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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

貴女の味

最終更新:

rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集

 学校が終わり、のりが迎えに来てくれて一緒に帰る途中、夕飯の買い物にと一緒にスーパーへと寄って行った。
 色々物色しながらのりは夕飯の献立を考えながら進んでいき、それに巴が付いていく。

「今日は豚肉が安いわねぇ…。巴ちゃん、晩ご飯は豚肉の炒め物でもいい?」
「え…?」

 肉売り場のコーナーに来て、特売になっているポップ広告の豚肉を見て巴に尋ねた。
 だが巴はボンヤリとしたままのりを見つめている様子で、話しかけられた事に一瞬の動揺を見せる。

「いや、晩ご飯豚肉炒め物でも良いかなって聞いたんだけど…」

 のりは少し首を傾げ、もう一度尋ねた。
 それを聞いて巴は納得し、軽く二、三度頷いた。

「…ええ、良いですよ」
「そう? なら良いけど…どうしたの?」
「いや、ちょっとボーっとしてて…何でもないです」
「…ふふっ、おかしな巴ちゃん」

 巴の返事を聞いて納得したのか、のりは少し笑って豚肉をカゴに入れる。
 その姿を見ながら、巴は思った。

 確かに自分はおかしい。…いや、むしろ狂っていると言ってもいいかも知れない。
 のりの姿を見ながら、ずっとのりを食べたいと思っていたなんて。
 そう。
 文字通り、のりを食べたいだなんて…。

―※―※―※―※―

 何故自分がこんな事を思うようになったか。そのきっかけは些細なものだった。
 いつだったか…数週間ぐらい前だろうか、ある夢を見た――

 気付けば自分は一人でどこかのレストランのテーブルに着き、料理が運ばれてくるのを待っていた。
 しばらく待っていると料理が目の前に運ばれてきた。料理は血の滴るようなレアステーキ。
 夢の中だし大分前の事だから味なんてまったく覚えていないが、美味しくそれを食べていたような気がする。
 それを平らげ、膨らんだ自分のお腹を擦りながら満足げに呟いた。

「美味しかったですよ、のりさん…」


 その瞬間に目が覚め、思わずその場に飛び起きた。
 一瞬何が起こったのか分からなかったが、すぐに夢だと言う事を理解し一瞬の安堵を覚えた。
 だが次に湧き上がってきたのは得も言えぬ恐怖と渇望。
 何故あんな夢を見たのか、何故のりの肉――姿を見たわけではないが、なぜかそう確信していた――を食べていたのか…。
 そんな自分を見た自分が怖く、訳が分からない。
 そして奥底から湧き上がる奇妙な渇望…これは何なのか。

「…水…」

 汗をかいたせいか、ひどく喉がカラカラだ。渇望はこれでは無いかと思い――そう希望を抱いて――台所で水を飲もうと部屋を出て行った。

 結果的に言えば、いくら水を飲んでも、他の飲み物を飲んでもそれは満たせなかった。
 何かが飲みたい。でも何かが何なのか分からない…それがずっと頭に引っ掛かり、学校に出ても授業にも集中できない。
 そしてとうとう学校が終わってもそれが分からないままだ。

(…どうしたんだろう、私…)

 一人考えながら帰る途中、不意に自転車のベルが聞こえて来て道の脇に寄る。
 だがそのすぐ後に聞きなれた声が聞こえて来て、自転車が巴の隣で止まった。

「やっほー、巴ちゃん」
「あ、のりさん」

 自転車に乗っていたのはのりで、巴の隣に並ぶと自転車を降りてそれを引いて巴に合わせて歩き始めた。
 今日は部活があるから迎えに来れないと言っていたが、ここで会うとは。

「顧問の先生が急に来れなくなっちゃって、今日は軽く自主練して終わったのよ」
「そうなんですか」

 思わぬのりの登場に少し驚いたものの嬉しかった。
 が、のりを食べる夢を見ていたなんてと思うと少し後ろめたい気がする。
 そう思って少し目を伏せると、のりの膝に絆創膏が貼られているのに気が付いた。

