【名前】 森近霖之助
【出典】 東方project
【性別】 男
【年齢】 不明だが、恐らくは120歳以上。
【名ゼリフ】
「やれやれ、蓮くんの流出には死を覚悟していたのだけど。どうやら僕も幻想郷の住民として生きていけるみたいだね。
幻想郷は全てを受け入れる。それはそれは残酷なことだけど。だからって奇跡なき世界が優しいとも限らない。
まあもし現実に絶望してこっちに来ることがあれば、香霖堂に寄ってみてくれ。安くしておくよ」
【本ロワの動向】
参戦時期は不明。まあ原作が原作であるから何処から参戦しようとあまり関係ないとも言えるが。
殺し合いに巻き込まれ、ああ面倒だとボヤキつつ最初に出会ったのはヤン・ウェンリー。
住んでる世界はほぼ真逆と言っていい二人ではあるが、互いの性格や知識、考えや方針から意気投合。とりあえず情報交換でも、と近場の図書館に赴き、そのままロワ終盤まで居座り続けることになる。
コンビ結成後はずっと本を読んだり、ヤンと駄弁ったり、時たま訪れる参加者と幾ばくかの会話をしたりしながら図書館に引きこもり続けた。彼らが図書館から出たのは
第五回放送のあたりであり、実に30時間近く引きこもっていたことになる。本の虫パネェ。
とは言ってもただ引きこもっていたわけでは断じてなく、ヤンや他の参加者(もっぱら
松井さん)と一緒に異なる複数の世界や光彦スイッチ、ロワの根幹についてを度々考察していた。
なお、図書館にはマーダーも多く訪れていたのだが、彼らは皆一貫して二人のことを司書だと思い込み結果的に見逃されていた。
考察面以外でも、ヤンは
ラインハルト・ハイドリヒとの問答でかの黄金の獣に道を示し敬意を表されたり、ゴローからはアームロックを伝授されたりと中々に多くのイベントを経験している。
第五回放送終了直後、二人は総軍大戦にて命を散らしたアドルフ・ラインハルトに代わり年少組を率いていたマイケル・ウィルソンと遭遇。
彼が大規模な対主催グループを率いていること、ロワが終盤に差し掛かり残るマーダーも数少ないこと。そして主催に対抗するために一度対主催の面々を一か所に集める必要があること。
それを聞いたヤンと霖之助は自分たちの拠点としていた図書館を明け渡すことを決める。
かくして適度な広さと豊富な資料を備え、何より考察役だった二人のいる図書館が対主催の合流場所に決定され、二人は多くの対主催と合流することとなる。
中でもシンジと愉快な仲間たちとはロワ内でも数少ない考察組ということもあり、相手はまだ子供とはいえ非常に関心し、友好的に接していた。
その後は自分たちと愉快な仲間たち、そしてチーム・サティスファクションが中心となり作戦を立案。全ての黒幕であるカールクラフト=メルクリウスの打倒と座の破壊が決定される。
坂上覇吐が宴会の開催を提案し場が沸き立つ中、霖之助とヤン、そして空目だけは図書館に残り作戦の後詰めをすることとなる。
問題はカールクラフト以外の黒幕の存在、そして彼らが紡ぎあげているであろう混沌の物語への対処。
長い話し合いの結果、YHVHは蒼衣の持つ断章で対抗可能であり、神野は空目と十神が対応することに決まる。
そこまでは良かった。だがYHVHの消滅と共に発生する可能性のある「混沌の物語の拡散」に対する処遇を巡り、霖之助とヤンは空目に食い下がる。
空目の主張は、神野を退けた空目が人柱となり、混沌の物語に指向性を与えるというもの。
前から自分は《異界》に行くことを望んでいた。《幻想》に成り果てることを望む人間はこの場では自分だけであり、故に生贄としては最適であると。
しかし霖之助は反論する。幻想になると一口に言っても、自分の知る幻想入りなどとは違い概念との融合は何が起きるかわからない。自我が消えてなくなるかもしれないし、全く別の精神性へと変化するかもしれない。
それは人間にとって死と同義なのではないか。そう問う霖之助に対し、空目は一言だけ告げる。
死か、それも悪くない。
事ここに至りヤンと霖之助はこれ以上何を言っても無駄であると悟る。ならば混沌の物語の拡散が起こらないことを祈るだけだという言葉で締めくくり、三人だけの作戦会議は終了する。
その後はある種、出来レースと言っても過言ではなかった。ダークザギ戦やYHVH戦で幾ばくかの犠牲は生じたものの、ほぼヤンの作戦通りに事が進み、見事水銀とYHVHは討ち取られる。
皆が勝利に沸き立つ中、しかしそこには空目やベヨネッタ、影狼やユーリといった面々の姿は存在しなかった。
そして別れの時が訪れ、霖之助はヤンと向かい合う。
殺し合いに巻き込まれてからずっと共に行動してきた友人。正直なところあまり殺し合いという実感はなかったのだが、それでも混沌の渦中を共に生き抜いた戦友に、霖之助は別れの言葉を告げる。
霖之助「さようなら、ヤン。君とはもう少し色々話したかったけど、どうやらそれも叶わないみたいだね。
元の世界でも、息災で」
ヤン「ああ、確かに名残惜しいけど、そうも言ってられないくらい時間がないみたいだだ。
……いつかまた再会したら、その時はブランデー入りの紅茶でも飲みながら語り明かそうじゃないか」
別れ際に交わした言葉はそれっきりで。
霖之助は幻想郷へと帰還したのだった。
殺し合いという非日常へと拉致されていた霖之助であったが、その数日間霖之助が失踪していたことに関してはほとんど周囲に気にされることはなく、経営する道具屋も問題なく再開することができていた。
幻想郷の良くも悪くも緩い雰囲気に懐かしがりながら、相も変わらず店に押しかけてくる魔理沙や新しく幻想郷にやってきた異邦人の相手をしつつ日常を謳歌する。
藤井蓮の流出した死想清浄・諧謔。一時は自らの消滅をも覚悟したが、どうやらそこまで融通の利かないものではないらしく霖之助は今もこうして普通に生活できている。
幻想郷は全てを受け入れる。それはそれは残酷なことだけど。だからって奇跡なき世界が優しいとも限らない。
だからこそ、彼が絶望したその時は、自分が彼を受け入れる必要があるのだと、霖之助は思う。
そんな昼下がり、彼の経営する道具屋に一人の客が来店する。
上も下も黒尽くめのその少年を見やり、霖之助は笑顔を浮かべ歓迎する。
霖之助「やあ、いらっしゃい。君とは前からゆっくりと話をしたいと思っていたんだ。
とりあえず紅茶でも飲むかい? この間いい茶葉が手に入ったんだ」
異郷で出会った友人、その友人から学んだ新しい趣味。二人分のカップを取り出しながら、霖之助はヤンに次いで友人となれるかもしれない少年を出迎えるのだった。
最終更新:2014年04月23日 18:30