13-187「佐々木さん、語りまくる。」

僕は、キョンにとって、なんなのだい!!ねぇ? 
キョンにとって、僕はなんなの……。単なる、親友なの?

ねぇ、教えてくれないかっ!! キョンにとって、僕はなんなの!? キョン、キョンの
方から、僕にキスしてくれたことないではないかっ!! 
キョンの方から、僕を抱き締めてくれたことないじゃないかっ!!

僕は、キョンにいっぱい、アプローチしたというのに……。
それでもキョンは気付いてくれなくて……。
あの電話でのことは、僕の精一杯の勇気だったんだよ……

それなのに、キョンは答えを出してくれなかった……。僕は、怖くなった。

もしかして、キョンは、僕のことなんて、どうでもいいと思ってるんじゃないかって。
僕は、だから怖くなった。『好き』って一言を、
キョンに言えなくなった。だって、拒絶されたら怖いからねっ!!

僕の気持ちは、中学の時から変わっていない。
だけれど、キョンの気持ちは、僕にはわからなかった。

僕は、キョンの中学の時の思い出しかもってない。
だから、キョンとの新しい思い出を作ろうと、僕は、必死だった。
僕も昔の僕ではなく、新しい自分に変わろうと必死だった。
キョンの好きな女の子になりたいと思った。

でも、どんなに頑張っても、キョンが僕をどう思っているのかわからなかった……。
僕はこんなにキョンのことが好きだと言うのに……

もしかしたら、僕のこの想いは、キョンにとって迷惑なものなのかもしれない。
そんな風に、僕は考えるようになってきた。
だから、やはり僕はキョンと親友でい続けようと思った。

キョンにとって、僕はなんなのか……。
それを考えるだけで、怖かったから。
親友なら、こんな想いをしなくてすむと思ったから……

僕は、このままでいいと思った……。
僕は、このままでもいいと思ったのに……

でも、涼宮さんが現れて、高校の僕は本当に一人ぼっちになって……。
そうしたら、このままじゃ嫌だっていう気持ちが湧いてきて……っ

そして、やっぱり僕は、キョンのことが忘れられないんだと自覚した。
思いが抑えきれなくなってしまった……っ

だってキョンは、僕の初恋の人なんだもの……。
ずっと、ずっと好きだったんだ……

僕は……僕は……っ。
キョンのこと、僕は、中学の頃から大好きだった。
だから中学の頃、キョンと別れる、ってわかった時、すっごく泣いたんだ。
すっごく泣いてしまった……っ

でも、キョンとは笑顔でお別れしたいと思って。
好きだったから、キョンに僕の笑顔を覚えていて欲しかった。
そして、いつかまた、キョンに会えるって思って……

だから僕は、キョンと別れるあの時、精一杯の勇気を振り絞ったんだよ。
君は最高の聞き手役って言ったよね。僕にとっては、あれは精一杯の勇気だった。

もしかしたら、キョンともう会うことはないかもしれない。
でも、僕はどうしてもキョンが好きだった……。
キョンとの繋がりを消したくなかった……っ。
だから、言ったんだ。

あれは、キョンにとっては、ささいな言葉だったのかもしれない……。
けれど僕にとっては、とても大切な言葉だった……っ

たとえ離れてもキョンとの関係を、唯一、繋げてくれる言葉だったから……っ。
キョンがあの言葉を受け入れてくれた時、僕は本当に嬉しかった。
だから、笑顔で別れられたんだ……っ

でも……。本当に長かった……。
キョンとの再会までの時間は、僕にとっては本当に長かった……。
僕は、一生懸命に予備校へと通い続けた。
いつか、この道でキョンに会えるのではないかと、って……

でも、月を経るにつれて、こんなことをしても、意味がないんじゃないかって思えてきた……。
だって、こんな小さな道で、こんな大勢の人たちがいる世界で、キョンと会えるなんてありえないもの……っ

それでも、僕はこの道にすがるしかなかった……。
あの言葉にすがるしかなかった。僕にとっての、キョンとの接点。
それは、この予備校への道と、あの言葉しかなかったから……っ

そして、幾度めの時……。この道を通った時……。
僕の願いが、ようやく届いた……

暖かな日差しの中……。キョンが立っていた……。
キョンは最初、驚いていたけど……

僕は、すぐにわかった。心臓が張り裂けそうだった。
心が……飛び出しそうだった

そして、これが最後のチャンスなんだって思った。
神様がくれた、最後のチャンスなんだと。
僕の気持ちをキョンに伝える、神様からの最後のチャンスなんだ、って……っ

だけど、キョンは、昔と一緒で、僕の想いには全く気付いてくれなかった。
だから僕は、キョンに行動で知らせようと思った。僕の想いを……

でもキョンにとって、僕はいつまでも、親友のままだった。
僕にとっては、精一杯の勇気だったのに……。
キョンは僕のそんな心に、気付いてくれなかった……っ

だから、僕は怖くなった……。
もしかしたら、僕のことを、キョンは何とも思ってないんじゃないか……。
だから、最後の賭けだった……っ

駐輪場……。
でもキョンはやっぱり、何も僕に示してくれなかった……

僕は、本当に怖くなって……。キョンの気持ちが、わからなくなって。
だからこのまま、親友の関係でいいと思った……

でも、涼宮さんが現れてて……

……僕にだって、わかっていた。
キョンが、中学の時とは違うってこと。

でも、僕には中学の時のキョンの思い出しかなかったんだっ。
古泉くんと涼宮さんみたいに、高校の時にいられたわけじゃなかったんだっ。

キョンの空白の時間……。
それを取り戻そうと、僕は必死だったんだっ。

そして、僕も変わろうと必死だった。
過去の僕ではなく、新しい僕になろうと必死だった。

そうすれば、キョンは僕に振り向いてくれるんじゃないか……。
親友の僕ではなく、新しい僕なら、キョンは振り向いてくれるんじゃないか、って思ったんだ……っ

だから、髪型だってポニー変えたんだっ。
僕も、変わろうと……っ。昔の僕ではなく、新しい自分に変わろうって。

だけど、それでもキョンは僕を見てくれなかった……っ。
キョンは最後まで、僕を見てくれなかった……っ

嫌いなら嫌いって、はっきり言ってくれないか……っ!!
気のあるそぶりを見せないでっ!!
今、ここで、僕のことが好きなのか、答えてよぉ……っ

そうしないと僕は、キョンのこと、いつまでも想い続けてしまう……っ!!
苦しいんだから……っ!! 想い続けているのは、とっても苦しいんだから……っ!!

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最終更新:2007年07月21日 08:30
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