22-376「佐々木坂」

「さあ!行こう!キョン!!今日から僕らの新しい学生生活の始まりだよ!!!!」
「おい……佐々木そんなに引っ張るなよ。服が伸びるって」
北高への新年度初の通学途中北高の制服を着た佐々木が俺の右手の袖をつかんで、
目を輝かせながら引っ張っている。
「ちょっと待ちなさいよ。キョンが困ってるわよ!」
「ハルヒのほうが止めてくれるなんて珍しい事も……
ってこらハルヒお前もそういいながら引っ張るな!!」
今度はハルヒも左手の袖をつかんで引っ張る。
おい……古泉。お前も笑ってないで助けろ。
「僕も一緒に引っ張ってあげましょうか?」
断る
「そうですか……」
全く憎らしいほどの笑顔だ。
「あ、あのぅ……袖が伸びちゃうから止めた方が良いんじゃ……」
いや……朝比奈さん。止めてくださるのは嬉しいのですが、
危ないので下がっていてください。
長門はこっちを見もしないで本を読んでいる。

……誰も助けてくれないのか。

「まったく……やれやれ……だな。」
思えばこの言葉をつぶやくのも久しぶりな気がするな。

だが、新たなメンバーは増えたものの、これこそが俺の日常で俺が居るべきSOS団だ。

これからもこんな日常が続いていく事だろう。
それでもいいのさ。
まだ俺達は登り始めたばかりなんだからな。

―-この北高へと続く坂道を……

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最終更新:2007年10月04日 14:50
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