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 ―おい、聞いたか?

 ―何が?

 ―STORM BRINGERの水銀燈が、STONE FREEの翠星石と蒼星石と組んだらしいぞ。

 ―マジかよ!?スリーピースで演ってんのか?

 ―いや、なんでも無名のボーカルと四人で演ってるらしい。

 ―無名のボーカルと?あの三人が?

 ―あぁ。知り合いがライヴ行ったらしいんだけど、スゴかったらしいぜ。

 ―いいなぁ!オレらも行ってみようぜ!



ローゼンメイデンが活動を始めてから、早くも半年。
この半年で、彼女ら関する噂は瞬く間に広がっていた。
水銀燈、翠星石、蒼星石。この三人が組んだというだけで宣伝効果は絶大だ。
だが、それだけではない。一度でもローゼンメイデンのライヴに足を運んだものは、みな一様にこう言う。

「あの声は神の声だ」

と。
地元で名だたる三人をバックに従え、その声は絶対的な存在感を放つ。

「さて。やってまいりました定例会議

バンド名を決めたいつもの喫茶店『ぴーちぴっと』で、僕から切り出した。
僕らは活動を始めてから、定期的にこのようなミーティングを設けている。
毎回議題に上がるのは、次の曲は、誰が何曲つくってくるかとか、次のライヴは何時何処で演るのかだとか、だいたいそんな感じだ。

「会議の前に…注文…」

何時もの様に、眼帯の少女が注文を取りに来る。注文を終えてから切り出すべきだった。少し恥ずかしい。

「恐怖の戦場って言う名のミルクシェイクを頼むぜ!ですぅ!」

「はい…ミルクシェイク…ですね…。次の瞬間…戦闘服を着た大男は…来ませんので…ご安心下さい…」

若干意味の分からない事を言いつつも、翠星石のテンションにクールに対応する眼帯の少女。
だが、翠星石だけは彼女を『侮れない』と言う様な目で見ていた。
…深くは突っ込まないでおこう。ロクな事にならないから。

「前頂いたローゼンメイデンシリーズ、他はどんなものがあるの?」
「はい…今なら…四番目と…六番目なら…すぐにお出しする事が出来ます…」


真紅の問いに、少しほほ笑んで答える眼帯の少女。
自分のすすめた紅茶を気に入ってもらえたのが嬉しかったのだろう。

「そう。なら六番目をちょうだい」
「かしこまりました…」
「乳酸菌が入ってるのは置いてあるぅ?」
「はい…通常のヤクルトから…ヤクルト400…マミーまで…取り揃えております…」
「じゃ、マミーをちょうだぁい」
「かしこまりました…」

ミルクシェイクのみならず、ヤクルトからマミーまで置いてあるとは恐れ入る。
そう思いながら僕は、真紅の注文しなかったローゼンメイデンシリーズ四番目の紅茶を注文した。

「かしこまりました…少々…おまちなさい…」

お待ちなさい!?
いま、接客する立場にはあるまじき発言を聞いた様な気がするが、それよりも真紅の
『あーぁ、あなたやってしまったわね』
と言う様な顔の方が気になる。

「…僕、なんか変な事した?」
「あなた、四という数字は縁起が悪いのよ。
 知らないの?
 かの有名なセックスピストルズも言ってたし、そのせいでヒドい目にあうのを何回も目にしたのだわ」

OK、真紅。
それはパンクバンドじゃない方のセックスピストルズだ。

「はぁ。まぁ、大丈夫だと思うけど」

「ナランチャやアバッキオも同じ事を言っ(ry
「お待たせしました…こちら…ヤクルト400に…恐怖の戦場と言う名のミルクシェイクになります…」

眼帯の少女は手に持ったトレーから、注文の品を水銀燈と翠星石の前に置き、一礼してまた奥へ消えていった。

「とにかく、四という数字は縁起が悪いのよ」
「考え過ぎじゃなぁい?」

今まで翠星石となにやらメタル談義をしていた水銀燈が真紅に言った。

「そうですぅ。四が縁起が悪いなら、学年で四組になったりしたらその一年最悪じゃないですか」
「その通りよ!
 忘れもしないわ、あれは中学二年生の夏、私は四組だったの。
 その夏は(ry
「待たせたな…ローゼンメイデンシリーズ第四リーフ…ラピスラツリ・シュテルンになります…」

待たせたな!?
再びあるまじき言葉を聞いた気がするが、眼帯の少女は平然と蒼星石の前に置かれたカップに紅茶を注ぐ。

「そしてこちらが…ローゼンメイデンシリーズ第六リーフ…クライネ・ベーレになります…」

同じように真紅にも紅茶を注ぎ、少女はいつものようにごゆっくり、と言い残し、奥に去っていった。

「で、今回の議題いきまーす」
「はぁい」
「さっさと言えですぅ」
「…」

三者三様の対応を見せてくれる三人。

「えーっと。オリジナル、カバー含め、レパートリーもだいぶ増えてきました。ライヴも大変盛況です。そこでッ!僕はこれに出場してみたい!」

ばぁん、と広告を机に叩き付ける。
いや、別に叩き付ける必要は全くもってないんだけど、なんとなく叩き付けた。

「「「ミュージッククエストぉ!?」」」

心地いい反応だ。

「そう。ま、簡単に言えばオーディションみたいなもんだよ。地方予選を勝ち抜くと東京の本選に出られて、そこには関係者の方々も多数来席。って書いてある。出演料も安いし、出てみてもいいんじゃない?」

「おもしろそうじゃなぁい?出ましょうよぉ」
「翠星石のドラミングを見せつけてやるですぅ!」
「…」

一人、無言。

「…真紅、どうしたの?」

「いえ…一つ気になる事があってね…。根ほり葉ほりってあるじゃない?あれ、根ほりはよーくわか(ry

「じゃー出演手続きはしておくからー」




こうして、僕らローゼンメイデンはミュージッククエストへの出演を決めた。

~次回予告~

ミュージッククエストへの出演を決めたローゼンメイデン!
はたしてオーディエンスを沸かす事は出来るのかッ!?

真紅「次回『PANKY BAD HIP』
私達の国境は地平線よ」

翠「展開がカブってるなんて気にしないですぅ!」

(以下執筆継続中)




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最終更新:2007年01月23日 22:39