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『バトロワ会場で最強魔王の娘さんが超人に助けられました。』


(キャラ) アン、怪剣クロード(長川神)、ルーミア




「………ここどこなの?」

街灯に照らされた街中を、一人の幼い少女が歩いていた。

「ママー?」

ピンクがかった金髪に赤い瞳を持つその少女の頭部には、
下向きに生えた2本一対の小さな角が生えていた。

この少女の名はアン。
地球とは似て非なる『アヴィルフィア』と呼ばれる世界に存在する『ゾディア帝国』の統治者・魔王グランと、
地球から召喚された異界の巫女・朱里との間に生まれた娘だ。

「ママー?どこなのー?」

『魔王の娘』とは言え、まだまだ幼い少女………いや、幼女にしか過ぎず、
見知らぬ街で母を求めてさ迷い歩いていく。

「ママー?パパー?」

しかし、いくら歩いても呼んでも………
アンの大好きなパパとママが姿を見せる事はなく………

「………うぅ~」

とうとうアンは地面に座り込んでしまい、その両目には涙が貯まっていた。
今にも泣き出しそうなアンに………

「あなたは食べても良い人間?」

………突然、誰かが声をかけた。

「?」

アンが声の聞こえた方に顔を向けると………
そこにはアンよりも少し年上くらいの真っ黒なワンピースを着て金髪にリボンを着けた少女が、両腕を左右に伸ばして全身で十字を描いているような状態で立っていた。

「ねぇねぇ、あなたは食べても良い人間?」

ニコニコとした顔で黒いワンピースの少女はアンに質問する。

「えっと………アンちゃんは食べ物じゃないの」
「そーなのかー」

アンからの返答を聞くと、黒いワンピースの少女はニッコリと笑った。

「でも、お腹が空いてしょうがないから、食べるのかー」
「………えっ?」

黒いワンピースの少女が口にした言葉の意味が分からず、アンが首を傾げた…………
と思った瞬間、アンと少女の周りに黒いモヤのようなものが発生し、アンと少女を包み込む。アンと黒いワンピースの少女の周囲は、街灯の光すら見えぬ暗闇へと包まれたのだ。

「えっ?えっ?」

突然街灯の光が消えて周囲が完全な暗闇に変わり、アンには訳が分からず周りを見渡すばかりだ。

「それじゃ………」

一方、黒いワンピースの少女は困惑しているアンに一歩一歩近づいていき………

「………いただきま~す♪」

………まるでサメかトカゲのようにギザギザとした歯が無数に生えている口を大きく開き、アンを頭から食べようとした………が。

「……トリャア!!」
「……がぶっ!?」

ワンピースの少女がアンの頭にかぶり付こうとした瞬間、『何者』かが二人の間に分って入り、ワンピースの少女の土手っ腹に鋭角なデザインの大剣を突き刺したのだ。
ワンピースの少女は腹部に大剣を刺されると同時に地面に倒れ伏し、
同時に周囲を暗闇に閉ざしていた黒いモヤも消滅した。

「………えっ?」

周囲を包んでいた暗闇が消えると同時に、アンは自分と黒いワンピースの少女との間に分け入ってきた相手の姿を直視する。

『…………』

そこには、真っ黒なマントを着用し、頭部を骸骨のようなデザインが施された兜のような物(※アンの母・朱里が見たならば『バイクのヘルメット』と呼ぶであろう代物)でスッポリと覆い隠した人物が立っていた。

『………』

顔を隠した人物はアンの方に振り向くと、アンと視線を合わせるように体を縮めてアンと向き合い………

「……きゃッ!」

………アンの頭を子犬か子猫のようにワシャワシャと撫でた。

『………どうやら無事なようだね。間に合って良かった』

アンの頭を撫でながら、顔を隠したマントの人物は安心するように呟く。
アンの父である魔王グランよりも少しばかり野太い男の声だった。

「えっと………誰なの?」
『あっ。これは済まない』

アンに誰なのか?と問われ、顔を隠したマントの人物はアンの頭を撫でていた手を自分の胸元に置いた。

『………私はクロード。怪剣クロードだ』

顔を隠したマントの人物…………クロードはまるで誇るかのように、または宣誓するかのように、自分の名前を名乗った。

「…………『きゃいけんくりょーど』?」
『……いや違う。『怪剣クロード』だ。か・い・け・ん・く・ろ・お・ど』
「……きゃ、『きゃいくえんくれーど』?」
『違う。『怪剣クロード』だって』
「きゃ………『きゃいくぇんくりょーど』?」
『…………もう良いよ『くりょーど』で』

幼い故に滑舌があまり良くないアンの発音に、クロードはヘルメットごしに頭を抱えるのであった。

「………いてててて。痛いのかー」
『!?』

その時、クロードともアンとも違う声が周囲に響き渡る。
クロードが振り向けば、先ほどクロードによって土手っ腹に大剣を突き刺された黒いワンピースの少女が
何事もなかったかのように起き上がろうとしていた。

