタの物語はもう少しだけ続く。
スペルビアから強制的に脱出させられたスレッタは虚ろな目をしながら、ブロリーの生首に蹴りを入れた後にフラフラとした足取りで何処かへと向かっていく…

そんな彼女はスペルビアの亡骸からそう遠くない場所で関西軍の輸送トラックを発見した。
トラックの中に戦える機体があるならまだ自分は戦えると信じ、名もなき搭乗者たちを皆殺してトラックとクスィーガンダムを奪った。
引き寄せられるようにその機体に乗り込んだスレッタ。
そしてスレッタの憎悪に呼応するようにクスィーのサイコフレームがどす黒く光り輝いて、それに吸い寄せられるようにスペルビアの残骸がクスィーに取り込まれていく。


「逃げたら一つ、進めば二つ。――奪えば全部ゥ!!!」


ここに、一人/一機の魔女が誕生した。
魔女と言うにはあまりにも純白で神々しい機体に生まれ変わる。
水星の魔女。スレッタ・マーキュリー/クスィー改め、ガンダム・ヴァルプルギスナハト、誕生。
これ迄の悲劇と、スペルビアの死が引き金になり、災厄の魔女が生まれたのであった。
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最終更新:2025年06月21日 18:47