佐々木さん、恋愛カウンセリングの巻
佐々木「キョン、高校入学以降、彼女はできなかったのかい?
受験中は、『高校に入ったら、青春をエンジョイしてやるー!』なんてよく言っていたじゃないか」
キョン「あ? ダメダメ。SOS団にとっつかまっちまったからな。相手を見つける暇すらなかったぜ」
佐々木「SOS団は、僕の見る限り結構な美人の集まりだと思うけれど、彼女たちとはどうなんだい?
彼女を探す暇もないくらい一緒にいるなら、親密になる時間はあるんじゃないかな」
キョン「うーん、どうだろうーな。朝比奈さんは確かにお付きあいしたい先輩NO1(2は鶴屋さん)だが、
下手なことをしたら、隠れファンクラブになにされるかわからんしなあ」
佐々木「話はよく伺うんだが、具体的にどのあたりが、「ファンクラブ」形成までにいたる魅力なのだろうか?」
キョン「まずはあの驚異の胸だろう! あれは犯罪的だ。それに外見全般も魅惑の破壊力だし、性格もあのとおり
可憐で清らかで、料理も上手いし。まあ欠点のない、まさしくらぶりぃエンジェルじゃないかね。
まっ、つまるところ高嶺の花って奴さ。その内、未来に帰らんといかんみたいだし」
佐々木「それだけ美点を兼ね備えていながら、最初に注目されるのはやはり胸かね。
男性というものの根源的な動物性を垣間見た気がするよ。
それならば、同級生のお2人はどうなんだい」
キョン「長門も美人っちゃかなりの美人だと思うぞ。性格がちょっととっつきにくいのはあるかな。あと、会話が少ないと
死んぢまう谷口みたいな奴には付き合うのはムリだろうな。俺は別に気にせんが」
佐々木「……ほほう、有望株ということかね」
キョン「いや、あいつには何度も世話になってるし、命も救ってもらったからな。何というか、難しいな。
恋愛とかじゃなくて、ほうっておけない、妹みたいな奴、っていうのが近いのかな。
うちの妹と方向性はまったく正反対だけどな。なんかこう、世話を焼きたくなる部分があるんだよ」
佐々木「ご奉仕タイプの先輩と、放っておけない同級生ねえ。キョン、人はそれをハレムと言ったりするんじゃないかね」
キョン「いや、そんなもんじゃないって」
佐々木「で、涼宮さんはどうなんだね」
キョン「あいつはダメだろ。黙ってりゃモデルにもなれるくらいだし、実際交際申し込まれたことは山ほどあるみたいだが、
皆1週間ともたなかったみたいだし。だいたいアイツは、頭はいいけどまだガキなんだよ。
不思議探しとかに夢中で、まだ恋愛って柄じゃないって」
佐々木「その1週間と誰も持たなかった涼宮さんと、一年以上行動を共にしている君は何なんだろうね、キョン」
キョン「イヤ、古泉モ一緒デスヨ」
佐々木「何故そこで口調がぎこちなくなるんだい」
キョン「いや、その、なんだ。アイツがポニーテールにしたときに、一瞬そんなことを考えたこともあったようななかったような」
佐々木「キョン、君は相変わらずポニーテールに弱かったのか。
推測するに、初恋の従姉さんの髪型がポニーテールだったんだろう?」
キョン「な、何故それを……」
佐々木「君の話を聞き続けていれば嫌でも分かるさ。
思うに、君は初恋を従姉さんの駆け落ちで終わらせて以来、
恋愛に対して無意識のうちに拒絶反応を示しているのではないのかな。
つまり、どれだけ関心を持ち、近しくなっても、それを恋愛感情だと認めないのさ。
まあ、初恋の痛手が大きかったための、よくある防衛反応だと思うよ」
キョン「そんなことはないって」
佐々木「いやいや。大体、今のSOS団の皆のことを語った内容は、どれも彼女たちと非常に近しい者でないと
できない発言だよ。それだけ近さを認識しながら、そこに恋愛感情を欠片も認めないというのは、
これは無意識に拒絶している以外の何者でもないじゃないか」
キョン「そうかなー」
佐々木「では、実際に後ろで尾行しているご本人たちに、君の意見の感想を聞いてみたらどうだい?」
キョン「何ぃ」
朝比奈「……いえその、私そんなに凄くないですっていうか、あのキョン君なら禁則事項で禁則事項なら禁則事項でも」
長門「……あなたに世話を焼かれるのは非常にユニーク」
涼宮「……なんかアタシだけ散々好き勝手いってくれるじゃないのよ、覚悟はできてるんでしょうね」
キョン「いや、その違うんだ。何というか、その」
佐々木「やれやれ」
特にオチもなく。
最終更新:2007年09月06日 22:50