『女帝と文官』
(キャラ)天子、ミン・ジョンホ
少女は一人だった。
見知らぬ夜の街に。
高くそびえる建物の谷間に。
眩しいほどの光が溢れる道路の上に。
「ここは……どこなのですか……?」
震える声が漏れる。
蒋麗華。
中華連邦の女帝。
人々からは天子と呼ばれる少女だった。
しかし彼女自身は、自分が女帝であるという実感をほとんど持ったことがない。
中華連邦という巨大国家の頂点。
本来ならば絶大な権力を持つ存在。
だが現実は違った。
実際に国を動かしていたのは大宦官たちである。
天子はその象徴。
飾り。
国民へ見せるための存在に過ぎなかった。
幼い頃から朱禁城で育った。
外へ出たことはない。
知っているのは窓から見える空だけだった。
そんな彼女にとって唯一の希望があった。
「星刻……」
天子は胸元を押さえた。
「星刻どこですか」
黎星刻。
幼い頃から彼女を支えてきた武人。
永続調和の契りを交わした相手。
天子は今でもその約束を大切にしていた。
彼なら助けてくれる。
彼なら守ってくれる。
そう信じている。
だがどこにもいない。
「星刻……」
返事はない。
不安が大きくなる。
首には爆発する首輪。
天子は今まで死を身近に感じたことがなかった。
だからこそ恐ろしかった。
少女は途方に暮れる。
右へ行く。
また戻る。
左へ行く。
立ち止まる。
まるで迷子の子供だった。
「星刻……」
今にも泣き出しそうになる。
その時だった。
「失礼」
背後から声が響いた。
「ひっ!」
天子は飛び上がった。
慌てて振り返る。
そこには一人の男が立っていた。
整った顔立ち。
落ち着いた雰囲気。
腰には環刀。
武人を思わせる姿だった。
だがその眼差しには敵意がない。
「申し訳ありません」
男は静かに頭を下げた。
「驚かせるつもりはなかったのですが」
その所作は洗練されていた。
天子は少しだけ安心する。
男は続けた。
「私はミン・ジョンホと申します」
それが二人の出会いだった。
ミン・ジョンホ。
朝鮮王朝の若き官僚。
若くして科挙へ合格した秀才だった。
本来は文官である。
しかし武芸にも秀でていた。
文武両道という言葉が最も似合う人物だった。
さらに人格者でもある。
弱者を守る。
理不尽を許さない。
信念のためなら権力者とも戦う。
そんな男だった。
そして彼の人生を変えたのが一人の女性だった。
ソ・ジャングム。
命を救ってくれた恩人。
流刑になった彼女を支えるため、自ら済州島赴任を願い出るほど深く想っていた。
「大丈夫です」
ジョンホは穏やかに言った。
「私はあなたを害するつもりはありません」
天子は少しずつ落ち着きを取り戻していく。
二人は近くのベンチへ腰掛けた。
そして事情を説明し合う。
「星刻という方を探しているのですね」
「はい」
ジョンホは微笑む。
大切な人なのだろう。
それがすぐに分かった。
「もしその方もここへ連れて来られているなら」
ジョンホは言う。
「私も探すのを手伝いましょう」
天子の目が大きく開いた。
「本当ですか?」
「ええ」
ジョンホは頷く。
天子は思わず目を潤ませる。
知らない場所。
知らない世界。
その中で初めて差し伸べられた手だった。
「ありがとうございます……」
小さな声で礼を言う。
ジョンホは静かに微笑んだ。
同時に彼自身も考えていた。
この会場には自分の知人もいるのではないか。
もしそうなら必ず探し出したい。
特にチャングムだけは。
何があっても。
ジョンホはそう決意していた。
「参りましょう」
立ち上がる。
天子も続く。
「はい」
二人は歩き出した。
大切な人を探すために。
そして殺し合いを生き抜くために。
【ミン・ジョンホ@宮廷女官チャングムの誓い】
[状態]:健康、冷静
[装備]:環刀
[道具]:基本支給品一式、デイパック、不明支給品×1~3、スマートフォン
[思考]:殺し合いには乗らない
1: 天子を保護する
2: この会場に黎星刻がいるなら天子と再会させる
3: チャングムが参加しているなら必ず守る
【天子(蒋麗華)@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康、不安
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、デイパック、不明支給品×1~3、スマートフォン
[思考]: 黎星刻に会いたい
1:ジョンホについて行く
2:殺し合いはしたくない
最終更新:2026年06月23日 20:24