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『願いを叶えるジブン』


(キャラ) 円城寺仁、アルカ=ゾルディック





 ピチャン──。


  ピチャン──。


『触れ』

「………………」


『触れぇ。そこ落ちてくる水滴ぃ。指突っ込めぇ』

「…………」

『おい。……返事くらいせぇ。貴様、我を無視して平気な顔しとるつもりか? 暗いとこ嫌いなんじゃ我ぁ』



 ピチャン────。

  ピチャン────。



『……まあ安心せぇ』

「……」

『最近の貴様見とると、我も妙に人間臭ぅなっとるしのぉ。だから、ちぃと優しく言うたるわ』

「…………」



『殺すのは貴様じゃない。──』

『──我じゃ。──』

『──主催者ごと。全員』




  ピチャン──────。



『あの変な女、言っとったじゃろ。最後まで勝ち残れば、【願い】を一つだけ叶えてやるって。──』

『──……あるじゃろ。今すぐひっくり返したいもんが』

「……、…………」

『ほれ、目を逸らすな。足元の【ソレ】、どうにかしたいじゃろう』

「………………………………」


 ピチャン……。

  ピチャン…………。



『入れ替われ。今すぐ我に肉体を譲れ。貴様が見たいと願う景色……我は──』

「オレはさ」

『……あ?』

「…………願いが、あるんだよ。──」

「──バカやって、みんなで笑い合えるようなさ。そんな当たり前の毎日が、いい。──」

「──…………モモとかさ、………………オカルンとも、さ」

『……』



「──だからさ、まだダメなんだよ。……この子に会うまでは」



 ピチャッ──


 ────


 ──


………
……




「……っ、お兄ちゃぁ~~~ん!! どこぉ~~!? アタシここだよぉ!! お兄ちゃぁぁん!!」


 一度呼吸を整えても、結果は変わらない。
薄暗く染まったマンション外廊下。無垢な少女の叫びは、コンクリートの冷たい淀みへと虚しく吸い込まれていく。


「…………。…………うぅ……。……お兄ちゃん」


探して。探して。探し続けて。
とうとう力尽きたのだろう。
少女──アルカ=ゾルディックは、その場へすとん、と腰を下ろした。
頬をふと掠める蛾の羽ばたきも、唯一救いのメタファーとなっていた廊下の蛍光灯も、幼き彼女を慰めるにはあまりに冷酷な小道具だ。
四〇四。四〇五。四〇六。どこまで歩いても似たような景色。
ただ数字だけが並び続けるその光景は、幼い少女には終わりのない迷路そのものだった。


「……………ねぇ、お兄、ちゃん」


 齢十一ほど。
生まれながら背負わされた運命のせいか。アルカには大きな夢はない。将来の目標もない。
ただ一つ。
小さな口から何度も零れる『お兄ちゃん』、それだけが、彼女にとって世界だった。
バトル・ロワイヤル開始時──かの森口先生は言った。「優勝者は願いを叶える」と。
もちろん、それが本当かどうかなんて分からない。
どうやって。何の力で。そんな説明は一切なかった。

ただ、もしも……もしも本当に世界が書き換わるなら。
アルカは、何を『願う』のだろう。

一例として、全参加者の情報アプリによると、アルカは日ごろ『おねだり』が好きらしい。
今は兄の名しか呼べない、その小さな口も。
本当は、神様にだって、誰かにだって、きっと願っていたのかもしれない。


“アタシを、一人にしないで”


言葉にならない、その渇望が────。




……。
…………。


──以上。
脳内ナレーション担当。
CV。……う~~~ん、世界の車窓からの人、もしくはタモさんで。




「……?」



フッフフ。
どう? 今の。
めちゃくちゃ映画の冒頭っぽくなかった? ちょっと賞とか獲れそうじゃなかった?
なんかこう、『観客に考えさせるタイプの作品』感あったよね?



「……でもッ!!──」


「──こんなしっとりした空気、オレ三秒しか耐えられませんッ!!!!──」

「──通常営業ッ!! テンション百二十パー!! ハイィィィィィィッ!! レッツラゴォォォォォーーーーッ!!!!!!!」



「……え?? だれぇ……?」


 はいっ!!
ここで事故紹介タイムいきま~~す!!!
場所は渋谷にて、二百五十件のたまつき事故が発生!! 「運転する度にユーレイ乗せちゃうんだから、愛車は120km/h走行の事故物件だ(笑)」と容疑者は~~……って、ハイハイ!! shimejiは自動で誤字訂正してくれるから、みんなもDLしてねッ!【PR】

はいはいはいはいっ!!!
改めてオレの『自己』紹介タイム、いっちゃいま~~~~~~~っす!!!!
オレはジジ!!
なんかオレ、この名前に運命感じてんだよね~~~。響き、イカしてない?
ジジ。
三回言ってジジジ。
ほらもうセミじゃん。
夏感じた?
オレは全身で感じたよ……、フッ。

……ちなみに趣味はサッカー!!!!
リフティングなんか九百億万兆回くらいやってるから!! 『時間の無駄遣いだぞ』とか言われても聞こえませんちメンタル~~~~!!!!!

