アットウィキロゴ

『善悪の彼岸』


(キャラ) 伊集院茂夫、下江コハル、白井雪姫に「よっしゃ今からパコろーぜ」と言って誘拐しようとした暴漢





それは単純な暴力ではない。
単純明快な、嬲りであり、拷問である。
殴打、殴打、殴打。ーーその引き締まった肉体から放たれる一撃は骨が拉げ、肉を抉る。

「ぎゃあああああああああああ!」

今この時暴力の放流に呑まれようとしているのは、なんの同情の余地もない『純粋悪』の暴漢
苛立ちのままに最初に出会った少女を襲い、『パコ』ろうとして。
そのような邪悪を許すことのない『外道を狩る外道』にその光景を見られたのが運の尽き。
あの時のように王子様ぶった輩だと返り討ちにしようと手に持ったナイフで始末しようとし、一瞬で無力化された。
襲われた少女にその『外道を狩る外道』は「今のうちに逃げ給え」と告げ、彼女が逃げたのを見届けたあと。
その後にこそ始まったのは圧倒的な暴力による「拷問」だ。

「ご、ごべんなざっ、ゆる、ゆるじっ」

もやは顔の原型が見えないほどに破壊される寸前の暴漢だが、その言葉の裏ではどうやって出し抜き殺すか。
屈辱と憎悪をマグマのように滾らせ、機会を狙っている。背中にナイフを隠し、チャンスを見定めている。
これが普通の一般人相手なら多少なりとも効果的だったのかも知れない。だが

「外道の戯言はもう聞き飽きている」
「あぎゃああああああああああああああああああああ!?」

全てを見抜いていたその『外道を狩る外道』はいとも容易く、隠し持っていたナイフを持つ手をへし折る。

「気紛れで誰かを遅い、毒牙に掛けようとする輩に慈悲などいらん」
「か、かひゅ……」

すでに暴漢は折れている。それでも死にたくないという恐怖の眼差しに意味はなく。

「今からお前がそうやってきた被害者のように、それ以上の目に貴様は遭うのだ。せいぜい楽しめ?」
「あ、ひゃ、あびゃ…ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!?」

最後に暴漢の悲鳴だけが数分ほど鳴り響いたあと、外道にまた一人裁きの罰が下った。





【白井雪姫に「よっしゃ今からパコろーぜ」と言って誘拐しようとした暴漢@パジャマな彼女。 死亡】







ーー私の名前は伊集院茂夫。
つい先ほど、か弱き少女を襲おうとした外道を始末した拷問ソムリエだ。
森口という教師、命の授業を題して罪無き者共に殺し合いを矯正させる外道。
あれは生かしてはおけん。

私がそう誓い、最初に流川くんが巻き込まれていないかの確認をしようとした時に、暴漢に狙われている少女を見つけ。彼女を逃がした後に反省も更生の余地ない外道はこの手で始末した。
殺し合いこそ人間の本性が出ると誰かが言いそうだが、結局のところ追い詰められた時にでるのは追い詰められた時の姿だけだ。
最も、あの外道は殺し合いに巻き込まれなくともゲスである事には何ら変わりはなかったようだがな。

「あ、あ、あのっ……」
「もう大丈夫だ。今、君を襲おうとする輩はもういない」

外道の始末をした後、まだそこまで離れていなかったであろう彼女に言葉を掛けた。
背丈からは中学三年程のように見えるが、目を見張るのは背中の小さな翼だ。
今まで人体を自分好みに改造しようとする外道を何人も始末してきたが、これはその手の外道がやったとは思えない自然的なものを感じる。
鳥人というオカルトを鵜呑みにするつもりはないが、現実としてこういうものを見せつけられては、彼女はそういう生き物であると信じる他しかない。





「ど、どうして、あんなこと、し、したの……?」

怯えるように、その上で意地を張るような様子で私に声を掛けた。
私の風貌が恐ろしいものに見えたというのなら、先ほど襲われた恐怖がまだ残っているのだろう。
いや、そうではない。
彼女は私があの外道を殺したことを、知っていたのだ。
あの外道の大声で悟られたのもあるが、もしや彼女は一度は逃げたが私のことが心配で隠れながらも戻ってきたのだろうか。
ならば私は彼女への評価を改めなければならない。

「……君は、優しいのだな」
「……」

いつか、見られても仕方もない事やっている。
いつ来るのが、今になっただけのこと。
その上で、私に対して偏見を持たず、尋ねようとしている。
彼女は、知ろうとしている。そして向き合おうとしている。

