「お、佐々木も戻ってきたか。どうだった、初の不思議探索は」
「中々興味深かったよ。ちょっと余計に注意を払うだけでも、普段の街とはまた違った側面を見られるものだね」
「楽しんでいただけたようで何よりだ。これで団長様の顔も立つってもんだよ。
……っと、そういえば長門とペアなんだったか? ちょっと想像できんな」
「非常にユニークだったよ。実に有意義な議論を交わさせて貰った。
会話はキャッチボールだ、とはよく使われる喩えだが、
君との会話を息の合ったピッチングとするなら、彼女との会話はドッヂボールの接近戦かな」
「ちょっと待て。流石にその喩えはおかしくないか?
長門にせよお前にせよ、常にクールに持論を展開しそうなもんだが」
「まあ、大概の話題についてはそうなんだけどね。
ある話題に差し掛かると、途端に熱くなってしまって。
ああ、もちろん僕も彼女も言葉を荒げたりはしなかったが」
「相変わらず遠回しだな、お前は……。
で、その話題って何なんだ?」
「……寡言と多言、異性に好まれ易いのはどちらか? って話さ」