43-164「平和の象徴」

 今、ハトが飛んでいったね。
 日常において最も目にするのはドバトだろう。
 このドバトはカワラバトというハトを改良してできたハトで、戦前・戦中の軍事用、戦後の一時期には報道用に
伝書鳩として大いに活用されたそうだよ。
 地磁気などにより方角を知る能力に優れているとされ、帰巣本能があるため、遠隔地まで連れて行ったハトに
手紙などを持たせて放つ事によって、情報をいち早く伝えようとしたのさ。
 しかしその後、電話などの通信技術の進歩によりその価値を失ってしまい、現在ではレース鳩として飼われる
ことがほとんどらしいね。

 そうそう、ハトは平和の象徴としても知られているね。その訳は知っているかい?
 そう、キミの言うとおりノアの方舟にも関係している。
 大洪水で溢れた水かさが引かず、諦めかけたノアは47日目にカラスを放ったが、カラスはまだ水が乾く前であった
からすぐに戻ってきてしまった。そこでハトを放ったところ、オリーブの葉を咥えて戻ってきた。
これによりノアは水が引き始めたことを知った、というわけさ。

 くっくっ、そんなに感心しないでくれたまえ。この程度の知識はまだ常識の範囲内さ。
 そうだ、最後にもうひとつだけ。

 平和の象徴と言われるこの鳥は、必殺の一撃を与える、鋭いクチバシや爪を持っていない。
そのため、互いに戦えばその様相は、長く、凄惨なものになるという。

 どこか、キミや僕の友人達に似ているとは思わないかい・・・?

 まあ、ハトには鋭いクチバシや爪はなくとも人を攻撃する手段はある。
 先ほど飛んでいったハトもキミのジャケットを爆撃していったようだ。はやく脱いで洗濯することを
お勧めするよ。


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最終更新:2009年10月21日 23:49
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