ニギメダナ-陸話『拾萬金』


 「そう。金ならあいつが、セジュが出してくれるだろう」
「え!?僕ですか!?」
セジュ先輩はずいぶんと驚きを見せていた。
財閥の息子なんだからそのくらいぃぃじゃぁないか。
「まあまあ、お前ならそのくらいの金もってるだろう」
「で、いくらなんですか。何億出せばいいんですか。
あ、まだ承諾したわけじゃないですよ。」
「億ってお前、冗談はよせ。100000ジンだ」
「十万ジン!?この靴下と同じ値段じゃないですか、そんな安くて済むんですか!?」
セジュ先輩は自分の靴下が十万ジンだという。
サグ先輩や私だけでなく皆が驚いていた。わずかな時間だが小屋内が凍りついた。
「ちょっと待て、お前の靴下は何でできている」
「ああ、これはですね、最新の合成繊維を使ってるんです。
あとこれはアバッシティア共和国からの輸入品です」
「よし。そのことは置いておこう。で、セジュ。引き受けてくれるか」
「十万ジンくらいならいいですよ」
             ◆
 と、こういう会話があったのだ。
セジュ先輩が金を出してくれたからこそキンジョンへ行けたのだ。
 そういうことを思い出しているとユナンゲオの駅に着いた。
ユナンゲオからはシンドン鉄道(星東鉄道)でチャグまで行く。
我々は最低限の金しか貰っていないので特急は使えず、普通列車の三等車両になる。
しかしセジュ先輩はなぜか一人で一等車両である。
どう考えても死亡フラグである。死んでしまうのですか、セジュ先輩!


  • 文が少なすぎるのにはいろいろと訳があります←読む人もいないのに何言ってるんだ -- 八幡神社 (2011-04-26 22:24:02)
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最終更新:2011年05月09日 20:47