……いや聞こえるわ!!
普通に傷つくわ!!
この前なんか知らないおじさんに言われて、泣きすぎて眼科に水道代払うとこだったもんね~~~~!!!
……だからさ。
そろそろ新しい趣味でも開拓しようかなぁって、そんなオハナシ。


そこでッ!! ターゲット決定~~~~~~!!
君なんだ!!!


「……だなんて。そんなアホなこと言ってりゃ。君も少しは笑ってくれたのかなぁ」

「?? ぜんぶ言ってたよ……? 早口でわかんなかったけども」

「…………え」


 なんかさ! 森口先生の話だと、オレらのスマホに勝手に『参加者名簿アプリ』入ってたじゃん?
タイトル画面見てたらさ。右下。『ver1.20』。
…………怖ッ!!!!
え!? バトロワってアップデート制なの!? 歴代あんの!?

……というのはさておき、すえおき、プレステ6十二万。

オレの新しい趣味……『スマホアプリ鑑賞』だからさ。
設定アプリもコンパスアプリもじっくり眺めて、さて参加者アプリをチラリってしたんだよ!
そしたら書いてたんだよ!
『おねだりが好きな少女』って!
画面に!!!
そして目を離したら目の前に!!
その顔に!!!! 本人!!!! 運命!!!!!!


「そうなると、答えは一つしかないよね?」

「ひとつ? …………え、」


「オレが来たからにはもう安心だよ~~~~ん!!! さ、オレの前で言ってごらん!! 『寿司食べたい』でも『やっぱ安い寿司がいい』でも『……駄菓子でいいよ』でも!!!!」

「…………おすし???」

「だがし!!!!」

「だ、だがし~~……」


 フフフフフフフ。
このジジジジジジジジ、困ってる子をほっとけない性格でさ。
今のこの子のさ、暗い顔も。
さっきの「お兄ちゃ~ん」も、……結構きちゃって。
オレの神越市ソウルにズギューーーーンって、刺さったんだよね~~~。


「だから今日はお兄ちゃんの代わりに、このジジがおねだり全部受け止めま~~~~~~~~~~~~~っす!!!!!」

「え、おねだり? ……う~~ん、うーんと~~……。──」


「──じゃあ、いっしょにいて。…………おねがい」

「っ!!!!! もっちろん!!!!!」


というわけで、記念すべき第一回おねだり達成計画、開幕~~~!!!!
まずは仲良く映画鑑賞だ~~~~~~~~~~~~~!!!!
子供向け映画といえば、やっぱコレだよねッ!!!!
『羊たちの沈黙』ィィィィィィィーーーーーーッ!!!!!!


………
……


「えへへ。ひつじさん、まるい~~~~!」

「うんうんそうだよね~。ほら、あそこの羊に乗ってるオバカったら、『コラ!!』って叱られてさ~~~……──ッ……面白ッ!!! マザー牧場の羊は黙らない!!!」


 べぇ~~~~。
べぇ~~~~。
……いやぁ、やっぱ子供向け映画って最高だよねぇ。
この前ディズニープラス開いたらさ。
「ディズニーだから安心安心~♪」なんて思って『ガニバル』見ちゃって。数日、ご飯食えなくなったもん。
結論。ディズニーは夢も売る。でもR-18も売る。チクショ~~~~~~~!!!!

そんなこんなで。
オレ達はソファに並んで座り、ホットケーキを食べながら、昔マザー牧場行った時のホームビデオを眺めていた。

あ~ソファー。
あ~隣はハニーの香り、オレはベーコン乗っけてアメリカンスタイル。
ここにブラックコーヒーでもあれば完璧だったんだけどさぁ。
……やだもう!! 星子お姉さまのイジワルねっ!!
水飲んだだけで即変身ってバグでしょ!?
オレだって貧乏だった頃、公園の蛇口くらい普通にひねれたんだからさぁ!!!!?


