長門達と別れ、俺は携帯を見た。携帯には、古泉、ハルヒ、そして佐々木から電話があっていた。
一番最初にかけたのは、勿論佐々木だ。しかし出ない。そういえば、塾の日だったな。
「やれやれ。」
次にかけたのは、ハルヒだ。
『何してたのよ、このバカキョン!』
「すまん。ちょっと用事があってな。」
暫くハルヒから説教を受け
『明日は来なさいよ!たるんでるわよ、全く!』
と言われ、電話を切られた。
次は古泉だ。
『御無事でしたか!』
こっちはこっちで、また大変だったようだな。
まぁ要約すると、朝比奈さん(大)が、わざわざ機関に俺と佐々木の件をお話し下さったそうで。古泉は、森さんに大目玉を食ったそうだ。
『まぁ、少し良いこともありましたが。んっふ。なかなかレアなものも見れましてね。』
こいつは心底アホだが、森さんを心底好きな事だけは理解した。
『本来なら、会ってお話しをしたいのですが、生憎森さんから軟禁中でして。明日に少々お話しをしますか。』
おい。聞き捨てならんぞ、その台詞。そう言おうとしたら、電話が切れた。
しかし…どうしたものかね。
朝比奈さん(大)の行動は、分かりやすい。ハルヒが望む世界の進み方をさせる事。
長門の行動は、現時点では意味不明といっていい。佐々木の望みを叶えない事。そして俺を守ること。これが、現時点では何を意味するか。不明だ。
長門は佐々木を信じる、とも言ったが、やはり現時点では何も言えない。
古泉は、恐らくハルヒの成長を願い、未来と対立する。長門と対立するしないは不明だ。
三竦みになっては、それこそ敵わない。これは朝比奈さん(小)よりは、朝比奈さん(大)に気を付けなければならないだろう。
佐々木を選んだ事に悔いはない。しかし。
ハルヒがどう考えるか。どういう行動を起こすか。そこまで考えてから行動をするべきでなかったか?という後悔は、少なからずある。
佐々木からフラれるのが、前提だったわけだからな。情けない話だが、こうなるなんて思いもしていなかった。
「キョン先輩。」
後ろから、不意に声がかけられる。色々ありすぎた一日。最大の衝撃が俺を待ち構えていた。
To Be Continued 『Made of Tears』2
最終更新:2013年03月03日 03:19