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『ゼノモーフを探せ』


(キャラ) スカー・プレデター、殺人クロコダイル、紅娘、イ・ヨンセン




紅娘は冷たい夜風に全身を震わせながら渋谷の街を歩いていた。
見慣れない景色。眩しいネオンライト、巨大なビル群、硬いアスファルトの地面。
空気は冷たく何処か金属的な臭いがした。
紅娘は玉葉妃に仕える侍女頭。後宮の翡翠宮で事務を差配し侍女をまとめ上げる立場にある女性だ。
玉葉妃のためなら、どんな陰謀にも立ち向かう覚悟を持っていた。
だが、今の状況はこれまで経験したどんな危機とも違う。


「命の授業……? 何を言っているの……?」


首に巻かれた冷たい金属の首輪。指で触れても外れない。重く、締め付けるような感触が、死の予感を直接伝えてくる。


「玉葉様……どうかご無事でいてください」


紅娘の胸に、真っ先に浮かんだのは主君の顔だった。
まさか彼女までこの狂った命の授業に巻き込まれていないか。
恐怖と困惑が全身を支配する。後宮でも毒による暗殺の危機はあるが、こんな殺し合いの場に放り込まれるなど、想像すらしていなかった。

道玄坂を少し上った辺りで紅娘は異変に気づいた。
前方に小さな人影が立っている。こちらも怯えた様子で周囲を見回している若い女性だった。
二人は互いに距離を取り、警戒しながら近づいた。


「……あなたは、誰?」


紅娘が先に声をかけた。声は平静を装っていたが、わずかに緊張が滲んでいる。
女性はびくりと肩を震わせ、控えめな声で答えた。


「私は……イ・ヨンセンといいます。水剌間の女官です。チャングムと一緒に料理の練習をしていたはずなのに……突然ここに連れてこられて……首にこの輪が」


ヨンセンは二十歳前後のどこか頼りない印象の女性だった。宮廷女官らしい装いをしている。
紅娘は彼女の言葉を聞き、わずかに目を細めた。


「こちらも似たような状況よ。私は紅娘。玉葉妃に仕える侍女頭を務めているわ」


二人は互いに数歩離れた位置で立ち止まった。突然の出会い。相手が敵か味方かなど、まだ判断できない。首輪の存在が二人の間に不信と緊張を生んでいた。
ヨンセンが震える声で続けた。


「私……怖くて……。死因百ぱーせんとの予期せぬ死とか……命の授業だとか……よくわからないことばかりで」


紅娘は小さく息を吐いた。


「まずは状況を整理しましょう。あなたが女官なら同じような立場の者同士……少し話してみません?」


ヨンセンは迷った後、こくりと頷いた。

二人は少し安全そうな路地の入り口に移動し、壁に寄りかかって立ち話を始めた。


「あなたはさっきチャングムという名前を出していたわね。とても大切な人なのでしょう?」


ヨンセンは唇を噛み、こくりと頷いた。


「はい……チャングムは私の同期で、親友です。水剌間で一緒に料理の練習をしていたんです。彼女は本当に努力家で、夜遅くまで残って包丁を握っている姿を見て、私はいつも心配していました」


声が震えヨンセンは目を伏せた。


「今、チャングムはどうしているんでしょう。私と同じように首輪を付けられて、ここに連れてこられているかもしれないと思うと心配で」


涙が一筋、頰を伝った。
紅娘は静かにその話を聞き、自身の胸に手を当てた。彼女の表情にも、深い憂いが浮かんでいる。


「私も……同じよ。主君の玉葉様。賢明で慈悲深いお方……今、一番恐ろしいのは、玉葉様もこの命の授業に巻き込まれているのではないかということ」


紅娘の声が少し低くなった。


「もし玉葉様がここにいたらどう守ればいいの?侍女頭として侍女たちをまとめるのが私の役目だったのに」

「紅娘さん……そんなに大きな責任を背負っているんですね。私は水剌間の女官で頼りないって周りから言われることが多いんです。でもチャングムのためなら勇気を振り絞れる……と思っていたのに、今は本当に怖くて……どうしたらいいかわからない」