「……はい、おわかりいただけただろうか」

「おかわり?? いただける???」

「『ホットケーキ食べながら』……第二のおねだり、使っちゃったね~~~? 知らぬ間に知らぬ間に知らぬ間に~~~~!!!!」

「え? えぇ~~~~??? これで~~~?! アタシ、『しょっぱいのが食べたい』ってぇ……」

「柿の種のピーナッツの塩・三粒 or ホットケーキ?」

「うぅう~~~…………。ホットケーキ。……おかわりいただけないだろうか~~……」

「YES! ジジジクリニック!!! ホットケーキ一名様ご案内~~~~~~!!!!」


……でもやっぱホットケーキ、いいよね。
材料に水使わないし。……ホットケーキミックス混ぜたヤツはギリ『個体』判定らしいし。
……ってことはさ、オレが底なし沼にハマったら?
ギリ個体だから、邪視に助けてもらえないってこと!?
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!?? じゃあ雷魚釣りやめるわ!! 命あっての雷魚だからね!!!!

……というわけで、オレは幻の雷魚を追う代わりにキッチンへと旅立ったのでした。



 シャカ、シャコシャコシャコ~~~。
ボールに卵と脱脂粉乳いれて~、よくかき混ぜ~~~。


「……いいなぁ、ひつじさん。お兄ちゃんにも見せたら、ナニカにも見せたら、きっと好きになる!」

「来たァァァァァァァッ!! ナニカッ!! 今度オレにも紹介してよ! ナニカって子!!」


 はいはい諸君! どうやらこの子、『ナニカ』っていうお友達がいるっぽい。
ナニカ→お兄ちゃん→ひつじ。仲良し三人組じゃん!!
なんかもう平和の三すくみ完成っていうか。三つの言葉だけで、世界はくるくる回る。
その横でホットケーキミックスも、ボウルの中をく~るくる。
シャコシャコ。
シャコシャコ~~~。


「あっ! また乗ってる! ひつじさん、ねてたのに~~。ワルい男の子~~~」

「その子の顔、よぉ~~~~く覚えといてね。伏線だから。もう回収済みだけど!!!!」


 ……いいだろう? 今は大人しくなったジジにも、こんな悪ガキだった一面があるのさ……。
さぁて! フライパン予熱開始~~~~~~ッ!!
汚物は消毒だぁ~~~~!! ……って言いたいけど。
ホットケーキは優しく焼きます。
おたま一杯。高めの位置から。

ジュワァァァァァァ……。
コトコト。
コトコト。


「あっ! またおこられてる~~」

「ヘンは余計! 怒られたはいい! ただの客観的事実だから!! でもヘンはダメ!! 全国の怒られキッズが泣くから~~~~~~~!!!」


 弱火で三分!
プツ、プクプク!
生地が温まったら~~……ひっくり返し準備!


「女の子にまたしかられてる~~。……どうせこんなこと言うんだよ、男の子は~」

「え? なになに? 予言者??? ほら、答え合わせ言ってごら──」




「ほら言った! “『モモちゃん』やめてよ~~~~~ん!!”って!!」





──プツ、

──プクプク。



 生地が、
温まったら。

ひっくり返し。……準備!


来た来た来た~~~~!!!
みんな大好き!!
ド定番イベントのお時間で~~~~~す!!!!!


「……あれ。じゃあ男の子の、おなまえ。知らない。──」

「──…………。……ねえ、パンケーキのお兄ちゃん~~!」

「オムライスお兄さんみたいな呼び方になっちゃったァァァァァァ!!?? は~~~~い!! パンケーキのお兄さんですよォォォォォォ!!!!」

「えへへ。お兄ちゃんのおなまえ、なんていうの? おしえて?」


 そしてフライ返しで、パ~~ンッ!!
まるで何かを何かしたみたいにすれば~~……!!



「……あれ? それ第三のおねだり判定だったりする?? 早ッ!! この子タイパ意識高っ!!!!」

「わっ!! び、びっくりしたぁ~~……」


イッツ・ア・イリュージョンマジック・オレ。
肩をぴくっと震わせる女の子。
既に用意していた冷凍パンケーキとオレが、気付いた時にはソファにいたという……。
……タネも仕掛けもありません。……気になる人は広告クリックお願いします~~~~。
オレはそ~~っとハチミツを回しかけた後、彼女の前へポンッ!
イリュージョンを見せられた悲劇の観客は、浮かない顔をしながらこう聞いてきた。


