61-688「後日談」

俺は誰もこんな高校生活は送れまいという空前絶後の高校生活を終え、大学生になっていた。
あらゆる問題が終結し、SOS団はときおり集まる同窓会のようなものになっていた。
と言っても、団長閣下との腐れ縁は大学でもいまだに続いているがな。
これも団長様の放課後の補講のおかげか。感謝の言葉の一つでも差し上げなくてはなるまいな。

今日は久しぶりのSOS団の活動日。例の5人で顔を合わせる日だ。
大学に入ってからはけっこう疎遠になってしまったSOS団。
それも仕方ないか。俺とハルヒは同じ大学に進んだけれど、他の3人はバラバラになってしまったものな。
おれはてっきり5人で同じ大学に進むものとばかり思っていたが、俺の思惑とは違う現実になってしまっていた。
古泉は思想の勉強をすると言って某国立大学の哲学科に入ったし、長門はコンピュータを学ぶため日本最高の某国立大学に入った。
あいつならノーベル賞をもらうどころか、ノーベル賞を全部制覇した上フィールズ賞からなんから全分野を独占してしまいそうだ。
朝比奈さんはこの時代の大学に通うことはせず、自分の時代に帰ってしまった。
ときおりSOS団の活動があるときにこの時代に戻ってくるのみだ。
ああ、愛しの朝比奈さん。毎日顔を合わせていた高校時代が懐かしいです。

大学に入ってからも依然、駅前集合であり、さらに言えばいつも俺は最後に到着して奢らされるのであった。
大学生になってバイトをするようになったから高校生の時よりもお金に余裕があることは確かだけれど、不愉快ではある。
なぜだろう。待ち合わせ20分前に行っても、残り4人は俺よりも先に来ているのだ。
何かしらの超常的な力を感じるな。そうだ、八百長に違いない。

なにか現実を超えた力を感じながらも、それにチャレンジしていくことが大事に違いない。
俺はいつだって非現実、非日常、超常的な現象にぶつかっていったじゃないか。
そして、それはそれなりの効果をあげてきたのだ。一般人には一般人なりの力があるのを何度もみせつけてやったさ。
と言うわけで、今日は妹を脅して集合時間の1時間前に約束の場所につくように足を運んでいる。
さすがに1時間前なら俺が最後ということはないだろう。これで俺の財布も重さを維持したまま今日は家に帰れるだろうさ。

そんな希望に溢れた道すがら、突然俺の背中に声がかけられた。
「やあ、親友」
なんだかこういうシチュエーションが前にもあったような気がするな。デジャブというやつか?
いずれにせよこの声と挨拶は、あいつしかいないよな。
「久しぶりだね。キョン。元気にしてるかい?」

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最終更新:2011年09月05日 17:33
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