30-520「佐々木さん爬虫類を語る」

佐々木さん語る。
「そもそも爬虫類の子供はその多くが卵の中で羊水の入った袋に包まれている。
羊水とは何故羊の水なのかと疑問に思うかもしれないから軽く解説させてもらおう。だがその前に前提として羊膜について聞いてもらおうかな。
羊膜とは羊水を包む薄い膜なのだが、これは古代ギリシア時代に神に生け贄として羊を捧げる習慣があり、その羊を包む軟らかい袋から喩えられて羊膜と名付けられたわけなんだ。
ちなみに脊椎動物は羊膜の有無で羊膜類と無羊膜類に分けられるのだけど、爬虫類は前者、両生類は後者に属するんだ。これだけでも爬虫類と両生類がどれほど違うかがわかるね。
さて話を戻そうか。つまり羊水は羊膜の中にある胚を保護する水、という安易な理由からこう名付けられたわけだね。
ところでこの羊水に包まれている子供は詰まるところ生け贄の羊本体ということになる訳だ。これもまた興味深い話だけれど今は置いておこう。本題に入ろう。
爬虫類の卵の殻は軟らかく弾力性を持ったものが多いが、中には鳥のそれのように硬いものもあるんだ。これには理由があってね。
爬虫類とはそもそも身体に鱗を持つことで乾燥地帯でも活動出来る様に進化した生き物であるけれど、これはつまり卵を産む場所も乾燥地になる場合があることを示している。
もちろん彼等はその中でも比較的湿気の多いところ、即ち地下深くや岩の隙間に好んで卵を産む。
だがその場合単なる芸のない卵では生き残れない。そこで彼等は様々な工夫をして生き残ってきたわけだよ。
ヤモリの仲間に産んだ直後は柔らかく、空気に触れると硬くなる卵を産む仲間がいるのだが、この卵は面白いことに壁に張り付くんだ。そしてそのまま硬くなるので決して落ちることはない。
また、蛇の仲間にジムグリニシキヘビという種がいるんだがこの蛇の産む卵は例えるならまるでタラコのように細長いんだ。彼等は地中で暮らしているためこのような不思議な形にせざるを得なかったんだろうね。
他にも紡錘形や球形の卵を産む爬虫類もいるんだけど今日は割愛させてもらうよ。
ちなみに子供の発育に必要な酸素や水分は殻を通して吸収もされるんだ。
蛇足だけど亀や蛇の仲間の子供には鼻先に卵歯と呼ばれる突起を持っているものが多い。そしてこれで殻を文字通り破るんだ。面白いと思わないかい?
ああそういえば卵胎生といって体内で孵化した子供をそのまま生み落とすトカゲもいるんだ。爬虫類は奥深いね」

…………えぇっとつまり爬虫類は凄いってことでいいのか?
「………うん、そういうことでいいよ……」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年03月08日 22:06
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。