完全に起き上がった黒いワンピースの少女は、
自分の腹部に突き刺された大剣をうっとしそうに引き抜くと、その辺にポイッと投げ捨てる。
同時に黒いワンピースの少女の腹部が先ほどの黒いモヤに包まれ、
腹部にできていた傷痕はおろか、少女の着用しているワンピースの損傷まで
『初めから存在しなかった』ように消えてしまった。

「ひ、ひぅ………」

『腹部に剣を刺されて倒れていた者が、何事もなかったように起き上がる』という異常事態を目の前にし、
再びアンの目に涙があふれそうになる。

『………なるほど。お前は『妖怪系の超人』なのか?』
「ねぇねぇ、あなたは食べても良い人間?」

クロードからの質問を無視し、黒いワンピースの少女は先ほどアンにした物と同じ質問をしてくる。

『………悪いが、私はお前に食べられる訳にはいかないのでね』

クロードはそう断言すると………

「……ひゃあっ!」

……泣きそうになっているアンを抱き抱え、カエルかバッタのように驚異的なジャンプで黒いワンピースの少女から逃走する。

「あっ!」

黒いワンピースの少女が気づいた時には、クロードとアンの姿は街の中へと消えていた。

「………あーあー。食べそこなったのかー…………まぁいーや。他の食べられる人間を探そうっと」

黒いワンピースの少女はクロードとアンに逃げられた事を特に気にするでもなく、
新たな『食べても良い人間(獲物)』を求めて暗闇の中を歩いていくのだった。


【ルーミア@東方Project】
[状態]:健康、空腹
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:お腹減った~
1:『食べても良い人間』を見つけて食べる

☆☆☆

『………ここなら一先ず大丈夫だな』

先ほどの黒いワンピースの少女から逃亡したクロードとアンは、
渋谷駅構内にじっと息を潜めていた。

「うぅ~」

クロードに抱き抱えられているアンの両目には、
今にも泣き出してしまいそうな程に涙が貯まっていた。

『………済まない。怖いかもしれないが、少しガマンしてくれ。君の事は必ず私が守るから』
「う………」

クロードに優しく宥められ、アンの涙は少し引いたが………

「アンちゃんべつにこわくないもん!」

…………頬をリスのように膨らませてクロードからそっぽを向いた。

『ほぉ~………『アンちゃん』か。素敵な名前だな』
「うりゅ………」

かつて、迷子になった自分と母を助けてくれた勇者アルベールと同じ感想を口にするクロードに、アンは頬を赤く染める。

「………ねぇ、くりょーど」
『なんだい?』
「…………なんでくりょーどは、アンちゃんのこと、たすけてくれるの?」

面識も無い自分をどうして助けてくれるのか。
アンにはクロードの行動が理解できなかった。

『………』

クロードは少し黙った末に答えを出した。

『………それは私が『超人』だからだ』
「?『ちょーじん』?」

クロードの口にした『超人』という言葉の意味が分からず、
アンの頭上に大量の『?』が浮かんだ。

『………『超人』とは、無垢なる者を助け守る者。誰にも縛られず、『正義』『自由』『平和』の為に戦う者…………それが『超人』だ』

そう語るクロードの言葉には、己の信ずるものに対する揺るがない『誇り』と『矜持』が込められているようにアンには聞こえた。

「うー…………よくわからないの」

まぁ、『それ』と『話の内容が理解できたか?』は別だったが。

『…………』

アンの反応に、クロードはヘルメット内で冷や汗を流したのだった。


【アン@異世界で最強魔王の子供達10人のママになっちゃいました。】
[状態]:健康、困惑
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:パパとママに会いたい
1:くりょーど(クロード)と一緒にいる
2:『ちょーじん』ってなんなの?
3:ママー?パパー?どこなのー?
[備考]:参戦時期は単行本2巻(※弟・ドゥーの誕生後)付近。
滑舌がちょっと舌足らずなので、相手の名前を正しく発音する事が苦手です。

【怪剣クロード(長川神)@コンクリート・レボルティオ~超人幻想~】
[状態]:健康
[装備]:クロードのヘルメット@コンクリート・レボルティオ~超人幻想~
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:『超人』として戦う
1:アンちゃんを守る
2:あの妖怪系の超人(ルーミア)には注意する
3:爾朗………君もここにいるのか?
[備考]:第13話『新宿擾乱』直前からの参戦。


[支給品解説]
【クロードのヘルメット@コンクリート・レボルティオ~超人幻想~】
怪剣クロードの代名詞とも言える髑髏を思わせるデザインが施されたヘルメット。
クロードこと長川神の持つ『金属精製能力』を増幅・制御する機能を持ち、装着中は誰であっても声がCV・関智一になる。
ただし、万が一破壊されてしまうと装着者の能力を暴走させ、最悪死亡させてしまう危険性もある。







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最終更新:2026年07月22日 20:19