【名前】 MUR
【出典】 真夏の夜の淫夢(第三章『空手部・性の裏技』)
【性別】 男
【年齢】 不明 (大学生)
【名ゼリフ】「おいサタナイルゥ!お前俺らが殺し合いやってるとこチラチラ見てただろ(名推理)」

【人物】
迫真空手部に所属。ホモである。野獣・KMRは同部の後輩である。野獣「先輩」の「先輩」なので「大先輩」ともちらほら呼ばれていたり。
発言に便乗が多かったり、野獣から呼び捨てにされたりとどうも先輩としての威厳に欠けている。

【本ロワの動向】
KMRに対し「見たけりゃ見せてやるよ(震え声)」してる時から参戦。少なくともKMRとは同時に呼び出されたこととなる。
野獣の恋人である遠野が見せしめとして殺された事に悲しみながらも、自分は殺し合いには乗らない事を決意。

「当たり前だよなあ?」

野獣・KMRとの合流を目的として行動していたところ、アイム・ライアードに唆されてマーダーとなった野原ひろしに出会う。
殺意を隠しながら平静を装おうとしている為挙動不審なひろしに対し、MURは単刀直入に問いただす。

「おい野原ぁ!アンタさっき俺のことチラチラ狙ってただろ」
「はぁ!?な、何言ってんだよ俺が狙う訳ないだろ!」
「嘘つけ絶対狙ってたゾ」
「し、しんのすけ……!?う、うわああああああ!!」

アイムに唆されたとはいえ「本当にこれでいいのか」と心の底では迷ってたひろし。そんな彼が殺人を決意したそもそもの理由は「家族のもとへ帰る」というものだった。
が、そんな最中に出会ったのは自分の息子・野原しんのすけと同じ坊主頭のMUR。そして彼が発したのはしんのすけの口癖。ふと一瞬だけだが息子の姿を幻視し、ひろしはハッと我に返る。
「愛する息子」に「人殺しの汚い自分」を見られた。その事実に直面し覚悟未完了のひろしの罪の意識が爆発、パニックを起こす。あ、おい、待ていと引き止めるMURを振り切り逃亡した。
その後ひろしは焦りと錯乱もあってかうっかりコカイン(@シャーロックホームズ)を使用。恐怖の薬中マーダーと化し他参加者を血の海に沈めることとなる。

暫くひろしを追うも結局見失ったMURの耳に、第1放送が響く。そして大切な後輩KMRが死んでしまったことを知り深くショックを受けることとなった。

「うそだよ……(絶望)」

失意の中出会ったのはシャーロック・ホームズ。彼もまた相棒であったワトソンの死を放送で知り、ほんの僅かだが動揺しているところだった。
互いに殺し合いには乗らない身。特に断る理由も双方無く2人で行動することに。
直後高町ヴィヴィオの死体を見たために自暴自棄となったアインハルト・ストラトスが襲撃してくるも、MURの迫真空手とホームズの武術(バリツ)を合わせ撃退する。

それからは「このコンビが向かうとこ事件あり」といっても過言ではないほど事件に巻き込まれ、ホームズか推理していくという道中を辿る。
ではMURの方はどうだっかというと

「あ、おい、待てい。肝心なところを洗い忘れているゾ」

とホームズにも引けを取らぬような洞察眼を発揮し、「知将」と評価さたかと思えば、次話では自らが頓珍漢な推理をした際にダメ出しを喰らい

「あっ、そっかあ……」

と自説を撤回したり、さらに次話では

「あ~、もう一回言ってくれ!」

と凡人以下の理解力になったり。
一言で言うとその話その話によって彼の考察力はまちまちであった。MURは書き手の被害者だった……?

そんな凸凹コンビではあったものの
  • フリードリヒ大王のジャガイモ畑を荒らした犯人を当てる(度を超えた音痴であるジャイアンのリサイタルでジャガイモが枯れたのであった)
  • 宇宙人ジョーンズが宇宙人だと見抜く
等解決した他事件は枚挙に暇がない。ホームズこそは表立って表現はしなかったものの、2人の間には確かに"信頼"が存在していた。
道中ディアボロに襲われるものの、スタンドの前知識が皆無にも関わらずキングクリムゾンの能力をホームズ共々見抜き、無事退けている。

バトル・ロワイアルも後半戦に突入し、このコンビも次々に仲間を得ていく。
誕生日が一緒なのが自慢な程のホームズファンな名探偵・古畑任三郎、そしてその良き(?)相棒・今泉慎太郎、その今泉に保護されるネコ型の獣人の子供、時刻表の鬼・十津川省三。
ミステリー関連の大御所同士が引かれ合ったようなこのチームは、頭脳・精神の両面で安定感はピカ一であり、殺し合い打倒の希望に繋がると思われた。
が、不運にもネコ型の獣人の子供の正体は絶賛ステルス殺人を遂行していた磯野カツオ。直前に死体のバッグから入手した変身ビスケット(@ドラえもん)により変身していたのであった。

