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『推理ではなまる彩る世界』


(キャラ) 明智あんな、ジェット先輩、紫藤アリサ




「離れろっ! ダメだ、ウチは、誰も殺したくねぇ……!!!」

「あんな、下がれ!!!」

「でも、ジェット先輩っ!」

わたしの訴えも空しく、体をジェット先輩に引っ張られる。
客観的に見ればジェット先輩が正しい。目の前の少女が発している炎を見れば、それくらいはわかる。
それでも、伸ばした手が目の前のあの人に届かないのは、悲しかった。

わたしたちがここに投げ出されたのはついさっき。
どう見てもまことみらい市じゃない。わたしのいた時代に、限りなく近いと思う。
それに支給品のスマートフォン。これがここにある時点で、今が1999年じゃないのだけは間違いない。
それだけで、あの荒唐無稽に聞こえる話を信じる証拠としては十分だった。

もちろん、悪い人の言葉なんて聞くつもりはないよ。
わたしを元の時代に返すって依頼は、みくるが絶対に達成してくれるから。
だから今考えるべきなのは、目の前で炎に振り回されてるあの人を救うこと!

「せめてみくるがいれば、プリキュアに変身できるのに……!」

ジェット先輩がふたつのジュエルキュアウォッチを握りしめて呟いた。
どっちもジェット先輩の支給品に入っていたものだ。わたしの支給品には、ミラールーペも入ってる。
でも、隣にみくるがいない。それだけで半身を引き裂かれたような痛みが胸を襲う。

「頭ン中でずっと、殺せって声が止まらねえんだ!いつオメェらを殺しちまうか自分でもわかんねえ!だから、さっさと行け……!」

―――いいえ、探偵は依頼があって動くもの

―――わたし、依頼してないけど

そう言ってわたしの助けたいという言葉を否定したるるかさんの姿が、目の前の彼女に重なった。
……あの時のるるかさんは、わたしの言葉を聞いて目を逸らしてた。
るるかさんがどんな気持ちでファントムにいて、あんな言葉を言ったのかはまだわたしにはわからない。
それでも、るるかさんの行動が言葉通りの意味だけじゃない『嘘』の混じったものだというのは、わかる。

目の前のあの人も同じだ。彼女はもっとわかりやすい。
わたしたちを巻き込まないために、自分は危ない存在だから、炎の力を制御できないからって遠ざけてる。
多分、口が悪いだけで本当はすごく優しい人なんだ。
なら、私の答えは―――

「嫌だ!―――あなたのこと、放っておけない!!!」

「ッ!!!……ウチのことが、怖くねえのか!!」

……たぶん、ここで嘘をつくのは簡単なんだと思う。
でも、わたしは嘘をつかない。それに、今彼女に必要なのは……嘘じゃないと思うから。

「……怖いよ。あなたの望んでない、その炎は怖い。けど、わたしはあなたを助けたい!だって―――」

―――困ってる人を助けたい、笑顔にしたい!それが、わたしの信じる名探偵だから!






瞬間、わたしの支給品のカバンから虹色の光が溢れ出す。
中から、何かが勝手に私の前まで飛び出してきた。

「わわっ!」

反射的に、光っているそれを両手で受け止める。
なんだろう、これ……お化粧につかう、コンパクト?
それにこの光って、もしかして……!

「まさか、それって……プリキュアの光か!?」

ジェット先輩も同じことを思ったみたい。
ジュエルキュアウォッチとは違う、みたいだけど。
なんだか優しい光……。



―――あなたのワンダフルの為に、頑張ってね!名探偵さん!



そんな声が、聞こえた気がした。
元々の持ち主さん?なのかな。
何が何だかわからないけど、それでも。
背中を押してくれるようなその言葉は、わたしに最初の一歩を踏み出すための、勇気をくれた。

「……ジェット先輩。わたし、行ってくる!」

「あっ、おい!あんな!」

ジェット先輩の静止の声が聞こえる。
けど、今は無視して一歩を踏み出した。
目の前で苦しんでる人に、手を伸ばす為に!





「―――ワンダフルパクト!」

さっきの声が聞こえた時から、このパクトの使い方はなんとなくわかってた。
だから、迷いはない。体が勝手に動く。
思えば、初めてジュエルキュアウォッチで変身した時もそうだった。
プリキュアって、もしかしたらみんなそういうものなのかもしれないね。

「プリキュア!マイエボリューション!」

ありがとう、どこかのだれかさん。
まだ、会ったことのない彼女に向けて、心の中でお礼を言う。
あなたのおかげで、わたしはあの人に手を伸ばせる!

