よく親友の姉妹と、なんか漫画であるよな。
俺達は、それになっちまった。…………達?ああ、姉貴がいてな。双子の。で、なんかカップルになっちまったんだよ。双子同士でな。
姉貴?ああ。SOS団なる電波女子サークルにいる、もっさいのがそれだ。
俺?ああ。バイトと勉強に明け暮れる生活だが、それがどうかしたか?
「最近キョン子は忙しいみたいだね。」
「だな。あの電波サークルに熱中してるみてぇだ。女子サークルみてぇだが、何やってやがんだか。」
俺の彼女…………佐々木(姉)。ルックス抜群、頭脳明晰、運動音痴だ。
「くつくつ。まぁやることがあるのは良いことさ。こちらとしては、弟に少しでも構ってやってくれると有難いんだが。」
「やれやれ。あいつも苦労するな。」
佐々木(弟)。姉同様のルックスに、頭脳明晰。運動も得意のパーフェクト超人。こんな奴が姉貴の彼氏なんて、姉貴に騙されているとしか思えない。
「蓼食う虫も、好き好きか。」
「全く。キョン子も何を好き好んでウチの弟なんかと付き合うのか。」
「それ、お前の弟も同じ事言っていたらしいな。」
……………ん?失言だったようだ。佐々木(姉)の目にサディスティックな光が見える…………。
「弟への仕置きは後日するとしよう。」
うわあ。
佐々木(姉)は、俺を向くとニヤリと笑う。
「僕もいたく機嫌を損ねたわけだが。君はどう償うのかな?」
………可愛く拗ねてるつもりか、顔がニヤケてるぞ、可愛い奴め。
「…………そうだな。お前の好きな炭焼きコーヒーと、ミルフィーユのセットでどうだ?」
「甘いもので僕を釣ろうとする、君の根性が気に入らない。」
と言い、頬を膨らませる。
「俺の根性の悪さを許せる位には、あの喫茶店のケーキはうまいはずだがな。」
人差し指で頬をつつく。
「くつくつ。」
佐々木(姉)は、俺の腕に腕を回すと、にっこり笑い…………
「キョン。時間が惜しい。行こうか。」
と、腕を引きながら歩き始めた。
「焦ってもケーキは逃げんぞ。」
「くつくつ。」
………まぁ、そこから、不思議探索とやらをしていた姉貴達と出くわし、何故か機嫌が最悪に悪かった涼宮に、全額奢らされたのは別の話だ。
END
最終更新:2013年03月03日 03:16