やあキョン、山桜を見に行こうか。
……ああ、そうなのか、すまない。
親友にあるまじき失態だな。君の周囲の人材の豊富さに思いを巡らすのを怠っていたよ。
しかし失礼は許してほしい。僕の周囲には──
というよりも、一般的な高校生の周囲には、君のそれほどバラエティ豊かな人材は揃っていないことの方が多いのだからね。
いや、気を遣ってくれる必要は無い。世界全体のことを考えれば当然のことだからね。
僕のこと?
そうだね、今日は──オックスフォードホワイトの世界が、白くなるかもしれない。
橘さんがきっと感動するだろう。彼女はチェックと称して、僕の内面に侵入を繰り返しているらしいからね。
そう、さしあたってはその程度の変化だよ。
明日は気張って花見にいそしんでくれたまえ。
白い世界なら入ったものは微笑むかもしれないが、灰色の世界に青い巨人の取り合わせでは洒落にもならないからね。
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最終更新:2009年10月17日 17:42