「あ、これ? 練習で転んじゃって、ちょっと血が出たから…」
「血…」

 血、と言う言葉を聞いた瞬間心臓が激しく脈打ったのは気のせいでは無いだろう。
 同時に喉の渇きが酷くなるような気がして、息が荒くなっていく…。

「どうしたの巴ちゃん、なんか顔色が…」
「ごめんなさい、ちょっと先に…」

 それだけ言うと自分の胸に湧き上がってきた欲望が恐ろしくなり、思わずその場から逃げ出した。
 夢の光景がフラッシュバックし、恐ろしい欲望がはっきりした形を成す。

――のりの肉を食べたい、血を飲みたい――

 ずっと感じていた渇望はこれだったのか。
 何故、こんな欲望が急に沸き上がって来たのかは分からないが、自分の奥底にあるもう一人の自分が怖い。
 あの夢を見たせいなのだろうか。それとも元々潜在的に潜んでいたのがあの夢で目覚めてしまったのだろうか。

「駄目駄目駄目、そんなの絶対駄目…!」

 走った走った先にあった公園のベンチに蹲り、頭を抱えて必死に自分を抑えつける。
 怖い、欲しい、いけない、食べたい、駄目、飲みたい…理性と欲望が自分を混乱させていく。

 以来、そんな欲望を紛らわそうとカニバリズム系の小説やDVDにも手を出すようになった。
 最初は軽い気持ちだったが段々とのめり込んでいき、今では暇さえあればこんな物を鑑賞している…気が違ってしまったとしか思えない。
 そして気が付けば作品の主人公をヒロインを自分とのりに置き換えており、自分がのりを食べる様々なシーンを想像してしまっていた。
 一向に、この異常な欲望は収まらないのだ――

―※―※―※―※―

 トントントン、と言う音がリズムに乗って隣から聞こえてくる。
 隣を見てみればのりが手馴れたように野菜を切っているのが目に入った。
 あれから買い物を終え、今は二人で夕食の準備をしている所だ。

「巴ちゃんが泊まってくれると晩ご飯の準備も手伝ってもらえるから嬉しいわ」
「いえ、これぐらい当然ですよ。ただでご馳走になるわけにはいきませんから」

 軽く微笑んでみせ、手元の小鍋に目を戻す。巴が作っているのは味噌汁で、のりはサラダ用の野菜を切っている。
 小鍋からいい匂いが漂ってきて、お玉で少し味見をする。
 うん、これで良いだろうとコンロの火を止めた。

「いたっ…」

 それと同時にのりが短く声を上げ、見ると人差し指を抑えている。

「どうしたんですか?」
「ちょっと指切っちゃって…。あ、血が…」

 のりの手を取り、怪我した人差し指を見ると傷口から血が出ている。

(血…のりさんの…)
「あっ、巴ちゃ…」

 そう思った瞬間にはのりの指を口に含み、その傷口を吸っていた。
 血が、血が欲しい。一心不乱に傷口に舌を這わせ、一層血が出るように吸い立てる。
 僅かに広がる鉄の味が巴を興奮させ、更なる血を求めていく。

「んっ、あ…ちょっと、巴ちゃん…! 痛い…」
「あっ…」

 あまりにもがっつき過ぎたのか、気付けばのりの指から血を押し出すように手に力を入れていてのりの表情が痛みで歪んでいた。
 慌てて指を離し、しまったと思ってばつが悪そうに頭を掻いた。

「すいません、菌も搾り出した方が良いかと思って…。絆創膏、持ってきますね」
「うん、ありがとう…」

 照れ臭さを感じて慌ててその場を離れ、絆創膏を取りに救急箱が置いてあった所へと向かう。
 救急箱から絆創膏を取り出しながら血の味を思い出し、感じた事の無い快感や心地良さが湧き上がってきた。

(のりさんの血…美味しかった…)

 それは人として明らかに間違った感想だ。だが同時に、自分の理性が警鐘を鳴らす。
 これ以上道を踏み外すな、思い止れと。

(…私ったら何を…! しっかりしなさい…!)

