ト書きとは
旧来/狭義の「ト書き」とは、脚本のト書きのように動作や状況の補足説明のみに使用します。
最近/広義の「ト書き」では、小説でいう地の文として、PCの心情や意図伝達などを含むことがあります。
この項目では、
「ト書きは読み手に状況を伝えるために書くものであり、伝わりやすい、かつ企画の雰囲気にマッチした文体で、場面説明と動作、および行動の意図を書く」
と定義して解説します。
以前は、「行動の意図」は内面描写と同じとしてト書きとして含めない方がいいのではないかと考えていましたが、「わたしはこんな場所でこの目的でこういう行動をしている、では君はどうする?」 というキャッチボールで物語が作られてゆくのがRP村であり、ト書きはそのためにあるツールであるという見地になりました。 |
ト書きに書く内容
1) 状況説明
自分の外観や体調、国の有様から部屋の様子まで、書けるものはいろいろありますが、冗長にならない程度に演出しましょう。
また、RP村では「先に演出された情景を採用する」という原則があるので、先に誰かが演出をしていたらそれを覆す描写にならないよう注意しましょう。(時間経過後の天気の変化などは別)
2) 動作や表情
PCの反応を相手に伝えるために書くものです。
相手の動作や心情まで確定描写してしまわないよう気をつけましょう。
また、バトルロールなどの場合、「相手から見て右側」なのか「自分の右側」なのかで話が食い違うことがままあります。
そういう部分にはptを惜しまず、ちゃんと伝わるよう書きましょう。
3) 行動の意図
[武器を取り上げるべく飛びかかった。] など、PCのやろうとしている内容を相手に伝えるために書くものです。
それを受け入れて武器を手放してくれるか、してくれないかの判断は相手に任せなければなりません。
ト書きのルール
ト書きは記号[ ]でくくります。
( [ ]は半角でも全角でもいいようです。)
基本的には自分に関する補足説明を書くので、自分の行動であるという説明語は不要ですが、
他PCの既出行動描写を受けての行動として区別が必要ならば、書いても問題はありません。
例) どっちでも可
トムのログ [サラが走り出した後、その場を立ち去る。]
トムのログ [サラが走り出した後、トムもその場を立ち去る。]
ト書きの多くは三人称、だ/である文体ですが、稀に一人称や、です/ます調を使用するPLもいます。
全員でひとつの物語を作る、という見地からすると文体は揃えることが望ましいです。
(文体もPC演出の一環である、という見地であれば、個性的な文体を使用するのはアリです。)
また、ト書きに一人称を用いている場合、
ト書きに書かれているのは客観的事実ではなくPCの主観や認識
なので注意しましょう。
例)
[屋敷の前を男子高校生が横切る。] ←客観的事実としてのト書き
[わたしの友達の家の前を大きな人がとおっていきました。] ←PCが子供であれば、少年でも「大きな人」になり、客観的な事実とは異なる場合がある。
ト書きのお約束 1 《無駄にト書きを増やさない》
自己陶酔した過剰で冗長な文体や、どうでもいいことを長々と連ねるト書きは、ただでさえ膨大なログを読まねばならないPLに負荷を強いることにもなります。
ト書きは簡潔に、ただし、物語をふくらませる=村の雰囲気を引き立てる余韻があるとベターです。
企画にマッチした文体で、ただし節度をもって。
「読み手に状況を伝え、相手PCに反応してもらう」
これがト書きの使命です。
難解な、意味の伝わらないト書きでは一緒に遊んでいる相手に失礼にもなるでしょう。
ト書きのお約束 2 《ト書きはPC情報にならない場合がある》
相手の反応を引き出したければ、ト書きよりもPC台詞に情報を多く含めましょう。
例)
[空腹である。台所へ視線をやり、立ち上がった。] ←ト書きのみでは、相手に意図が伝わらないこともある。
腹が減ったな。台所に何かないか探しに行ってこよう――サラも来るか? ←発言にすれば相手も対応しやすい。
ト書きのお約束 3 《ト書きで嘘をついてはいけない》
ト書きは客観的な情報を書く部分です。よって、読み手へ故意の偽装をしてはいけません。
ト書きで [人狼ではないトムは逃げ出した。] と書いたら、トムはこの時点では決して人狼ではないことを意味します。
役職を隠す必要がある設定のRP村では特に注意しましょう。
ト書きのお約束 4 《心理描写は書かないのが原則》
ト書きで感情描写をしなくても、動作や発言で感情を示せないか考えてみましょう。
また、内面心理や思考を ( ) を使って表記する方法もあります。
□発言 と ト書き と 内面心理 の違い
例)
トムは人殺しだ。 ←「発言 」 事実はともあれ、トムは人殺しだとPCが言ったことになります
[トムは人殺しだ。] ←「ト書き」 トムは人殺しであるという設定になります
( トムは人殺しだ。) ←「内面心理」 事実はともあれ、トムは人殺しだとPCは思い込んでいることになります
ト書きのお約束5 《設定確定に気をつける》
a) 性別などを非公開にしているPCに対して、ト書きで確定しない
万一、誤表記してしまった場合は、メモなど随時確認できる場所に訂正とお詫びを。
例) [彼女に手を差し伸べた。]←実は女装している男だった場合にト書きに嘘を書いてしまったことになります。発言で「レディ、お手をどうぞ」ならPCの誤解でフォローできます。
b) 行動にそぐわない、対処に困るキャラ設定の押し付けはしない
例) [誰から見ても美人である。][希代の天才]など、当人がそのつもりでも周囲の「認知」を確定してしまう設定ト書きは避けましょう。
ト書きのお約束6 《反応を指示しない》
自分の行動の意図を伝えるのはOKですが、相手の反応や展開まで指示/誘導しないように気をつけましょう。
「〜だろう」の仮定文を使ったとしても厭がられることが多いです。
例)
[転倒させるべく、ローキックを繰り出した。]←行動の意図のみ○
[ローキックを繰り出した。これは決して避けられない。]←展開まで指示するのは×
最終更新:2013年02月20日 18:53