キョン「佐々木かわいいな佐々木」
佐々木「キョ、キョン!? と、ととと突然何を言い出すのかと思えば、そ、そんなっ、まだ手も繋いでないのにそんなことっ。
ぼ、僕は勘違いしてしまうよ、いいのかいっ? 勘違いした挙句僕がキョン無しでは生きられない身体になってしま」
ハルヒ「佐々木さんかわいいわ佐々木さん」
佐々木「……え? 涼宮さん?」
みくる「佐々木さんかわいいです佐々木さん」
長門「……ささき、かわいい、ささき」
古泉「佐々木さんかわいいですね佐々木さん」
佐々木「え……ちょ、ちょっと」
橘「佐々木さんかわいいのです佐々木さん」
九曜「―――佐々木……かわいいよ―――佐々木―――」
藤原「ふ、ふんっ……さ、佐々木、かわいいぞ、佐々木っ」
佐々木「み、みんな!? え、ちょ、涼宮さんどこ触ってるのっ、やだぁ、僕っ、そっちのケは……やぁ……」
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「という夢を見たよ」
某月某日某喫茶店にて佐々木はかようなすこぶる混沌とした夢の内容をのたまい、俺は松田優作ばりにアイスコーヒーを噴霧してしまいそうにもなったが辛うじて耐え、その報いか数分ほどまともに酸素を取り込めなくなったことを先述しておく。
佐々木よ、お前は一体何を考えながら眠りに就いたというのだ。
夢なんざ不条理なものと相場が決まってはいるのだが、今聞いたそれは俺と俺の知人でもある珍妙且つ奇天烈な面々が揃い踏みという俺なら卒倒しかねんもんであった。
一方、当の本人は咽ぶ俺をアサガオの発芽を嬉々として観察する小学一年生のような幸喜に満ち満ちた瞳で見つめている。
……さてここで諸賢に問題だ。
この奇妙な親友は俺にどうしてもらいたいのでしょうか。手ごろな選択肢はいくつかあったが、最近は愚鈍やら朴念仁やらと己が身に対しての蔑称が途絶えることがないので、少しは気を利かせてみることにする。
咳払い、深呼吸。俺は笑んだままの少女にこう言ってやった。
「佐々木かわいいよ佐々木」
最終更新:2008年01月29日 20:42