紅娘は優しく、しかし力強くヨンセンの手を握った。


「弱さではないわ、ヨンセン。後宮で生きる女官にとって心配する心は大切な力よ」


ヨンセンも紅娘の手を握り返した。冷たい指先が少しだけ温かくなった気がした。


「……私チャングムと一緒にもう一度料理をしたい。そのために頑張ります」


その時、夜風が冷たく吹き何かが動く気配がした。

地面が突然大きく震えた。

ドンッ……

重く、湿った振動。
紅娘の表情が凍りついた。


「ヨンセン……何か、来るわ……!」


地面が、低く重い振動を始めた。

ドン……ドン……

湿った獣の足音のような響き。
ヨンセンの顔が青ざめた。


「え……? 何の音……?」


二人は路地の入り口から顔を出し、道玄坂の下の方を凝視した。ネオンライトの明滅する中、巨大な影がゆっくりと姿を現した。
殺人クロコダイルだ。
鋼のような分厚い鱗、凶悪な目、牙が並ぶ巨大な顎。尻尾は太く長く、爪はナイフのように鋭い。遺伝子操作された殺人モンスターは、ゆっくりと首を振り、二人の女官の気配を捉えた。


「きゃああああああっ!!」

「逃げて、ヨンセン!! 今すぐ!!」


紅娘が叫びヨンセンの腕を強く掴んで全力で走り出した。ヨンセンは恐怖で足がもつれそうになりながらも、必死についてくる。


「紅娘さん……あれは何!?」

「話している暇はないわ! 走って!」


二人は道玄坂を全力疾走した。後宮や宮廷で暮らしてきた彼女たちにとって、こんな化け物は悪夢そのものだった。長い衣装が足に絡まる。息がすぐに上がる。
背後から、地面を蹴る重い音が急速に近づいてくる。
殺人クロコダイルは想像以上に俊敏だった。巨体を低く構え、凄まじい速度で二人を追う。牙を剥き、唾液を垂らしながら、獲物を追い詰めていく。


「はあっ……はあっ……追いつかれる……!」


ヨンセンの声が泣きそうに震える。紅娘も歯を食いしばりながら振り返った。怪物はもう50メートル以内に迫っている。


「このままでは駄目……どこか、隠れられる場所を……!」


紅娘は近くの路地へ曲がった。
殺人クロコダイルは尾を振り回して看板を薙ぎ倒し容赦なく追ってくる。
ヨンセンがついに転倒した。


「きゃあっ!」

「ヨンセン!」


紅娘が引き返しヨンセンの腕を掴んで立たせようとする。だが遅かった。
クロコダイルがすぐ後ろまで迫り、巨大な顎を開けて二人に襲いかかろうとした。

その瞬間──

シュゥゥゥンッ!!

空気を焼き切る青白い光が暗闇を一直線に貫いた。
プラズマ弾が殺人クロコダイルの左側面に直撃。爆発が起こり、鱗が砕け、肉が抉れた。
怪物が苦痛の咆哮を上げて体を捻る。

そこに現れたのは、異形の戦士──スカー・プレデターだった。
マスクを被り光学迷彩装置が組み込まれた戦闘スーツを纏った筋肉質の体躯。彼は迷わずクロコダイルに向き直り低く唸った。
ヨンセンは呆然とその光景を見つめた。


「ヨンセン……今のうちに……!」

「は、はい……!」


紅娘はヨンセンの手を引いて全力で逃げ出した。背後では既に戦闘が始まろうとしている。
紅娘とヨンセンは息を切らしながら路地を抜け別の通りへ逃げ込んだ。恐怖で足が震え、涙が止まらないヨンセンを紅娘が必死に支えていた。


「紅娘さん……あの仮面の人は……?」

「わからない……でも、今は逃げることだけを考えましょう」


二人は手を取り合い再び夜の渋谷を駆け続けた。


【紅娘@薬屋のひとりごと】
[状態]:恐怖と動揺
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:玉葉妃の安否を最優先で確認する。
1:殺人クロコダイルから逃げる。
2:イ・ヨンセンと協力しながら行動する。
3:首輪の解除方法を探す手がかりを集める。


【イ・ヨンセン@宮廷女官チャングムの誓い】
[状態]:恐怖と動揺
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:チャングムの安否が心配。
1:殺人クロコダイルから逃げる。
2:恐怖に負けず、少しでも紅娘の役に立ちたい。
3:チャングムに再会できることを信じて頑張る。