「スリー!」

―――くれあさんみたいに、わたしの中のきらめきに従うために!

「ツー!」

―――みくるが夢見たように、誰かを助けて笑顔にできる名探偵になるために!

「ワン!」

―――何より、わたしの思う、はなまるな【ワンダフル】のために!

だから、今のわたしの名前は―――!

「みんなの笑顔で彩る世界! キュアフレンディ!」

「―――あなたの声をきかせて?」





「なんだよ、それ……」

プリキュアを初めて見たら、困惑が先に来るよね。
最初はわたしも正直驚いてたから、わかる。みくるが説明してくれなかったら、ずっとそうだったかも。
でもよかった、そのおかげで一瞬あの人の動きが止まってる。……炎も一緒に。
意を決して、一歩ずつ彼女に近づいていく。

「ッ! やめろ、こっちくんな!!」

彼女がそれに気づいた途端、炎が勢いを取り戻す。
でも、それまでに五歩は歩けたから、随分と距離は縮まってる。

「オメェは魔女じゃねえんだろ!だったら、放っといてくれよ!ウチに構うなよ!―――ウチを不安にさせんな!!!」

……最後の最後に、ようやく少しだけ本音が見えた気がした。
感情のままにこちらへ向けた手から、今までで一番勢いの強い炎が噴射する。
でも、わたしにはその大きな炎よりも。


―――衝動的に炎を出した瞬間、泣きそうな顔で、愕然としていた彼女の方が印象的だった。


「フレンディ!!!」

「あ、あぁ……!」

ジェット先輩の心配する声と、自分のやってしまったことに放心している彼女の声が重なる。
多分、わたしの姿は、煙に覆われてて見えてないんだと思う。

「けほっ、けほっ……煙が、凄い……!」

「ぇ……?」

でも大丈夫。わたしは無事だよ!
リボンで作ったシールドで、ちゃんと防いでるからから。
余熱や煙の影響はあるから無傷とは言えないけど、直撃もしてない。
このリボンは初めて使う力だし、シールドも勿論使ったことはないけど……。



―――ミスティックリフレクション!!



使い方だけなら、今までずっと、隣で見てきたんだから!!
今まで何回もわたしを守ってくれた、ミスティックの姿を思い出す。

「なんで、だよ……ウチら、今会ったばっかだろ……名前も知らないのに、なんでそこまで……」

「―――だって!!!あなた、ずっと苦しそうな顔してる!悲しそうな目をしてる!!!」

「ッ!!」

「あなたの事情は、わたしにはわからない……けど!誰かを傷付けるのを望んでないのだけは、わかる!」

ようやく、彼女の前まで歩いて来れた。
手を伸ばせば届く距離まで。
そのまま、ずっと自分の心を傷つけてきただろう彼女のことを抱きしめる。

「少しでいいから……あなたが笑顔になる手助けを、わたしにもさせて……!」

……やっと、わたしの手が彼女に届いた。
すぐに、虹色の光が彼女の体を包んでいく。
これが、キュアフレンディの浄化の力。
相手の声を聞いて、助ける為の。

「あ……」

彼女の体からガクッと力が抜ける。
周りの炎も、止まったみたい。
……なんとか、できたかな?

「大丈夫?さっきの、もうなんともない?」

「…………」

あ、気まずそうに目を逸らしてる。
少なくとも、もうさっきみたいに制御できない訳じゃなさそうだね。

「調子狂うな、お前……それに、何だよその力……ウチの指先まで、白くなってやがる……」

「指先?」

「……いや、後で話す。それより、後ろからお前のツレが来てるぞ」

「あっ」

まずいかも!ジェット先輩の言葉、全然聞かないでだいぶ無茶しちゃった!
お、怒られるかな……?
恐る恐る振り返る。ジェット先輩の顔はものすごく何か言いたげだったけど……。
最後には諦めたみたいに、小さくため息をついた。

「……今回は結果的に丸く収まったけど、毎回こうはいかないからな?状況が状況なんだ、お前はもっとみくるみたいに慎重になれよ」

「うっ……返す言葉もないです……!」

思わずしょぼんとしてしまう。
正座とかしたほうがいいかな……?なんて思ってたら、ぽつぽつと水滴が背中に当たるのを感じた。
これって……。

「通り雨か、こんな時に……!一旦どこかの建物に避難するぞ」

「う、うん!」

すぐに立ち上がって、みんなで小走りで歩き出す。
今は深夜だから、あんまり体冷やしちゃ良くないかも。
変身中はまだしも、平常時に服は濡らしたくないな……。
そんな不安を打ち消すみたいに、突然隣から暖かい熱が伝わってきた。