「べつに、おねだりじゃないよ? ……ただ、おにいちゃんのなまえ、知りたいなって──」

「たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた……」

「わああっ!!? た?? た????」


そして浮かない顔をされりゃ、オレだってバグる。


「たたたた、たたたたたたたたた円城寺仁たたたたたたたたたたた……」

「え? えんじょうじ?」

「ター・タタタタタター・タタタタタタ。……ヒント:『たぬき』。それがオレの唯一ネームってわけさ☆」

「た、たぬき??? 『た』抜き?? えーと、えーと……、『た』が一こ、二こ、三こ……」

「ん~~~~~~健気!!!!」


 フッフッフ。
目の前にはアツアツのホットケーキ。
バターも溶け始めてる。ハチミツなんか今まさに最高の食べ頃。
なのにこの子、ホットケーキそっちのけで、「ん~~~~??」って指折ってる。
……イヤシンボどころか、名前の方がお腹いっぱいらしい。
ホットケーキ泣いちゃうぞ~~。……いや食べられた方がもっと泣くか、ホットケーキさんサイドは。

……仕方ない。オレも武士の情けだ。
ホットケーキが口酸っぱくして言いたいことを、代弁してやるとするさ……。


「三こ、四こ、五こ…………あれ。『た』がまだある……? え~と、えっと……」

「正解は『ジジ』! オレの『た』は財布の中にもパンパンだから、全部抜くのは無理でした!!!!! ま、細かいことはいっか!!」

「…………?」


「アルカ=ゾルディックちゃん。……アルカン!」

「…………え」


 きょとん。
まん丸の目がオレを見る。
来た来た来た~その顔~~!
『なんでアタシの名前知ってるの?』の顔。……あぁこれだよこれ~。
何故知ってるかと聞かれたら、答えてやるのが我が情け。
……ただし、その答えに少しオシャレを加えるのもまた大人~……。


「(アルカン……?)……あ、アタシ──」

「うん。アルカン。……聞かなくても分かるもんさ」

「え?」


「だってオレたち、もう友達じゃん? 友達ってさ。最初から分かること、結構あるんだよ」

「…………ともだち?」

「うん。オレはそう思った。だからもう友達! ……ダメ?」


アルカはぱちぱちと瞬きを繰り返す。


「…………。…………いい!」


そして、ぱぁっと笑った。


「ともだち! おにいちゃん!」

「うんッ!!!!」

「アタシとジジおにいちゃん!」

「ズッ友決定ィィィィィィィーーーーーーッ!!!! イッツ・フィィィィィィィィィバァァァァァァァァァーーーーーーッ!!!!」

「!! ふぃ、ふぃ~~ば~~~~~~~~~~!!!」



 …………ハハ。
なんてかさ?
結局、人生で一番大事なのって、『友達』なんじゃないかなって、オレは思うよ。
辛いことがあった時。しんどいことがあった時。
一人だったら、「もう寝よ~」で終わっちゃうじゃん?
でも隣に友達がいたら、夜更かし大フィーバー。朝まで桃鉄。
友情なんて全部ぶっ壊れるくらい盛り上がって、それでもまた笑って。
……そういうの、いいなぁって思うんだよね~。

……まあ、一人でのんびり寝るのも、それはそれで最高なんだけど。オレ、そういうの嫌いじゃないし。
だから「どっちが正解!」とかは言えない。
それに、アルカンにとっては友達なんて、オレが勝手に押しつけてるだけなのかもしれないし。


…………でも。
それでもさ。


この子がたった一人ぼっちでいるのだけは絶対違うって。
名前を呼んだ時。「この人なら信じてもいいのかな」って、少しでも思ってくれたらって。

……それだけは、胸張って言えた。



「……あ。三つだ!」

「え? あ、たぬきの話? アレ、実は『た』が無限増殖する最新バージョンで──」

「ジジ」

「ん?」


「ジジも、『かなえたいこと』ある?」

「…………うぇ。……あ~~~~~~。やっぱそう来るよねぇ~~~~~~。えーっと。ナニカンちゃん~~~~だっけ~~~~」


「…………あるなら」

「…………」

「いって?」


ま、……名前当てたの、参加者名簿アプリの恩恵だけどね。
だからこそ、『おねだり』の話を振った時点で。『お願いして』って返されたらこのオレ、完全に詰みである。


無駄に参加者情報書き込み過ぎなんだよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!
森口先生ェェェェェェェェェェェッ!!!!




