12-680「ついてきて欲しかった佐々木さん」

ああキョン、ちょっといいかな。
どうだろう。今日はそっちの道を通って帰ってみたいんだが。
そっちの道だとバスを使わずともそれなりの時間で帰れるかも知れないんだよ。
何ともお恥ずかしい話だが、バス代というものもバカにならなくてね。
まあ途中、街灯がなくて暗かったり墓地があったりするから
若い女性の一人歩きはあまり宜しくないかも知れないんだがね。
ただ僕は、調べてみる価値有りと推測するが、どうだろう?

「んじゃ今日はそっちから帰るのか」

う、うん。そうしようと思う。
いや、そうしたい。
是非ともそうしよう。
だ、だけど暗い夜道だからはぐれないように寄り添ってみたりとか
そそそれで怖くなんてないとか言いつつ手とか繋いでみたりとか
猫が飛び出して来てキャアとかいってだだだだだ抱きついてみたりとか
それに類する不可抗力で何とも甘酸っぱい思い出に分類されるような出来事が
起こってしまう確率も無いとは言い切れない気がしちゃったりしなかったり//////

「じゃ、おれはこっちだから。また明日な」



・・・あぁ、また学校で。

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最終更新:2007年07月20日 21:40
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