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『太陽神の怒り』


(キャラ) アポロン、セリー




『命の授業』と銘打たれた『殺し合い』の舞台として再現された渋谷の街の一角………
そこは火の海に包まれていた。

建物は粉々に破壊され、あちこちで真っ赤な炎が燃えている。
建物の周囲に配置された照明器具は砕けちり、火花を散らしている。

そして……………

「…………うおおおおおおお!!!」

その破壊をもたらした者は、
アスファルトが粉々に粉砕された道路のど真ん中で慟哭を上げていた。

そこにいたのは………
燃える炎のように赤く揺らめく髪と金色の瞳を持ち、
古代ギリシャの人々が着ていたような純白の衣とマントを着た一人の少年だった。

「ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなぁぁぁ!!?」

少年が手近な建物にその手を向けると、
掌からは真紅に燃える火の玉が放たれて、
コンクリートで作られた頑丈な建物を真夏の日中に置かれたアイスクリームのようにドロドロに溶けてしまう。

また別の建物に向けて人差し指を向ければ、
その指先からは一筋のレーザー光線が発射され
鉄筋のビルを半ばから両断してしまう。

「人間が………愚かな人間の分際で、『神』であるこの俺に首輪をはめて『殺しあえ』だと?………ふざけるな。ふざけるなぁぁぁ!!!!?」

それまでで一番強い怒りの叫びを上げると、少年の全身から強力な熱波が周囲に放出され、
アスファルトで舗装された地面はドロドロに溶けてしまった…………。

彼の名はアポロン。
その名前と姿、そして『熱と炎を操る能力』を見た者は十中八九、ギリシャ神話に登場する同名の太陽神を連想するだろう。

だが……厳密に言えば彼はその太陽神と同一の存在ではない。

世界中の戦争や紛争の影で暗躍する非合法組織『黒い幽霊団(ブラックゴースト)』に属する科学者・ガイア博士によって
ギリシャ・ローマ神話に伝わる神々や英雄をモチーフにして生み出された戦闘用サイボーグ………
通称『ミュートス・サイボーグ』のリーダー各。

それこそが『この場にいるアポロン』の正体だった。

とは言え………彼を初めとするミュートス・サイボーグ達はサイボーグ化される以前の『人間だった頃の記憶』を意図的に消去されており、
半ば強迫観念的に自分達を『本物の神』だと思っているのだが。

しかし………いや、だからこそ。
アポロンは怒り狂っていた。

『愚かな人間』の分際で『神』である自分を拐い、
殺し合いを強要する森口悠子に。

『神』でありながら『愚かな人間』に拐われて、家畜のように首輪をはめられた自分自身に。

心の奥底からマグマのようにわき上がる怒りに従い、
アポロンは自分の周囲を手当たり次第に破壊していたのだ。

「はぁ………はぁ………」

街の一角が更地同然の焼け野原になった頃。
アポロンの怒りもいくらか一段落ついたらしく、荒い息をもらしながらその場で立ち尽くしていた。

「………キャアァァッ!」
「……ん?」

その時、不意に何者かの悲鳴が周囲に響き、アポロンは声のした方へと顔を向ける。

「あ、あぁぁぁ………」

見れば………そこには紫色の長い髪を二つにまとめ、
細長く尖った耳を持つピンク色の服を着た小柄な体格の少女が
尻餅をついた状態でアポロンを………正確にはアポロンによって破壊しつくされた街の一角を、
唖然とした表情で見ていた。

「あ、あの…………」
「…………」

少女の顔には恐怖の表情が貼り付き、
両目には涙が貯まっていた。

「ひ、ヒィィィ!!」

少女は自身に支給されたデイバッグを片手に持ち、
慌てた様子でアポロンから逃げようと走り出した。

「…………」

アポロンは自分から逃げようとする少女の背中を眺めながら…………
少女に向けて人差し指を伸ばした。

刹那。
アポロンの指先からはレーザー光線が発射され、少女の頭へと命中する。

少女の後頭部から額にかけて小さな風穴が開き………
少女は自分に何が起きたのかを知ることもなく、その場に倒れ伏す。

倒れ伏した少女が起き上がる事は………二度となかった。

【セリー@異世界迷宮でハーレムを 死亡確認】

「………良いだろう」

名も知らぬ少女の命を奪った後。
アポロンはどこかで自分を見ているであろう森口悠子に向けて宣言した。

「………しゃくに触るのは代わらないが、貴様の企みに乗ってやろう。この場にいる者を一人残らず抹殺し、貴様への手土産としてやる」

………そして、改めて貴様を惨たらしく殺してやろう。

そう宣言したアポロンの顔には、
太陽神を模した名前と姿には似つかわしくない邪悪な笑みが浮かんでいた。

アポロンは自身に支給されたデイバッグを片手に持つと、
たった今自分が殺害した少女の下に近寄っていく。

「………ふん」

まるで石ころかゴミのように少女の亡骸を蹴り飛ばすと、
アポロンは少女が持っていたデイバッグを肩に担いでその場を後にしたのだった。


【アポロン@サイボーグ009】
[状態]:健康、強い怒り
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:この『茶番』の参加者全員を殺し、最後にあの女(森口悠子)を殺す
1:『神』である俺に首輪をはめて『殺しあえ』とは………許さんっ!!
2:邪魔する者は誰であっても容赦せん
[備考]:平成テレビアニメ版第25話『ミュートス、終章』直前からの参戦。
セリー@異世界迷宮でハーレムをに支給されたデイバッグを回収しました。
会場内の街の一部が焼け野原となっています。







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最終更新:2026年07月26日 00:52