「私は、罪無き者を踏みにじった外道どもを、踏み躙られた者たちの嘆きを受け止め、その願いを受け外道を始末している」
「……!」
「ショックを受けても仕方もないことだろう。だがここで誤魔化した所で君に余計な恐怖を植えつけかねないと思ったからだ」

ならば、私もそんな少女の心意気に答えなければならない。
外道を狩る外道として、己のやったことが逃げることな万死に値する。

「だが、この世に蔓延る外道はそういうものだ。人を人と思わず、己の欲望と享楽のためだけに罪のない人々をその心諸共踏みにじる」

私もまた、あり方違えど外道の類だ。
外道を殺すために外道を為す。
人々の嘆きや怒りに貴賤はない。それらを受け止め、悲劇を引き起こした外道に然るべき報いを与える。

「私は、その零れた嘆きを救い、その無念を晴らす。例え己が外道になろうとも、例え外道たる報いを受け絶望の中で狂死しようとも」

私という外道が死後堕ちるべき場所は決まっている。
無間など生塗いものが待っているのは覚悟の上だ。

「ーー私は私という命が尽きるまで、数多の外道を滅ぼすだけの話だ。それで誰かの嘆きが晴れ、前に進めるようになれば十分だ」

私という、伊集院茂夫という人間はそれでいい。
後悔など、何もない。
だが、私の語りに思わず、少女が恐怖の表情を見せているようだった。
軽く思いの丈を語ったせいなのか、その空気で怖がらせてしまったのなら申し訳ない気持ちは少しある。

「わ、わたし………。わたし、バカだから……あんまり、よく、分からないけれど」

だが、私の予想を超えて、彼女が吐いた言葉は。

「で、でもっ。仮に、あなたがそうしないと行けない理由があるのが分かったとしても……!」

私の話を聞き、その意志を彼女なりに理解した上で。




「ーーでも、人を殺すのは、いけないと思うから!」
「どんな理由があっても、ダメなことはダメだって、間違っていることは間違っているって……!」
「罰は受ける必要があるがあって、そうだとしても……!」

……私に対して、彼女はそう告げたのだ。
拷問ソムリエとして、私の意思の硬さを知っている者は多い。
私に対して、生半可な綺麗事など通用しないことは、初対面である彼女も察してはいるだろう。
先ほど外道に襲われたのだから、なおのこと。

「……間違っている事に、私は目を背けたくないの!」

彼女は余りにも、純粋だなのだ。
現実の残酷さを知らないわけではない、自分の弱さを自覚して。
私という人間に対し、分かった上でその台詞を吐くということを。
彼女は、それだけは譲りたくないのか。
たった一つ誇れるもの、たった一つ曲げてはいけないものの為に。
もしくは、だからこそ、なのだろうか。

「君はーーーーー」

私の口が、言葉が止まってしまった。
私が疾うの昔に捨ててしまったもの。
外道の血と屍肉の匂いに塗れた自分では、到底手にすることはないもの。
だが、それを貫くということは、即ちーー





「……………君は」
「ふぇ、え……?」
「君は、君を正しく見て、守ってくれるものと一緒にいるべきだ。その時が来るまで、君の安全は約束しよう」
「え、あ……、あり、がとう……」

ーー命の授業。森口という女はそう言ったか。
彼女の意思の強さは『命の授業』にうってつけの人材なのだろう、反証と言う意味では。
だからこそ、私は尚更森口という女を許すわけにはいかなくなった。

「下江、コハル。名前、言ってなかった」
「……それが君の、名のだな。コハルくん」
「……うん」

関わるべきではない彼女を、関わらせてしまった。
私がその責任はいつか取らざる得ないとしても。
いつか彼女の在り方と私の在り方が致命的な対立に至ることになったとしても。

(貴様に生温い死など与えんぞ、森口)

この拷問ソムリエ、伊集院茂夫。
ーー例えこの身が朽ち果てようとも、森口(キサマ)という外道の一切の全てを許すつもりはない。


【伊集院茂夫@ヒューマンバグ大学】
[状態]:健康、森口に対する怒り(極大)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]:この殺し合いを開いた外道(森口)は必ず殺す。例えこの身が朽ち果てようとも
1:下江コハルを信頼できる人間に出会えるまで守る。
2:彼女は、本来なら私のような人間と関わるべきではない。だからこそ、関わらせてしまった責任は取る

【下江コハル@ブルーアーカイブ】
[状態]:健康、殺し合いに対する恐怖(小)、確固たる信念
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]:殺し合いになんて乗りたくない。人を殺さないといけないなんて間違ってる。
1:この人(伊集院茂夫)、悪い人だけど悪い人じゃない……? でも何だか、ちょっと先生みたいな……
2:ヒフミやみんなは無事なの……?






>TOP

最終更新:2026年08月03日 23:32