………
……




 ピチャン──。


  ピチャン──。




『……何を見てるかと思えば名簿。ほう、【どんなお願いでも叶える力】とは』

「…………」

『見てみい、窓の下。おるぞ。アルカとかいう小娘が』

「……………………。…………」

『もう迷う暇はないじゃろ。触れ、水を。我が貴様の代わりに、ヤツに報いを射る』

「……………………………………………………………………」

『……それとも何か? 貴様、小娘を利用して、優勝せずに願い事を──』



「…………そんなんじゃ、ないよ」




 ピチャン─────ッ。


『……あ?』


「……小さく書いてあった。【願い事を四回断れば、自分と一番大切な人が惨殺される】って」

『……陰湿じゃの。人間らしい。──』

『──じゃがそれが何じゃ。怖気づいたか』

「…………そうじゃないって」

『ぁあ?』

「……あの子は、知らないだけなんだ。自分が何をしてるのかも。もう一人の自分が、誰を傷つけたのかも」

『…………』

「…………恨みとか、そういうのを君は望んでたんだろう? ……オレは、嫌だよ」

『……反吐が出る』

「…………出せばいい。オレに吐けばいい。……それでも、──」


「──…………この子を守らなきゃいけないんだ。オレは」



 ピチャン────。

  ピチャン────。


「……」

『……。──』


『──長く一緒におって分かった。貴様、偽善者じゃ』

「…………」

『人助けが好きなんじゃない。人助けして満足する自分が好きなんじゃ。人が笑うと自分が嬉しい。それだけじゃ』

「………………」

『否定はせんのか』

「………………。…………今はそんな元気ない」

『それが答えじゃからな、貴様の』

「……」




 ピチャン……。

  ピチャン…………。


「オレさ。…………願いが、あるんだよ」

『……』

「みんなで笑って、バカやって、くだらないことで怒られて。また笑って。……それだけでいい──」

「──それが一番いい。何よりも。…………何よりも」

『…………聞こうか。──』


『──みんなとは、【ソレ】のことか? 壁にグチャグチャ張り付いた──ソレ』

「…………」

『【願い事を四回断れば、自分と一番大切な人が惨殺される力】。…………やはり貴様は、仲間のことなど考えておらんのじゃ』

「……………………」



 ピチャン…………。



『泣け。替われ。……貴様の、【今一番の願い】をかなえられるのは、我──』

「……泣いたら、あの子が全部知ってしまうから。…………少しだけおやすみ。邪視」

『……』



「…………おやすみ。………………少し、だけ」






【高倉健(オカルン)@ダンダダン 死亡確認】

【エリア外】
【綾瀬桃@ダンダダン────……】



………
……





 な~~~んかさ。
願い事って、デカければデカいほど、あとが怖そうじゃん?
だったらもう。
ここは大喜利一択でしょォォォォォォォォォッ!!!!


「……あい」

「やったぁああああああああ!!! ゲットゲットゲットォォォォォォォォ!!!! 願いごとで『一ジンバブエドル』獲得ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!! 人生初のジンバブエドルだァァァァァァァァ!!!! やっほぉぉぉぉぉーーーーーーーーッ!!!!」

「……ジジ。そんなので、いいの?」

「おっ。今しゃべってるのアルカン? それともナニカン? ……覚えときなッ!!──」


「──一ジンバブエドルで笑えるヤツはッ!!──」

「──一ジンバブエドルで泣ける男にもなれるのですッ!!!!」

「うぅ、あぅ~~~…………。よくわかんない」


アルカは首をこてんと傾げて、小さく笑う。


「ジジおにいちゃん、おねだり。『ありがとう』って言って?」

「サンキューーー!! 君に会えてよかった~~~♪ このままずっと~~ずっと~~死ぬまでハッピ~~~♪ ……この歌、『サンキュー』って歌詞あったっけ? 勢いで歌ってるだけぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

「あはは! ジジおにいちゃんおもしろーい! だいすき!」


 …………ちなみに一つだけ疑問。
もし『この殺し合い、終わらせてください』とか願ったら……オレ、木星まで石拾いに行かされるとかじゃないよね!!??

待ってろ~~~~~~~~!!!!
アルカンッ!!!!
まずはNASAだァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!




【アルカ=ゾルディック@HUNTER x HUNTER】
[状態]:健康(←→ナニカ🙁)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:ナニカと仲良くしてくれる人を探す。
1:お兄ちゃんに会いたい。
2:ジジおにいちゃん、おもしろい。すき!
3:……一ジンバブエドル。
4:一ジンバブエドルでできる、おねだりってなんだろう?
5:う~~~~ん……。

【円城寺仁@ダンダダン】
[状態]:健康?(←→邪視)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:みんなが笑顔でいられる終わり方にしたい。
1:みんなが、笑顔で。







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最終更新:2026年07月18日 00:09