第二十話 朽ち果てた星空
光李「なんなのよ、こいつら」
{らー、らららー、らーらーららー}
上空や海上に、謎の立方体が浮かんでいる。
眞之先輩は、あの中のどれかが撃った槍に体を貫かれ、そのまま連れて行かれた。
月夢「<彗星>!」
海の敵を一斉攻撃する。
しかし、ほとんどの攻撃が弾かれ、破壊できたのは100以上の中の3だけだった。
これじゃ、魔力がいくらあっても足りない。
ゆら「まさか・・・・こんなものを持ち出すなんて・・・」
一人だけ、この立方体に見覚えがあるうな反応をしていた。
光李「あれ、知ってるのか?」
会長の質問にたいして、ゆらさんは小さくうなずいた。
ゆら「あれは、捕獲用の『ノック』という戦艦です。あの槍に貫かれると、体中に毒が回り、一瞬で一切の身動きが取れなくなります」
真「じゃあ、眞之は・・・」
ゆらさんが小さく首を横に振った。
ゆら「おそらく、もう自力で体を動かすことはできないでしょう・・・」
真「そんな・・・」
真さんは地面にひざを着いて崩れ落ちた。
月夢「危ない!!」
その瞬間、また槍が放たれた。
それをハンドガンで撃ち落す。
月夢「守りたい・・・私だって、みんなを守りたい!」
手が熱に包まれる。
焼けそうなぐらいに熱い。
けれど、そんなことは気にならなかった。
月夢「守りたいんだ。みんなを、守りたいんだ!」
そう言ったときには駆け出していた。
光李「月夢!」
水面を走っていく。
月夢「<ライトサボタージュ>」
近くにあったノックを思いっきり殴る。
すると、反対側の面で壁が崩れるような音と、海の中に何かが落ちる音。
これは、相手を攻撃したときに、反対側へと衝撃が走り、相手の背骨や、肋骨を折る技である。
言ってしまえば、「相手の内側を破壊する」のである。
月夢「うああぁぁぁぁ!!」
◇橋◇
雪鎖「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
過度なEN消費によって、精神と肉体に負荷がかかってしまったようだ。
頭痛と眩暈が襲う。
{お疲れ}
エルソードとM.DEFENDERを解除する。
雪鎖「けが人はいないか?」
一通り見回すが、それらしい人はいなさそうだ。
桜「大丈夫。けが人はいなかったよ」
雪鎖「よかった・・・」
頭痛と眩暈はだいぶ治まってきた。
雪鎖「<EN吸収>」
周りに散らばっているENを吸収する。
消費したENのいくらからは、攻撃のときに周囲に散らばることがある。
茨『さて、行くか』
雛菊『慌てなくてもいいんじゃない?』
茨さんと雛菊さんが俺の中で喋っている。
雪鎖「どうする?行くか?」
さゆり「食料とかって、ありますかね?」
雪鎖「一応、食材は買ってきたから、少しはありますが」
この人数だと、持って2週間ぐらいか。
もう少し買ってきたほうがいいかな?
茨さんと雛菊さんも食べるかな?
茨『俺達の分は気にしなくてもいいぞ。食わなくても死にはしない』
雪鎖「まじですか?」
雛菊『はい』
・・・
雪鎖「わかりました」
すこし引っかかるが、大丈夫だろう。
本人がああいってるんだし。
後ろを振り向く。
そのとき──
雪鎖「!?」
一瞬、視界がホワイトアウトした。
足元が少しふらつく。
何だ、この寒気は・・・
??「ククククク・・・」
突如、何処からとも無く聞こえてくる笑い声。
雪鎖「誰・・・だ・・・」
椿月「どうもどうも、雪鎖さん」
声のするほうをみると、蟷螂が敵だと言っていた、椿月がいた。
雪鎖「まさか・・・」
これは、毒・・・なのか・・・。
椿月「すぐに楽にしてあげますよ。 あなたのENは、もうほとんど残っていないですから」
視界が歪んでくる。
すでに、自分の足では立つことすらままならない。
桜「雪鎖!?」
すぐそばで、桜の声がする。
頭が、痛い・・・。
寒気が、眠気へと変わっていく。
雪鎖「き・・・さ・・ま・・・」
椿月は、こっちに向って大型の狙撃銃を構えていた。
その標的は、もちろん、俺だった。
椿月「さようなら。仲間になってもらえなくて、残念です」
その刹那、響き渡った銃声とともに、左胸のあたりから激しい痛み。
同時に、意識は完全に闇と同化していた。
最後に見えたのは、星空に瞬く、無数の星だった。
NEXT・・
最終更新:2012年02月12日 18:36