「……大丈夫だ。お前のおかげで、さっきみたいなことにはならねえよ。……ウチには、これくらいしかできねえからな」

人差し指の先に、マッチくらいの小さな炎を灯してるさっきの子が隣にいた。
わあ……さっきまでの炎と違って、この灯火はなんだか温かい。

「……!ありがとう! えっと……」

そこで初めて、彼女の名前をまだ知らないことに気づいた。
えっ、あれだけのことした後なのに!?
いつもなら依頼人が訪ねてきて事情を聞くところから始めるから、すっかり忘れてた!

「……紫藤アリサだ。歳は15。見ての通り【発火】の【魔法】が使える」

「よろしく!わたし、明智あんな! ……あっ、今はキュアフレンディだった!?」

それだって借りてる名前だろ、とジェット先輩にツッコまれる。
わかってるけど、わかってるけど今は変身してるでしょ!?
って、そんなことより急いで雨よけしないと!
慌てて、一番近い建物の入り口へ向けて走り出した。



「本当に、調子の狂うやつだな……同じ探偵を名乗ってるくせに、橘とは全然違う」





【明智あんな@名探偵プリキュア!】
[状態]:熱と煙で軽症、キュアフレンディに変身中
[装備]:ワンダフルパクト(フレンディver)@わんだふるぷりきゅあ!、プリキットミラールーペ(アンサーver)@名探偵プリキュア!
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:名探偵として、みんなを助けて事件を解決する!
1:殺し合いなんて、絶対ダメ!
2:みくるもいるなら、早く合流しないと!
3:アリサさんのこと、助けられたみたい!……本当に、よかった
[備考]
※少なくともキュアエクレールが誰なのか知っている時期からの参戦です
※ワンダフルパクトでキュアフレンディに変身しています
※【魔女】と【魔法】については、この後ジェット先輩と一緒にアリサから軽く説明を受けます


【ジェット先輩@名探偵プリキュア!】
[状態]:健康
[装備]:ジュエルキュアウォッチ&プリキュアマコトジュエル×2@名探偵プリキュア!
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:あんなと一緒に殺し合いを止める
1:みくるがいたら真っ先に合流したいけど、そう上手くいけば苦労しないよな
2:あんなが無茶するようだったら、ちゃんと止めないとな……さっきので再認識した
3:アリサ、っていったっけ……【魔法】なんて初めて聞いたな
[備考]
※少なくともキュアエクレールが誰なのか知っている時期からの参戦です
※【魔女】と【魔法】については、この後あんなと一緒にアリサから軽く説明を受けます


【紫藤アリサ@魔法少女ノ魔女裁判】
[状態]:健康、魔女化の進行(極小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]:ひとまず明智と一緒に行動する
1:ウチのやることは基本、牢屋敷ン時と一緒だ
2:流石に、明智に恩ぐらいは感じてる
3:虫眼鏡持った探偵、ってとこは同じくせに……橘よりも、桜羽みてぇなヤツだな
4:こいつと一緒なら魔女化も……いや、そう簡単に行くわけねーよな
※魔女化がかなり進んでいたタイミングから参戦です
※牢屋敷から、別の殺し合いの場所に再度攫われたストレスが決定打となり、更に魔女化の進行が進んでいました
※キュアフレンディの浄化によって、魔女化の進行度が初期状態に近いところまで戻っています(今後魔女化しないというわけではありません)




【ワンダフルパクト(フレンディver)@わんだふるぷりきゅあ!】
犬飼いろはのワンダフルパクト。キュアフレンディの変身に使用する。
現在は明智あんなが使用。

【プリキットミラールーペ(アンサーver)@名探偵プリキュア!】
アンサーとミスティックの使うプリキットのひとつ。ジェット先輩が伝説のアイテムを再現したもの。
キュアアンサー用のマコトジュエルとセットのため、おそらくアンサー用のものが支給されている。

【ジュエルキュアウォッチ&プリキュアマコトジュエル@名探偵プリキュア!】
名探偵プリキュアのふたりが、キュアアンサーとキュアミスティックに変身するためのアイテム。
アンサーの変身用ジュエル、ミスティックの変身用ジュエルがそれぞれのウォッチとセットになっている。







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最終更新:2026年08月03日 22:17