ニギメダナ-參話『入部』


 ヤンは私の唯一無二の親友である。本名はヤン・ヒョンウという。
彼は、私が中等学校二年生の時に私の通っていた地元の中等学校に転校してきた。
同じ学級であり、同じ海苔養殖の家だということで我々は意気投合した。
中等学校に入ってずっと一人であった私にヤンという友人が出来たのは嬉しいことであった。
 彼はかなりの生物オタクであった。特に海水魚の知識に関しては群を抜いており、
海苔の養殖場へ行く途中の船の上では、海中を覗いて
「あれはケイロジョングオ、あれはジングボク、あれはジンボミ。あれはサグガジャミ・・・」
などと呟いていたことを思い出す。
              ◆
 「あれ、チャグルじゃん。海苔倶楽部入りたいの?」
「ヤンこそ何でいるんだ」
「言ってなかったっけ、俺の兄ちゃんはここの部長なんだ」
「え!?」
 そうして長い前髪を真ん中で分けている眼鏡の男が現れた。
まさか彼がヤンの兄だったとは。
「海苔倶楽部の入部希望者はお前だけか?」
「あ、はい」
「そうか。今年は二人だけか。まあ去年は一人も居なかったからな」
「あの、ヤンのお兄さんなのですか」
「ああ。そうだ。俺はヤン・ヒョウス。海苔倶楽部の部長だ」
 その後少しやりとりしてから私は海苔倶楽部の活動場所、船着き場の小屋へ連れて行かれた。
そこには先ほどの三人の他にもう三人いた。
「こいつらが新入部員だ。こっちが俺の弟のヒョンウ。こっちはヒョンウの友達だ」
「よろしくお願いします」
我々は口をそろえて言った。
「二人しかいないが去年よりはましだろう」
 そして自己紹介が始まった。
先ほどヤン達と来た知的そうで高貴な顔をしている眼鏡の方はサグ・ヨムルムといい、三年生らしい。
彼も実家も海苔の養殖場を営んでいるようだ。
小屋の窓際に佇んでいる男はキムジェ・ペクサンといって、サグ氏の親友らしい。
ちなみに彼も眼鏡である。
もう一人の椅子に座っている少し太り気味な男はセジュ・チュンジュンといって、
二年生らしい。彼は眼鏡ではない。そしてセジュといえば有名な財閥である。
これらの面々が海苔倶楽部のメンバーであった。
 ちなみに言っていなかったが私も眼鏡である。ヤン・ヒョンウは眼鏡ではない。


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最終更新:2011年04月09日 23:33