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NOA・story_01 - (2009/09/18 (金) 01:34:50) の編集履歴(バックアップ)
途中ですがモチベーションうpのためサラス。
ある荒野の一角に、その小屋はあった。
生き物の気配は無く、立ち枯れた草が所々に生えているだけのその場所で。
小屋の周辺だけは青々とした芝生が茂り、中庭には美しい水をたたえた池まである。
あまりに不自然なその小屋の一室。
その小屋の主であり、唯一の住人が分厚い本を険しい表情で読み進めていた…のだが。
パタリ、とその本を閉じると、
「あふー…」
というよく分からないうめき声を上げて、机に突っ伏した。
「お腹空いたねぇ…いい加減何か食べないとー」
そう言いながらも椅子から立ち上がる様子は無く、近くに置いてあった煙管を持つ。
そして慣れた手付きで煙草を煙管に詰めると、それを左手で持ち、右手の人差し指を伸ばして火皿へ近づける。
すると。
何もないはずの指先から、ちょうど爪ぐらいの大きさのの火が出た。
その火で煙草に火をつける。
「何食べようかなぁ…あそこの麺はこの間食ったし……
あの鶏肉は…いや、もう少し経ってからの方が脂がのってウマいな……」
そういいながら、紫煙を吐き出す。
しばらく突っ伏したままうめき声を上げるが、急に背筋を伸ばし、手をポンと叩いた。
「あぁそうだ、あそこの魚がそろそろ旬じゃあないか」
そうつぶやくと、煙管を置き、引き出しから筆を取り出す。
そして机の上にあった紙にサラサラと何かを書いてゆく。
筆には墨を付けた訳ではないのに、筆で書いた後には黒い呪文字が浮かび上がっていた。
「よし…」
紙の四隅と中央に呪文字を書くと、目の前にかざし、念を込める。
そして勢い良く真上へと放り投げた。
それは真っ直ぐ上に飛び、そのまま天井にぶつかりそうになる。
だがその寸前、急に姿を変えた。
真っ白い球体に、小さい翼が生えただけのソレは、机に落ちる前に翼をはためかせながら降りてきて、ちょうど目の高さで飛び回っている。
「任せたよ、チミィ」
ニヤリと笑みを浮かべ、呟く。
ふぅ、とそれに息を吹きかけると、正面にある窓にぶつかる前に…消えてしまった。
「さて、もう一服するかー」
そう言うと先ほどと同じように、煙管に煙草を詰め始めた。
生き物の気配は無く、立ち枯れた草が所々に生えているだけのその場所で。
小屋の周辺だけは青々とした芝生が茂り、中庭には美しい水をたたえた池まである。
あまりに不自然なその小屋の一室。
その小屋の主であり、唯一の住人が分厚い本を険しい表情で読み進めていた…のだが。
パタリ、とその本を閉じると、
「あふー…」
というよく分からないうめき声を上げて、机に突っ伏した。
「お腹空いたねぇ…いい加減何か食べないとー」
そう言いながらも椅子から立ち上がる様子は無く、近くに置いてあった煙管を持つ。
そして慣れた手付きで煙草を煙管に詰めると、それを左手で持ち、右手の人差し指を伸ばして火皿へ近づける。
すると。
何もないはずの指先から、ちょうど爪ぐらいの大きさのの火が出た。
その火で煙草に火をつける。
「何食べようかなぁ…あそこの麺はこの間食ったし……
あの鶏肉は…いや、もう少し経ってからの方が脂がのってウマいな……」
そういいながら、紫煙を吐き出す。
しばらく突っ伏したままうめき声を上げるが、急に背筋を伸ばし、手をポンと叩いた。
「あぁそうだ、あそこの魚がそろそろ旬じゃあないか」
そうつぶやくと、煙管を置き、引き出しから筆を取り出す。
そして机の上にあった紙にサラサラと何かを書いてゆく。
筆には墨を付けた訳ではないのに、筆で書いた後には黒い呪文字が浮かび上がっていた。
「よし…」
紙の四隅と中央に呪文字を書くと、目の前にかざし、念を込める。
そして勢い良く真上へと放り投げた。
それは真っ直ぐ上に飛び、そのまま天井にぶつかりそうになる。
だがその寸前、急に姿を変えた。
真っ白い球体に、小さい翼が生えただけのソレは、机に落ちる前に翼をはためかせながら降りてきて、ちょうど目の高さで飛び回っている。
「任せたよ、チミィ」
ニヤリと笑みを浮かべ、呟く。
ふぅ、とそれに息を吹きかけると、正面にある窓にぶつかる前に…消えてしまった。
「さて、もう一服するかー」
そう言うと先ほどと同じように、煙管に煙草を詰め始めた。
「失礼します」
数回のノックの後、女性の声が響く。
「どうした?」
返事を返すのは、低い男の声。
振り向くと、グレーの髪が微かに揺れる。
若々しさこそないが、その落ち着いた佇まいからは静かな力強さが伝わってくるようだった。
「こちらを…」
そういって女性が差し出したのは、球体に翼が生えただけの物体。
「…そうか、もうそんな季節か……」
そう言いながら、男はソレを受け取った。
「ありがとう、下がっていい」
「かしこまりました」
女性はそう言うと一礼し、素早い動作で自分の定位置へと戻る。
彼は女性の姿が見えなくなったのを確認すると、
「久しぶりだな」
と、ソレに声をかけた。
『やぁ、元気かね?』
聞こえてくるのは、男の物にも女の物にも聞こえる、中性的な声。
「今年は大漁だぞ」
用件など全く聴いていないが、それでもその回答に、
『そうか、そりゃよかった』
と、うれしそうな返事が返ってきた。
『じゃあ明日にでも行こうかねぇ』
「了解した。美味い魚を用意しておくよ」
『そういやアンタん所の料理人は健在かい?
