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『MISSON START』


(キャラ)ツメゲリ部隊、T-1000




『殺し合え』。そう言われた者達が、得体の知れない場所へと放り込まれた、そう暫くの時間も経たない頃。小学校の校長室に屯する四人の男が居た。

 「あの女…一体何者!?」

 「クロコダイルの手先か!?」

 「いや…この首輪は…天竜人……」

 「そんな事はどうでも良い!今優先すべき事は」

 「「「「国王陛下とビビ様の安否!!」」」」

 男達の名は“ツメゲリ部隊”。“偉大なる航路(グランドライン)”に存在する、砂漠の王国アラバスタの六十万の国軍の中から選び抜かれたエリート部隊。
 余す所なく鍛え抜かれた屈強な巨躯を誇り、身に付けた武技が衆人を寄せ付けぬ事は、纏う威風が言葉も行動も必要とせずに知らしめる。
 彼等四人は、王下七武海の一人であり、アラバスタ王国の英雄であった、サー・クロコダイルによる王国転覆の陰謀を知り。
 クロコダイルに誅滅の刃を下さんと急いでいる最中に、この事態に巻き込まれたのだった。
 必然として、クロコダイルの意志が絡んでいると疑うのも、当然の事ではあった。
 まぁ当のクロコダイルからは認識すらされていないという事は、ツメゲリ部隊面々の預かり知らぬ事ではある。
 兎も角。ツメゲリ部隊の四人は、何よりも優先して守護するべき対象である、ネフェルタリ・コブラとネフェルタリ・ビビの両名。そしてアラバスタの民を捜索するべく校長室を出たところで、敵に襲われた。
 踏みしめた床から、冷たく硬い、金属の光沢を持つ杭が伸び、先頭に居たヒョウタの股間から脳天までを貫いた。

 「「「ヒョウタ!!?」」」

 頭頂部から突き出た、ヒョウタ自身の脳漿をこびり付かせ、鮮血で赤く染まった杭。串刺し刑にされた罪人の様に、血染めの杭に支えられたヒョウタの全身が激しく痙攣し、直後に脱力して動かなくなった。

 「「「!?」」」

 ヒョウタの生命をいとも呆気なく奪った杭が、まるで水の様に床へと溶け込み、支えを失ったヒョウタの身体が床へと崩れ落ちる。

 「ウオオオオオオオオオ!!!」

 ヒョウタの凄惨な死に激昂したアローが猛進し、ヒョウタの近くの床へと拳を振り下ろす。
 硬く鈍い音と共に床が砕け、周囲にコンクリートの破片が飛び散るが、アローの拳に敵を捉えたという手応えは無く。

 「「!?」」

 残る二人が見守る前で、壁から伸びた刃に首を断たれ、アローの頭部が宙を舞う。

 「「悪魔の実!?」

 この事態に於いて、二人の脳裏に浮かんだのは、食した者がこの世の条理では有り得ぬ不可思議な能力を持つに至る不思議の果実。“悪魔の実”。
 成る程。悪魔の実を食した能力者に襲撃されているのであれば、この事態も説明がつくという物。
 ならば敵う相手ではない。怨敵であるクロコダイルが相手ならばいざ知らず。何処の誰とも知れぬ相手とあっては、迷う事無く逃走を選択する。
 コブラやビビが、この怪物を知る事が無いまま、不意を突かれて殺されることだけは、なんとしても避けねばならなかった。 
 残る二人は即座に跳躍。窓を打ち抜いて外へと飛び出す。此処は三階ではあるが、アラバスタ国軍のエリートであるツメゲリ部隊には、問題のない高さだった。
 静寂に支配された渋谷の空に、鈍く重い音が轟いた。
 音と同時。ガラスの破片が舞い飛ぶ中、地面へと降下する二人の胸が肉片の混じった鮮血を噴き出す。
 空中で姿勢を乱し、無様に顔身体落下した姿は、エリートの名に相応しく無いものの様に見えたが、背中と胸部から派手に噴き出す鮮血を見れば、誰もが仕方がないと思うだろう。

 「…グ……あ…」

 「な…にが……」

 痛みと出血を、鍛え抜いた肉体と意志の力で堪えて、立ち上がろうとした処へ、再度響く音。
 耳聡い者ならば、音は一つでは無く、二つの音が完璧に重なった結果、一つの音として聞こえたのだと気づいただろう。
 二人の後頭部に穴が開き、眉間から派手に血と脳漿が噴出する。
 自身の血と脳漿の中に顔面を突っ伏した二人は、二度と動く事は無かった。

 【ツメゲリ部隊@ONE PIECE 全滅】


これは一体どういう事なのだろうか?
 血溜まりと死体の転がる校舎の中で、アメリカの警察官の姿をした男は、一人思索に耽っていた。
 一人?それは正しくは無い。正確には一体というべきその男の名はT -1000。
 スカイネットが統括する機械軍を敗北へと追いやるジョン・コナー抹殺の為に未来より送り込まれ、過去の時代で指令を遂行するべく活動していた自律兵器。
 それが、何故かこの様な場所に居た。
 少なくとも、ここはアメリカでは無い。T-1000が送り込まれた時代には、時間はおろか空間を越える技術も無い。
 にも関わらず、T-1000はアメリカから此の場所へと引き摺り込まれていた。
 生命を持たぬ存在が、命の授業に呼ばれている。
 この理不尽を糾す者は、生憎と存在していなかった。今のところは。

 「…………」

 彫像のように静止していたT-1000が動き出す。
 あの女は危険だ。
 判る事は、たったこれだけ。
 何が出来るのか?如何なる存在なのか?ジョン・コナーと異なり、全貌が全く不明の存在である。
 ただ一つはっきりしているのは、あの女の危険性は、ジョン・コナーを凌駕すると“現時点で”断言できるという事。
 あの女に関する全容が明らかになった時、どれ程の脅威となるのか推測すら出来なかった。
 場合によっては、人間達の中に入り込み、協力し合う事で、あの女の抹消(ターミネイト)を行う事になるかも知れない。

 「……………」

 自動小銃。散弾銃。重機関銃。火炎放射器。校舎の外へと歩き出すT-1000の両腕が、目紛しく変化を遂げる。
 支給品として与えられた品を、近くで騒いでいた四人を始末する際に試してみたが、効果は思いも依らない程に上々なものだった。
 ネックで有った遠距離攻撃を補う事が出来る便利なオプション機能として、集められた人類を屠るのに役立ってくれる事だろう。


 心も命も持たない機械が、命の授業に参加する。



【T-1000@ターミネーター2】
[状態]:正常 ブキブキの実
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:あの女(森口悠子)の抹殺

 1:ジョン・コナーが居れば最優先で殺害





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最終更新:2026年06月28日 14:44