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『本物の海賊』


(キャラ)エンシン、ウソップ



 ウソップは混乱していた。
 当然だった。さっきまでゴーイング・メリー号の甲板にいたはずが、気づけば見知らぬ街の真ん中に立っている。
 シロップ村を出航したのは、ついさっきのことだった。クロネコ海賊団を倒し、カヤを守り、ウソップ海賊団の仲間たちに見送られてルフィたちと共に新しい海へ漕ぎ出した、その直後だった。
 気づけば見知らぬ街の真ん中に立っている。夜だ。街灯が並んでいる。建物は見たこともない形をしている。人の気配が、まるでない。
 「な、な、な……なんだここは!?」
 デイパックが足元に置いてあった。中を漁ると、パチンコと使い慣れない形の小道具がいくつか。それから、見たこともない板状の光る物体。
 首に触れると、固い輪がある。
 「な、なんだこれ……外れない……!」
 膝が笑っている。手が震えている。
 落ち着け、落ち着け、俺はウソップだ。麦わら海賊団の狙撃手だ。ルフィの仲間だ——
 そうだ。俺は海賊になったんだ。
 その事実が、わずかに足を踏み止まらせた。
 足音が聞こえたのは、そのときだった。
 ひょろりとした細身の男が、路地の角から現れた。着崩した服。だらりと垂れた舌。細い目が、ウソップを一瞥して、特に興味もなさそうに細くなる。
 「……獲物か」
 ぽつりと言った。
 「お、お前は何者だ!」
 ウソップは精一杯の声を張った。

 男——エンシンは、元々は南方諸島を荒らし回っていた海賊だった。ワイルドハントにスカウトされる以前から、欲望の赴くままに暴れ、奪い、生きてきた男だ。帝具「月光麗舞シャムシール」を手に入れてからは、その凶暴さに磨きがかかった。疑い深く、享楽的で、自分の利益以外に興味がない。今夜のゲームも、チャンスとしか思っていなかった。
 ウソップは震える足に力を込めた。
 「俺はウソップ!麦わら海賊団の一員だ!」
 声が裏返りそうになるのを堪えて、続ける。
 「海賊ってのはな勇敢な海の戦士だ!どんな強敵にも立ち向かって、仲間を守って、自由に海を渡る——それが海賊ってもんだ!」
 精一杯だった。震えながら、それでも胸を張って言えた。
 エンシンは、一瞬だけ黙った。
 それから腹の底から笑った。
 「はははっ、勇敢な海の戦士!」
 舌をひと舐めして、細い目をさらに細める。
 「よく言えたもんだ、ガキが。海賊ってのはな、奪って、犯して、好き勝手に生きる連中のことだ。勇敢?自由?そんなもん飾りだ。強い奴が弱い奴から奪う。それだけだ」
 「ち、違う!海賊は——」
 「綺麗事ぬかしてんじゃねえよ」
 エンシンの声から、笑いが消えた。
 「教えてやるよ。本物の海賊ってのを、な」
 シャムシールが閃いた。
 ウソップが反応する間もなかった。パチンコを構える暇もなかった。
 一瞬だった。
 アスファルトに、ウソップの体が崩れ落ちた。
 ——もっと、冒険を、してたら……
 意識が遠のく中で、ぼんやりとそう思った。ルフィと共に、もっと海を渡って、もっと強くなって、もっと仲間と戦って——そうしていたならきっと違ったはずだった。

【ウソップ@ONE PIECE 死亡確認】

 エンシンは刀を払って、踵を返した。
 この島には、まだたくさん獲物がいるはずだ。
 夜風が吹いた。
 エンシンは歩き出した。

【エンシン@アカメが斬る】
[状態]:戦意旺盛・獲物を探索中
[装備]:月光麗舞シャムシール
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:享楽のためにゲームを利用する。
1:手頃な獲物を求めて徘徊する。






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最終更新:2026年06月25日 20:24