スカー・プレデターは低く唸りながら殺人クロコダイルに向き直った。
殺人クロコダイルが真っ先に動いた。巨体を低く構え、凄まじい勢いで突進。牙を剥き出しにした大顎を大きく開け、プレデターを捕食しようと襲いかかる。
スカー・プレデターは軽やかに跳躍。巨体の上を飛び越え背後に着地すると同時にショルダーキャノンを発射した。
プラズマ弾がクロコダイルの背中を撃ち抜く。高温のエネルギー弾は鱗を溶かし、肉を炭化させる。怪物は激痛で暴れ回り、尻尾を横薙ぎに振るった。
その一撃がプレデターの体を捉え吹き飛ばした。彼は路上の車に激突し、ガラスが粉々に砕け散る。
しかしプレデターは即座に立ち上がった。
クロコダイルが再び突進。プレデターはネット・ランチャーを発射した。
鋭いワイヤーネットが怪物の上半身に絡みつき刃のようなワイヤーが鱗の隙間に食い込む。クロコダイルが暴れるたびにネットは深く切り裂き血液が飛び散った。
クロコダイルがネットを引きちぎりながら前進。プレデターの胸に頭突きを叩き込み、さらに牙で噛みつこうとする。
プレデターは反撃に転じた。スピアを伸ばし、クロコダイルの喉元を狙って突き刺す。刃先が鱗を貫通し深く食い込んだ。
クロコダイルが激しく首を振り回す。プレデターの体が宙に浮き、道路に叩きつけられる。だが彼はスピアを離さずねじり上げた。
殺人クロコダイルは狂暴性を増し、尻尾の一撃でプレデターを道路脇のビル壁に叩きつける。
プレデターはレイザー・ディスクを投擲。回転する円盤状の刃がクロコダイルの首筋を深く切り裂く。
クロコダイルが最後の猛攻を仕掛けた。巨体を捻り、プレデターを押し倒し、大顎で上半身を噛み砕こうとする。
その瞬間、スカー・プレデターはリスト・ブレイドをクロコダイルの下顎から脳天に向かって突き上げた。
刃が完全に貫通する。
殺人クロコダイルが全身を痙攣させた。
巨大な体が地面に崩れ落ちた。血だまりが広がっていく。

【殺人クロコダイル@アナコンダ vs. 殺人クロコダイル 死亡】


静寂が訪れた。
スカー・プレデターは荒い息を吐きながら立ち上がった。
彼はクロコダイルの死骸を見下ろし、ゆっくりとマスクを外した。年若いプレデターの顔に満足げな表情が浮かぶ。
しかしこれは本命ではない。
本当の獲物──ゼノモーフ(エイリアン)を狩らなくてはならない。

スカー・プレデターは成人の儀式の最中にこの場所へ連れてこられた。部族の掟に従いゼノモーフを狩り、その酸性の血液で自らの仮面に勝利の証を刻まなければならない。それが彼の最優先事項だった。
このバトルロワイヤルのルールは理解している。首輪が爆破すれば死ぬこと、最後の一人になれば願いが叶うことも把握していた。
しかし彼はゲームに乗るつもりはなかった。現時点では主催者と争うつもりもない。
全参加者の中でも、ただゼノモーフを探すことだけを優先する者はおそらく彼だけだろう。
その過程で強敵がいれば倒すが戦う力のない女子供には手を出さない。それがプレデターの掟だ。
たとえ48時間後に首輪を爆破されるとしても、皆殺しなどという名誉のない行動は選ばない。
ゼノモーフを狩り終えた後、もしくはゼノモーフの存在が確認できなかった場合、初めて首輪の解除方法と母船への連絡手段を探す。
プレデターは一瞬だけ、逃げ去った二人の女性を思い浮かべた。彼女たちは狩る価値がない。脅威でもない。
彼は光学迷彩を起動させた。体が周囲の景色に溶け込み透明になる。

ゼノモーフを探せ。

成人の儀式を完遂するために。戦士としての誇りを守るために。


【スカー・プレデター@エイリアンVSプレデター】
[状態]:中程度の損傷
[装備]:プレデターの装備(リスト・ブレイド、ショルダー・プラズマキャノン、レイザー・ディスク、スピア、光学迷彩スーツ、コンピューターガントレット)
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:ゼノモーフ(エイリアン)を探して狩る。
1:ゼノモーフを探す過程で強敵を発見した場合は倒す。
2:戦う力のない女子供には手を出さない。
3:ゼノモーフ狩るか、存在を確認できなかった場合、首輪の解除方法、母船への連絡手段を探す。








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最終更新:2026年07月15日 19:27