31-488「キョン説得工作と国木田フィルター」

それは、いつか見たリアルな夢。涼宮がいなくて朝倉が転校しなかった夢の世界の話。また思い出す
「なあ、キョンと朝倉って付き合ってるのかな?」
「それは無いよ」
「おいおい、何でそんなに即答できるんだよ」
「キョンはもっと変な女の子が好きなのだよ」
「キョンがマニアックな趣味を持っていたとして、あんな美人に憎からず思われているんだぞ、今だってかなり仲が良いし」
「中学時代のキョンの彼女はもっと仲が良かったよ。比べるのが失礼なくらい。キョンの方もやたらと乗り気だったし」
あれ以上の仲。夢の中の夢ではキョンと涼宮が恋人どうしで、それが頭に浮かんだ。
「その中学時代の彼女とは何故別れたのだ?別々の高校に行ったってだけじゃ薄いよな」
「キョンに聞いても教えてくれないから。何故なんだろう」
その後、キョンの昔の女のことについて少しだけ聞いた。

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またあの夢か。あれはやけにリアルだったなー


一年の2月終わりの頃だった。放課後、俺は学級委員に呼び出された。
ちなみに、今の学級委員はAマイナー。あの朝倉はAAプラスだ。

「もしかして、俺への告白?」
「涼宮さんとキョン君のことだけど、もうちょっとまともなカップルになるように言ってよ」
やっぱり違いますか。しかし、キョンは何故モテるのだろうか?
「何で俺が」
「谷口君は涼宮さんとずっと同じクラスでしょ。キョン君とも親しいし」
「おいおい、キョンとは親しいが涼宮とは別に親しくないぞ」
「とにかく頼んだわよ」

あのラブラブバカップルぶりを毎日見せ付けられて、皆激怒してるだろうな。
それはわかるけど何故俺が涼宮に注意しなけりゃならないのだよ。下手すりゃ『うるさい』と言って殴られるぞ。
とりあえずキョンに注意して何とかしてもらおう。
「なあ、キョン。二人きりで涼宮と何をやっても良いけど、悪いが教室では自重してくれないか?」
「俺は何もやってないぞ。ハルヒに一方的にちょっかい出されているだけだ。ハルヒに言え!!」
おいおい、そんな言い方ないぞ。
涼宮には言いたくないな。俺は国木田と中学時代からの国木田&キョンの同級生(女)の2人に相談した。
国木田とその同級生は深刻な顔で言った。
「まともなカップルね。僕もずっと気になっていたよ」
「あたしも」


俺達3人はキョンと話し合った
「ねえ、キョン。涼宮さんにもっと優しくしてやってあげれない?できれば二人きりの時に」
「あたしも同じ意見だわ」
おい、お前ら。何か違わないか?
「あのクソ女にこれ以上優しくできるわけないだろ。今でも我慢の限界なんだぞ」
取り付く島も無かった



「お前らどういうことだ?キョンと涼宮がイチャイチャするのを辞めさせるのが俺達の役目だろ」
「人前でやるのを辞めさせるのだよね。その分、二人きりでイチャイチャすれば良いと思うよ」
「中学時代の早い時期に私達が注意すべきだったわね。
 キョン君と佐々木さんがイチャイチャするのを見るのは結構楽しかったからスルーしたけど」
「でもキョンは涼宮さんに冷たいよね。本当に好きなのかな?」
「ツンデレで正直になれないだけだろ」
そんなわけないだろ。涼宮が嫌いだったらあんなイカレタ部活とっくに辞めているぞ。
変なフィルター通して物を見てないか?
「本当にそうなのかな?」


帰り道、国木田の元クラスメートに出会った。そいつとは受験の時塾で同じ教室で俺とも親しかった。
「谷口、国木田。キョンの奴教室でもイチャイチャしてるんだろ」
「まあな。今問題になっていて、この俺が何とかしろと言われてるんだよ」
「難しいな。あいつは中学時代からそうだから。
 しっかし、キョンの奴も若干成長したのかな。中学時代と比べれば人目を気にしてかなり控えめになってるから」
控えめ?あれが?
「成長はしてないと思うよ多分」
「ということは成長じゃなくて…やっぱりそうか。変な女好きと言っても暴力女は嫌いだろうからなー」
「もしかしたら、キョン君は今でもまだ涼宮さんより佐々木さんを好きなのかもしれない。1年経った今でも……」
「僕もそう思うよ」
「国木田、キョンは何でその変な女と別れたのだ?」
「わからないよ」
「そんなに好きだったら別れるわけないだろ」
「どうせ、調子に乗って中田氏を強要して殴られたのだろ」
何で別れたのだろうか?誰も知らなかった

キョンが涼宮に恋愛小説を書くように強要されたのはそれからしばらくのこと。
(終わり)
 

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最終更新:2008年03月27日 22:34
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