 残った理性で危険な感情を振り払い、深呼吸して気持ちを落ち着かせると台所へと戻っていった。
 だが、その甘美な味わいは、忘れられないほどしっかりと記憶に刻まれてしまった。


 その夜、真紅達が寝静まった頃。

「んっ、あ…! 巴ちゃん…激し…!」

 ベッド上でのりの体を求め、体を重ね合う。
 もっと、もっとのりが欲しい、味わいたい…狂った欲望を満たすほどに。
 のりの胸を激しく揉みしだき、口内を貪り唾液を搾り取る。

「ふぅっ、うぅん…!」
「あふ…ふぁっ、むぅ…!」

 口を離すと今度は体の上から下にかけて口付けを落としていき、紅い痕を付けていく。
 強く肌を吸い、時には歯を立てて隈なく痕を付ける。
 やがて股まで来た所でのりの秘所にしゃぶりつき、溢れる愛液を貪るようにして飲んでいく。

「やっ、だめ…そんなに吸っちゃ…!」

 のりが頭を押さえてくるが力が入らないらしく何の抵抗にもならすそれを意することなく舌を動かす。

「ああっ、や、あああぁぁっ……!」

 やがてのりの体が激しく仰け反り、溢れた熱い愛液が顔に降り注いでくる。
 それを指で拭き取ってそれを舐め取り、肩で息をしているのりの隣に横たわる。

「のりさん…愛してます。食べちゃいたいほどに」

 そうのりの手を握ると、向こうも手を握り返してくれた。声で返事が出来ない代わりに、これで応えてくれたようだ。
 しばらくしてウトウトしていると、のりが思い出したように口を開いた。

「そういえばさ、最近の巴ちゃんって激しいよね」
「え…そう、ですか」
「うん…なんか、前よりもずっと…」

 言われて見れば異常な欲望に目覚めてから夜の営みが激しくなった気がする。
 それは自分の奥に湧き上がる異常なそれを、沈めようとする為…。
 最初はそれで満足できるのだが、しばらくするとあの欲望を思い出してしまう。

「…これが、本当の自分なのかも知れません」
「…どういうこと?」
「もしかしたら、私はのりさんが思ってるよりも…どう言えばいいのか分からないんですが…いかれた人間なのかもって」

 この異常な欲望を消すには、のりにそんな面を否定してもらうのが一番良いかも知れない。
 最初はショックを受けるだろうが、それで沈静化するなら構わない。間違いを犯す前に…。

「のりさんやみんなに見せてるのは仮面の私かもしれない…本当の私はどす黒い欲望の塊、汚い人間なのかも…」
「巴ちゃん…」
「そんな私が嫌なら…私は変わるつもりです。のりさんが望むなら…」
「ううん。私はそう思わない」

 迷いの無い、はっきりとした口調でそう言われてのりの方を向く。
 のりの目は一点の曇りも無く、真っ直ぐこっちを見つめていた。

「私は、それぐらいで巴ちゃんを嫌いになったりしない。絶対に」
「…それは…でも…」
「大丈夫。むしろ、そういう本当の巴ちゃんを見せてくれた方が嬉しいな。どんな巴ちゃんだとしても、絶対に受け入れるから」

 頭を撫でられ、優しく微笑むのりを見て心底美しいと思った。
 だが同時に、自分の中のタガを外してしまった。

――ゼッタイニ、ウケイレルカラ――

 その言葉が頭の中で甘美に響く。何度も何度もエコーし、それが理性という壁を打ち砕いていく。

――受け入れる…じゃあ、自分の欲望も受け入れてくれるんですね…絶対に…――

 ああ、皮肉だ。止めてくれると期待したのに、反対に背中を押す結果になってしまった。
 だけど、もう迷いは無い。巴は落ちていたパジャマの上だけを羽織り、ベッドを降りた。

「巴ちゃん?」
「…ちょっと、忘れ物を取ってきます…」

 それだけ言うと部屋を出て行った。

 今夜、間違いなく私は禁忌を犯す。でも何故だろう。あんなに抑えていた欲望も、今では楽しみでしょうがない。
 だって、あの人は言ってくれた。絶対に受け入れるから、と。
 じゃあ、私と一つに…私の血肉になることも、きっと受け入れてくれるだろう。
 あの人はとても優しいから…。
 ああ、早く一つになりたい。一生一緒に生きて生きたい…。

 月明かりの差し込む台所で、巴の持つ包丁だけが美しく光り輝いていた。

終わり

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