今週末。
彼氏が泊まりに来いという事。つまりそれは。
「……すずめさん、今日もいい感じにほっぺた系だね……そのまま僕の心も、夢の世界に飛ばしておくれよ……」
「何言ってるのですか?佐々木さん?」
変なモノローグを入れていたら、不意に橘さんに声をかけられた。
「お、おはよう、橘さん。」
「おはようです、佐々木さん。」
にっこり笑う橘さん。……首筋に、季節外れの虫刺されがあるんだけど……そこはやはり聞いておくべきだろう。後学の為にも。
「ああ、キョンさんとついにですか。」
「うう……。」
正直言って戸惑っている。橘さんは古泉くんだから、色々慣れていただろうけど……
「古泉さんが?冗談はやめて欲しいのです!余裕はないわ、最悪でしたよ!」
え?意外。モテそうだけどな、古泉くん。
「優しいのは優しいですが、案外粗忽なのです。今は慣れて、スムーズですが……最初は最悪でしたね。」
「…………」
こ、古泉くんで最悪レベルか……!キョン、この時ばかりは許すから、誰かと経験していたとか……いや、ないなぁ……。
涼宮さんなんて、性道徳に関しては見本のような人だし、長門さんは、そもそも性自体に関心がない。
朝比奈さんは、強引さがないキョンに、彼女が口説けるとは思えない。
おめでとう。初めては私のものです。
いやいやいやいやいやいや。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
私は頭を抱えた。
そんな私に、藤原くんが声をかける。
「佐々木。既定事項だ。これの使用を忘れるな。オカ○ト社の最高級……ぐほぁッ!」
ナイス、橘さん。余計なお世話だよ、セクハラ男。まぁ使うけど。で、キミは経験あるの?
「だから言っているだろう。現地人との性行為は、禁則。未来に未知のウィルスを持ち込む可能性や、子どもなどの……」
「いや、未来で。」
聞きたくもないけど。正直あんまり関心ないから、答えなくとも……
「どどどど、童貞ちゃうわ!」
ああ、いや、わかった。うん。キミは非童貞だ。わかったから、何も言わなくていいよ。
運命の日を迎える。
夕方7時。私は夕飯の買い物を済ませ、キョンの家の前に立った。
横入りする御婦人、レジまで辿り着いたら、財布が見当たらずにポケットを探ったりして、まさに挙動不審を絵に書いたようだったが。
インターホンを押す。
「よう。佐々木。」
「やあ、キョン。」
……うん、気まずい。まさに、これから『やりますよ』って空気だ。
「き、キョン。材料買ってきたから、夕飯を作ろう。」
「あ、ああ。よし、やっちまえ!」
台所に立ち、夕飯を作る。とりあえず、栄養価から考えてサラダは欠かせない。
キャベツは細く細く刻んで、お水をしっかり切って。
リンゴはウサギに変身、1つは食べて7つ飾るわ。
特製ドレッシングには、私の愛をたっぷり注いでシェイク。
……したつもりなんだけどね。切って盛っただけだというのが正しい、かな?
作り慣れてないせいか、全品、なかなか豪快な出来だ。
「……うん。うまい。」
「そうか。それは何よりだよ。」
キョンは無言で箸を動かす。豪快に掻き込むものだね、男の子って。
「うめぇよ。毎日でも食いたいぜ。」
「くっくっ。まるでプロポーズだね。」
「ああ。そうだな。」
……この天然ジゴロめ。血液が顔に集まるのを感じる。
洗い物を済ませて風呂に入り、キョンの部屋に。
電気を消してあるのは、彼の気遣いだろう。
より緊張するが、それはまた仕方ない。
ベッドの横に座る。……キョンからのキスが来た。
ん、んん、や、やっぱり怖い……!キョン、やめ……
ん?
私はキョンを見た。
キョンは、手が震えていた。
ああ、なんだ。怖いのは私だけじゃないんだ。
そう考えたら、少し安心し。私はキョンの首に腕を回し、キョンの口唇を舌で味わう。
お互いの舌の動きが、少しずつ激しくなる。頭に薄い靄がかかったような、どこか不安定な気分。
ゆっくりと服を脱ぐ。小さな胸だけど、あなたは満足してくれるのかしら。
ただ、あなたのためにだけだから。
静かに揺れる肩越しに、薄く差す月光が見える。部屋を染める薄闇の蒼。
「…………つっ!」
「す、すまん!大丈夫か、佐々木!」
「大丈夫……。」
暫くしたら、痛みにも慣れると思ったけど、痛いものは痛い。
涙でぐしゃぐしゃになっているけど、目を開けた。目の前に、キョンの輪郭がある。
闇に拐われないように、私は腕を伸ばしてキョンを抱き締めた。
「佐々木…もう…」
「……うん……」
キョンと私の手が重なる。ほどけないように、私はしっかりと繋いだ。
胸と胸が触れ合う。
「キョン……。離さないで……」
「……ッ!」
キョンの身体が、二、三度震える。……どうやら終わったらしい。
鈍痛と精神的な満足感で、動きたくない。なんだか泡くっているうちに終わった。そんな感じだ。
「……してみると、なんだか呆気ないものだね。」
「だな。……すまん。初めてで、全く余裕がなかった。」
キョンも疲れはてた表情だ。
「くっくっ。充分さ。」
私はキョンの髪を撫でる。これから、私はキョンの好みに染められるんだろうな。
ただ、私の好みにも染めるけどね。
寝息を立てるキョン。私はその温もりに包まれ、安らぎながら目を閉じた。
「――観測――――結果――」
「け、けしからん!けしからんぞ!いかん、これは既定事項にない!トイレに行ってくる!」
「……んっふ。参りましたねぇ全く。見ているこちらがドキドキしました。橘さん、いまから……ぐぇ!」
「佐々木さぁん……痛かったでしょ?直に良くなりますから、もう少しの辛抱なのです……」
「はわわわわ……。キョンくん……///」
プライバシーもへったくれもなく、覗かれていた……。
二人がそれを知るよしはないが、あっという間に噂は広まり……
「イライラするわねぇ……あなたよ、キョンくん!」
「朝倉?!な、ナイフはやめ……」
「じゃあ……どうやったらリア充に……なれるのかな……」
「た、谷口?!おい!」
「私はただ……幸せになりたかっただけなのに……」
「ハルヒ?!」
「それにしても……今日は天気が悪い……あなたの顔が……見えない……」
「な……長門……?!」
メランコリックになった一部が、願いを叶える為に13人の生き残りマッチに参戦したとかしないとか。
END
リクエスト人のAA
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/ dL| | lilill!。.:l_:l_:|_:j_:イ: : jlilil|
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最終更新:2013年03月03日 04:32