『命の証とは、何だ?』
(キャラ) 佐々木哲平
「こんな授業、間違ってる……!」
渋谷を模した都市のどこかで、一人の青年が拳を握りしめながら震えた声を出す。
彼の名前は佐々木哲平。漫画家である。
哲平は怒っていた。この突如始まった命の授業に。
確かに言っていることは一理あるのかもしれない。
自分だって確かに、ある日突然自分や周りの人間が死ぬとは思っていなかった。
予期せぬ死を心のどこかで“自分には関係のない、遠い世界の出来事”だと考えていなかったといえば、嘘になる。
だからと言って、恐怖によってしか命の価値を理解できないとは思わない。
それも、こんなコロコロに載せられなさそうなデスゲームなんかで。
それに命の価値とは、生きているだけじゃないはずだ。
死にたくないと叫ぶだけが命だなんて、違うはずだ。
「生きるってことは、受け継ぐことだ」
哲平は、己の思いを口にする。
彼は受け継いだ人間だ。
明確に託されたわけではない。勝手にそう思っただけだ。
ただあの日受けた衝撃を、憧憬を、自分も誰かに与えたいと、そう思っているだけだ。
そうだ。
命の授業というのなら死という終わりではなく、受け継ぎ、生み出し、育むことを伝えるべきではないのか。
佐々木哲平は、強くそう思っている。
「それが俺の選んだ道なんだ。
だからあなたは俺に、こいつを支給したんだろ?」
哲平は支給された物を懐から取り出す。
それは上半分が赤、下半分が白く塗られたボール。
もしかしたら参加者の中には、これがモンスターボールと呼ばれるものであることを知っている者もいるかもしれない。
そして支給されたのはボールだけではなかった。
「出てきてくれ、サーナイト!」
哲平がボールを地面に投げると、そこから白い体と緑の頭と手足が特徴的な、人型の美しいモンスターが現れる。
こいつの名前はサーナイト。ある世界群に生息するポケモンと呼ばれる生物の一種である。
だが哲平にとってはそれだけの存在ではない。
彼にとってサーナイトは、何よりも愛する相手であった。
サーナイトと本気の恋愛をする読み切り漫画を、コロコロ編集部に幾度も持ち込むくらいには。
そして哲平にとっては架空の存在であった。
ゲームやアニメ、漫画などで展開されている作品群、ポケットモンスターシリーズに登場する架空のモンスターのはずだった。
しかし今、彼の目の前に支給品として存在している。
その事実に彼は、驚愕と戸惑いと興奮を隠せなかった。
「もしかして、この授業の裏にはアルセウスみたいな奴がいるのか……?」
架空の存在を現実に呼び出せるなど、ただの人間にできるはずがない。
森口悠子がそんな力を持っているようには見えないが、哲平自身そんなことが判別できるとも思っていないので断定はしない。
しかし彼女の裏にいる別の何かがそんな力を持っている可能性も考慮していた。
例えるなら、アルセウスのような強大な存在を。
さて、これを読んでいる読者諸兄には佐々木哲平という男をご存知の方もいるだろう。
ならば気づくだろう。自分の知る哲平とは違うと。
確かに彼は漫画家だが、漫画を持ち込んでいるのはジャンプ編集部のはずだし、サーナイトにこんな偏執的な感情は向けていなかったはずだと。
それもそのはず、ここにいる佐々木哲平は本来の彼ではない。
彼はタイムパラドクスゴーストライターの佐々木哲平ではなく、サー平コラと呼ばれるコラ画像群の佐々木哲平である。
サー平コラの哲平は、好きになった女の子キャラが実は男の子だったという子供の頃受けた衝撃を、今度は自分も与えようとする男だ。
その為にコロコロで己のポケモンの漫画を掲載することに執着し、♂のサーナイトと人間が恋愛する漫画を持ち込む異常者である。
されど悪ではない。
強い意志と信念を持ち、誰かの心を打つ漫画を描ける男なのだ。
だから、創作が人の心を変えられると信じているし、誰かに何かを伝えるのに命を盾に取り脅す必要がないと怒っている。
たまに予想外の方向に影響を与え、慟哭することもあるが、それでもだ。
コラ画像という虚飾から生まれた男の、本気の思いは果たして森口悠子に伝わるのか。
それを知ることは、未来を予知する力を持つサーナイトであっても分からない。
【佐々木哲平@サー平コラ】
[状態]:健康
[装備]:サーナイト(♂)@ポケットモンスターシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:森口悠子にこの授業が間違っていると分かってほしい
1:まずは仲間を集めたい
2:サーナイトがなんで現実に……?
3:もしかしたら森口悠子の裏にはアルセウスみたいな存在がいるのかもしれない
[備考]
※サーナイト(♂)のレベル、とくせい、覚えている技は当選した場合、次の書き手氏にお任せします。
※ポケットモンスターシリーズについて、ある程度の知識は有してます。
どの程度あるのかは当選した場合、次の書き手氏にお任せします。
【サーナイト(♂)@ポケットモンスターシリーズ】
佐々木哲平に支給。
ずかんNo.0282。エスパー/フェアリー タイプのポケモン。
ラルトスの最終進化系の一つ。信頼するトレーナーのためなら小さなブラックホールすら作れるらしい。
本ロワではモンスターボールに入った状態で支給され、最初にボールから出した参加者に従うよう主催者に設定されている。
モンスターボールが破壊されれば自由に自分の意志で行動できるようになる。
また、最初にボールから出した参加者が死亡すれば自動的にボールに戻り、次にボールから出した参加者に従うようになる。
ただし、参加者に従うからと言って信頼されるかは別の問題である。
最終更新:2026年08月03日 20:31