頭脳派チームを悲劇が襲うまで、そう時間はかからなかった。
夕食を摂ろうと小屋に籠る一同。小屋内の探索や夕食の準備等で僅かな時間だがバラバラに。MURもついつい催したためにトイレに直行する。
あ~さっぱりした、とトイレを出ようとした瞬間、鈍い音が小屋内に響き渡った。
何事かと音元へ駆けつけるMUR達。そこにいたのは……

頭部を割られて血の海に伏す古畑と、その古畑に駆け寄り絶叫する今泉であった。

古畑が殺された。それもこの探偵・警察関係者が大半の空間で。愕然とするMUR。恐怖に怯える(演技をする)カツオ。現実逃避しかける今泉。
幸いにも他の面子が落ち着いていたのもあり(今泉もカツオの悲鳴で逆に我を取り戻した)、加害者判別のためと一同は間を置かず捜査に入った。互いが互いの推理をし合い、アリバイが次々に証明されていく。
何か手掛かりが映ってないか、と行きがかりに偶然拾ったカメラ男の頭部を弄るMURと見守るホームズ。カメラは奇跡的に起動しており、狼が全自動卵割機で古畑を撲殺するという嘘のような映像が録画されていたのであった。

今泉の主導の元、互いの情報と考察を持ち合った結果、遂に謎が解ける。
古畑殺害犯は、人狼に変身したホームズその人だったのだ。

「おっ、そうだな」

見抜いていたのか定かではないが、神妙な面持ちで頷くMUR。ホームズ本人に襲った記憶が無いのもあって、解決にも関わらずチームの雰囲気は依然として重苦しいものだった。
が、次の瞬間、ホームズの両眼に突如として月が浮かび上がる。驚愕するMUR達。再び人狼へと変身していくホームズは、形振り構わず小屋を飛び出した。

カツオを連れていくわけにはいかない、と隠れている様促しに行く今泉。先んじて追いかける十津川とMUR。十津川が脱腸の思いで発砲したのも効いて、ついに人狼ホームズを追い詰める二人。
しかし十津川がいつもの癖でまず投降させようとした為に、反撃で噛み殺されてしまう。発砲による怪我をしているとはいえ、1対1ではとても人狼にはかなわず、打ち倒されるMUR。死を覚悟する。
が、ここで朝を迎え人狼化がストップ、ホームズが正気に戻った。

ひどく落ち込むホームズをそっとして置き、十津川を埋葬するMUR。そんな2人のもとに近づく2つの影があった。
1つは小屋で隠れていたはずのネコ型(に変身していた)少年・磯野カツオ、もう1つは特命係・杉下右京。頭脳派チームの付近に居ながらもなかなか合流できなかった天才の1人である。
今泉の姿が無くカツオだけ右京について来たことに首をかしげるMUR。そんな彼に右京から放たれたのは衝撃の事実だった。

今泉は殺された。カツオの手によって。
殺害後逃走中に右京に保護されるものの言葉の端からボロが出、犯行が明るみになった。何でもカツオはご丁寧に返り血を落としてから逃走を試みたらしい。

MURは言葉にならない表情を只浮かべる。ホームズも同様であったが、自らを警察と名乗った右京に、重々しく口を開いた。自分を、逮捕してほしいと。
自分が人狼であり、少なくとも2人は殺害している告白に、右京も渋い顔をしながらも納得、身柄を確保する。
大切な仲間による改まった罪の告白に、とうとう耐えきれずMURは席を外す。すまなかった、というホームズからの謝罪を背で受けながら。

気を落ち着かせて戻ろうとしたMURだったが、後ろが何やら騒がしい。嫌な予感を察知して戻るMUR。彼は衝撃の光景を目の当たりにしてしまった。
どう見ても致死量に達しているであろう血だまりに横たわるホームズ、全身に大きく返り血を浴びたカツオとそれを必死になって押さえ込む右京。悲劇はまたも起きてしまった。

MURが席を外した間、不意を突いたカツオによってホームズは首を剃刀で切り裂かれ、絶命してしまった。
どちらにしろ右京から逃げるのは不可能であり、この場で殺す意味が無いのにも関わらず、殺害を起こしたカツオ。
目の前での妹ワカメの死、バトル・ロワイアルという場での混乱、そして自分自身による多くの人間の殺害等から、最早彼が判断力も糞も無い精神状態であるが故の犯行であった。

