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『韓流祭』


(キャラ)オ・チェリン、鬼塚竜、イ・ヨンセン、水篠旬




 静寂に包まれた裏路地に怒声が響いた。
「ふざけんなッ!!」
 鬼塚竜は片手にナイフを握り締めながら叫んだ。
 見知らぬ場所だった。
 そして首には首輪が装着されている。
 数十分前まで高校生としての日常を送っていたはずなのに、気付けばこんな場所へ連れて来られていた。
「殺し合いだぁ? 頭おかしいんじゃねえのか!」
 怒鳴り声が木々の間に響く。
 鬼塚竜は元々短気で粗暴な性格だった。
 学校では不良として知られ、自分より弱い人間を見下していた。
 特に同級生だった恭弥に対しては執拗ないじめを行っていた。
 しかしある時から状況が一変する。
 恭弥はまるで別人のように強くなり、鬼塚を容易く返り討ちにするようになったのだ。
 それ以来、鬼塚の人生は上手くいかなくなった。
 復讐しようとしても失敗。
 不良仲間を利用しても失敗。
 怒りだけが積み重なっていった。
 そんな時に巻き込まれたのがこのゲームだった。
「出てこいよ主催者!! ぶっ飛ばしてやる!!」
 その瞬間だった。

 ――パンッ!
 乾いた音が森に響く。
「……え?」
 脇腹に激痛が走った。
 鬼塚はよろめきながら地面に膝をつく。
 制服が赤く染まっていく。
「がっ……!」
 血だった。
 自分の血だった。
 何が起きたのか理解できない。
 だが木の陰から現れた女の姿を見て理解する。
 撃たれたのだ。
 目の前の女に。

 女――オ・チェリンは震える手で拳銃を握っていた。
 彼女は本来ならば人を殺すような女性ではない。
 裕福な家庭で育ったお嬢様。
 美貌に自信を持ち、勝気でプライドが高い。
 高校時代から初恋の相手であるチュンサンを想い続けていた。
 しかし想いは届かず、彼はユジンに惹かれていく。
 チェリンはその現実を受け入れられなかった。
 やがてフランス留学から帰国し、チュンサンに瓜二つのイ・ミニョンと恋人になる。
 だが運命は残酷だった。
 再びユジンとミニョンが心を通わせていく。
 チェリンは嫉妬し、様々な策略や嫌がらせを行った。
 それでも全ては失敗した。
 思い通りにならない現実だけが残った。
 そんな彼女に訪れたのが、この殺し合いだった。
 優勝すれば願いが叶う。
 その言葉は彼女の心を大きく揺さぶった。
 人生をやり直せるかもしれない。
 だから彼女は決断した。

「近付かないで!」
 チェリンが叫ぶ。
 鬼塚は血を流しながら立ち上がった。
「テメェ……!」
 怒りに満ちた目。
「殺す……!」
 鬼塚は不良として喧嘩慣れしていた。
 素手なら一般人相手に負けることは少ない。
 だが今は違う。
 鬼塚の武器はナイフ。
 チェリンの武器はハンドガン。
 距離がある限り勝負にならなかった。
 鬼塚が走る。
 チェリンが引き金を引く。

 ――パン!
 ――パン!
 ――パン!
 ――パン!
 ――パン!

 銃声が連続した。
 鬼塚は前へ進もうとする。
 しかし二発が腹部に深く命中した。
「ぐっ……!」
 力が抜ける。
 ナイフが落ちる。
 膝が折れる。
「ふざけ……んな……」
 最後まで怒りだけを残して。
 鬼塚竜は地面に倒れた。


【鬼塚竜@ゴッド オブ ブラックフィールド 死亡】

 チェリンはその場で立ち尽くした。
 人を殺した。
 その現実が胸に重くのしかかる。
 だが彼女は目を逸らした。
 生き残るためだ。
 願いを叶えるためだ。
 そう自分に言い聞かせる。
 そして森の奥へ消えていった。

 その一部始終を見ていた人物がいた。
 物陰に隠れているのはイ・ヨンセン。
 彼女は宮廷女官として生きてきた女性だった。
 親友チャングムと共に数々の困難を乗り越えてきた。
 普段は気弱で頼りなく見える。
 しかし大切な人のためなら勇気を振り絞れる優しい女性でもあった。
 そんな彼女に殺し合いなどできるはずがない。
「ひっ……」
 体が震える。
 ヨンセンはハンドガンという物を知らない。
 だが一つだけ分かる。
 人が殺された。
 目の前で。
 恐怖が全身を支配した。
 動けない。
 立ち上がれない。
 ただ膝を抱えたまま震えることしかできなかった。
 その時だった。
 遠くから足音が近付いてくる。

 やがて森の奥から現れたのは一人の青年だった。
 水篠旬。
 最低ランクであるE級ハンターの中でも特に力の弱い覚醒者、人類最弱兵器。
 彼もまた、このゲームの参加者だった。
 銃声。
 殺し合い。
 慎重に周囲を確認しながら進む。
 そして彼は見つけた。
 地面に倒れる死体を。
 腹部には銃創。
 周囲には大量の血。
 戦闘の痕跡。
 既に始まっている。
 その事実を理解するには十分だった。

 風が吹き抜ける。
 物陰ではイ・ヨンセンが息を殺して震えている。
 オ・チェリンは裏路地の奥へ姿を消した。
 そして鬼塚竜は犠牲者となった。
 バトルロワイアルは、まだ始まったばかりだった。


【オ・チェリン@冬のソナタ】
[状態]:健康、精神的動揺(軽度)、初めて人を殺したことによる罪悪感と緊張
[装備]:ハンドガン
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:優勝して願いを叶える
1:他の参加者を殺す

【イ・ヨンセン@宮廷女官チャングムの誓い】
[状態]:極度の恐怖、精神的混乱、軽い過呼吸
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:とにかく安全な場所へ逃げたい
1:人を殺したくないし、殺されたくもない
2:先ほどの女性(オ・チェリン)が怖い
3:誰か信頼できる人を見つけたい

【水篠旬@俺だけレベルアップな件】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:この男(鬼塚竜)を殺した参加者の存在を警戒
1:まずは情報を集める





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最終更新:2026年06月17日 22:43