彼の腕はすばらしいからね、また彼の料理も食べたいんだがねぇ』
数回のノックの後、女性の声が響く。
「どうした?」
返事を返すのは、低い男の声。
振り向くと、グレーの髪が微かに揺れる。
若々しさこそないが、その落ち着いた佇まいからは静かな力強さが伝わってくるようだった。
「こちらを…」
そういって女性が差し出したのは、球体に翼が生えただけの物体。
「…そうか、もうそんな季節か……」
そう言いながら、男はソレを受け取った。
「ありがとう、下がっていい」
「かしこまりました」
女性はそう言うと一礼し、素早い動作で自分の定位置へと戻る。
彼は女性の姿が見えなくなったのを確認すると、
「久しぶりだな」
と、ソレに声をかけた。
『やぁ、元気かね?』
聞こえてくるのは、男の物にも女の物にも聞こえる、中性的な声。
「今年は大漁だぞ」
用件など全く聴いていないが、それでもその回答に、
『そうか、そりゃよかった』
と、うれしそうな返事が返ってきた。
『じゃあ明日にでも行こうかねぇ』
「了解した。美味い魚を用意しておくよ」
『そういやアンタん所の料理人は健在かい?
彼の腕はすばらしいからね、また彼の料理も食べたいんだがねぇ』
『安心しろ、早くお前に料理を食べさせたいと息巻いてたぞ』
それを聴いた小屋の主は、愉快そうに声を上げて笑った。
「そうか、そうか。そりゃあ早く行ってやらんとなぁ」
目の前の机にあるのは、先ほどと似たような呪文字が書かれた髪が一枚。
会話している相手の声は、その紙から聞こえているようだ。
『明日でいいんだな?』
「うん。準備宜しくな~。
あ、どうせだからアンタん所の若い奴らとか呼んで、宴会でもやるか」
『分かった、それも準備しておこう』
「あぁ、頼んだよ」
『あとはいつも通りでいいか?』
「うん、オッケー。じゃあ楽しみにしてるわ~」
そう言うと、目の前に置かれた紙の上に手を乗せる。
そしてゆっくりと手を上げると、そこには丸い物体が現れた。
「はい、お疲れさん」
その言葉と共に、それは少しだけ浮かび上がる。
パチン、と指を鳴らすのと同時に、机に置いてあるモノと同じ紙状になった。
二枚の紙を人差し指と中指で挟むように持ち上げ、目の高さで念を軽く込めると、中に漂う火の玉の出来上がりである。
そっと指を離し、煙管に詰めた煙草に火をつける。
「さて、後片付けでもやるかねぇ」
そういうと紫煙を吐き出し、伸びをして、近くに積み重ねてあった本の山に手を伸ばした。
それを聴いた小屋の主は、愉快そうに声を上げて笑った。
「そうか、そうか。そりゃあ早く行ってやらんとなぁ」
目の前の机にあるのは、先ほどと似たような呪文字が書かれた髪が一枚。
会話している相手の声は、その紙から聞こえているようだ。
『明日でいいんだな?』
「うん。準備宜しくな~。
あ、どうせだからアンタん所の若い奴らとか呼んで、宴会でもやるか」
『分かった、それも準備しておこう』
「あぁ、頼んだよ」
『あとはいつも通りでいいか?』
「うん、オッケー。じゃあ楽しみにしてるわ~」
そう言うと、目の前に置かれた紙の上に手を乗せる。
そしてゆっくりと手を上げると、そこには丸い物体が現れた。
「はい、お疲れさん」
その言葉と共に、それは少しだけ浮かび上がる。
パチン、と指を鳴らすのと同時に、机に置いてあるモノと同じ紙状になった。
二枚の紙を人差し指と中指で挟むように持ち上げ、目の高さで念を軽く込めると、中に漂う火の玉の出来上がりである。
そっと指を離し、煙管に詰めた煙草に火をつける。
「さて、後片付けでもやるかねぇ」
そういうと紫煙を吐き出し、伸びをして、近くに積み重ねてあった本の山に手を伸ばした。
- フォント小さいかなー…IEで見る限りだと問題ないみたいだけどGoogleChromeだと小さすぎるかもー (2009-09-18 01:34:50)