この殺し合いで最も長い間行動を共にしたシャーロック・ホームズが、MURとさよならの挨拶すら交わせず他界してしまった。

温厚なMURもついには激怒。迫真空手でカツオをボコボコに叩きのめす。右京に羽交い締めにされてようやく拳を収めるものの、カツオの逃亡をみすみす許してしまうという失態を犯す。
これについては後付けがなされ、「人狼の正体、目の前で次々に斃れる仲間、犯行者が年端もいかない子供という事実、等の事態が立て続けに起こり右京もMURも混乱。
カツオ程では無いにしろ2人とも判断力が低下していた」ということとなった。

それから暫くは右京共々カツオ探しに奔走する。カツオの凶刃による被害者を無くす為。そしてこれ以上カツオに罪を犯させないため。
ろくに休む間もなく探索を続けるものの遂に過労がたたり、両者倒れることとなる。幸い気絶した2人は他参加者に発見され、戦艦ハルバードに乗せられ療養することとなった。
「他の対主催者は全員搭乗済だからその少年に殺されることはない。少年は主催を倒してから回収する」と説得を受け、渋々ながらもカツオ捜索をあきらめるMUR。
ちなみに前述の通りカツオは当時獣人に変身してかつ偽名を用いていたので、結局正確な情報は流石兄弟+狩摩しか知ってなかった。

「チカレタ……(小声)」
ハルバード内では若干空気だったMUR。それでも右京と亀山薫の再会や揃三蔵との3度目の邂逅に立ち会ったり、
結城理(キタロー)、花京院典明、伊織順平、ルカさんの新シュガハ組と交流をとったりなど、しっかり新たな出会いを育んでいた。

そして主催との最後の決戦が始まる。MURも得意の迫真空手を駆使して主催者サイドの尖兵を次々戦闘不能にしていく。
雑兵共を瞬く間に蹴散らし、主催者サイドの幹部級を場に引き摺り出した対主催連合。が、舞台に降り立った主催の一人・サタナイルに対し、MURは予想だにしない一言を放った。

「おいサタナイルゥ!お前俺らが殺し合いやってるとこチラチラ見てただろ(名推理)」

こいつがバトル・ロワイアル中に監視していたと因縁をつけるMUR。あまりに唐突に推論を叩きつけだしたため同行者達も戸惑ってしまう。
「こんな変態が私の存在に気づくとは神である私が完全ではなかったからだ」
とMURの因縁を真にうけてサタナイルもあっさり帰還するものだからMURの同行者達は唖然とするばかりであった。

その後は神・イリアスと対峙するルカさんの元へ駆けつけ、快楽攻撃の盾を買って出る。

「女に俺はイかせられねえなぁ~」

ホモゆえに快楽攻撃は完全無効化。カドラプル・ギガで打ち倒され、「神」になりたかった胸中を明かしながら消滅するイリアス。
肉体も魔力も使い切ったルカさんは、アリスと平和な時を過ごしたかった事を悔みながら聖素の凝縮体と化していく。MURは只見送ることしかできなかった。

主催者サイドは全員打ち倒されることとなり、バトル・ロワイアルは完全な終結へと向かっていく。
迫真空手部顧問のAKYSも、洗脳され主催者サイドとして拳を振るっていたという話を人づてで聞いたMUR。これで空手部は彼一人になってしまった。
が、勝利した対主催者たちの中で、まだ問題が残っていた。それは主催者達の力の源であったエデンバイタルの扉の処分。
そんな中キタローから提案されたのは大いなる封印。その際に必要となる寄り代をキタロー共々MURは買って出たのであった。

キタローと共に自らの生命の源を放出していくMUR。
自らの意識が深く沈んで行くのを薄々感じながら、彼は幸せだった空手部での日々を思い出す。大好きなポッチャマや猫、頼れるAKYS、野獣、そして大切な……

『やめてくれよ……いやだ……』
「あっ、KMRぁ!?」
『なんで先輩まで犠牲になる必要があるんですか……』

瀬戸際のMURに語りかけるのは、幽霊と化したKMR。KMRは、泣いていた。折角生き延びたMURまで死ぬ必要はない、と。
MURは優しい口調で答える。キタローを一人ぼっちにはしておけない、と。

「一人ぼっちは、寂しいダルルォ?」

そのいかにも彼らしい理由を受けて、自分の知るMURだと安堵するKMR。彼の満足気な表情につられるように、MURも微笑む。

『MUR先輩に、会えてよかった。ありがとうございます……』
「……あっ、そうだ。おいKMR……この前俺らが着替えてるとき、チラチラ見てただろ……?」

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最終更新:2015年05月13日 21:32