22-521「注文の多い佐々木料理店」

俺達はツチノコ探しに山奥まできた。今回は鶴屋さんもいっしょだ。
道に迷い、日も暮れかけて、腹もすいてきた。
「俺達は道に迷ったらしいな。」
「お家に帰りたいです。えーん。」
「おかしいわねー、この道で合っていたはずなのに。皆その目は何?もしかしてあたしが悪いと思っているの?」
「責任の大半はお前にありそうだが。」
「まあまあ、2人とも。喧嘩している場合ではないですよ。今は」
「どうしたら良いのかな、ハルにゃん」
「あたしが責任とれば良いのでしょう。有希、いっしょに帰り道探すわよ。」
「馬鹿、これから日が暮れるのに、やたら動くのも別々に行動するのも自殺行為だぞ。」
忠告を聞かずにハルヒ達は行ってしまった。

ハルヒ達が行ってからしばらくした時、料理の匂いがしてきて、洋館が建っているのが見えた。
「あんな建物ありましたっけ?」
(もしかして、これは雪山と同じで)
「近いからすぐ行こうにょろ。泊めてもらおう」
「涼宮さん達ほっておいて大丈夫ですか?」
「大丈夫。ハルにゃん達もすぐ来るよ」

建物には看板が書いてあった。
『佐々木料理店』
「怪しそうな店だな。」
「こんな所にあるなんてめずらしいですね。」
「お金は鶴屋のお姉さんにまかせてにょろ。」
「お腹すいたから入りましょう」

扉を開け、中に入ると、俺達が戻るのを防ぐように扉が自動的にバタンと閉まった。
部屋の中にも扉があり、そこにはこう書いてあった。
『当店は どなた様も 大歓迎です 本日は サービスデー です お泊りも できます』
「サービスデーとはついているにょろ」
「お腹すいたよー、入りましょう」
朝比奈さん、待ってください。ビリビリビリビリ
朝比奈さんに触れたら感電した。静電気か?
(大丈夫だと思うか?)
(長門さんがいれば良かったのですが、行くしかないでしょう)

次の部屋の扉にはこう書いてあった。
『靴の泥を落として上着を脱いでくれ。既定事項だ。』
(宮沢賢治の作品に似ていないか?これ)
(そうですが、言う通りにするしかないでしょう。)
俺達は靴の泥を落として上着を脱いだ。

『ここでお風呂に入ってくれ。体の裏側までしっかりと洗うように。』
「食事の前に風呂に入るのは珍しいですね。」
「私たち、汚れているからですか?」
「面白そうにょろ」
もうこうなりゃ矢でも鉄砲でも来い、だ

ごていねいにも男湯と女湯に分かれており、俺達は風呂に入った。
風呂から出ると張り紙があった。
『この 服に 着替えて 下さい 』

脱衣所から出ると鶴屋さんと朝比奈さんが待っていた。女の子なのに早いなおい。
「遅いにょろ」
「キョン君、何故か扉が開かないのですよ」
『髪をよくとかし、この香水をかけるように。既定事項だ。』
扉の張り紙のいう通りにすると扉が自動的に開いた。
その中には食事が用意されていた。
『お待たせしました。食事ができておりますのです。』
「やったー、ごはん」
(食べて大丈夫か)
(言う通りにしましょう)
食事は普通にうまかった。
しかし、朝比奈さんや鶴屋さんと触れる度に、鬼娘に折檻されるあたる君のように電流を感じた。これは館に入った時からずっとそうだが
(電流を感じるのですか?朝比奈さんや鶴屋さんと触れる時に?僕は平気ですが。
なるほど、それでここが何か確信しました。)
(どういう所なんだ、ここは)
(判らないですか?そんな動機と能力を持った人は一人だけですよ。)

食事が済んだ頃、急にでかい張り紙が出現した。
『注文が多くて苦労したかな?これで最後だ。
軽い食事の後は僕がキョンを食べる番だ。ある意味で人生の墓場に入る覚悟は良いかな?』
それを見た俺はガクガク震えた。朝比奈さんは気絶した。古泉と鶴屋さんは何故か落ち着きはらっていたが。
「えーと、俺達やっぱり食べられるのか?嫌だ、死にたくないよ。」
「思った通りです。あなたという人はどこまで、」
「食べられるのは、キョン君だけにょろ。それも性的な意味だから心配ないにょろ。」
「意味わからないですよ。」
「心配しなくても、今日のことは誰にも言ってあげるにょろ。」

(おかしいなー、キョンが来てくれない)
(佐々木さん、何と書いたのですか?)
(えーと、かくかくじかじか)
(そんな書き方したら、来ないの当たり前です)
「おーい、現地人。来ると楽しい事があるぞ。」
「お部屋の雰囲気良いですよ」
「―――有機生命体の―――有性―――生殖―――」
「キョン、僕と新しい世界に旅立とう。」
「佐々木さんは先ほどキョンさんのお風呂を覗いて、すでに興奮しているのです。早く来ないとどうなるかわかりませんよ」
「橘さん、余計なことを。えーいまどろっこしい。」

扉が開いて佐々木が出てきた。
「キョン、僕と来るんだ。」
「キョンさん、観念するのです。」
「既定事項だ。現地人」
「エロい少年。行ってきなさい。今日のことは誰にも言ってあげるにょろ。会誌にも書いてあげるにょろ。」
「しょうがないですね。我々の安全のために食べられて下さい。後の涼宮さんより、とりあえず今を切り抜けることが重要です。

その時、怒号と共に白熊のような犬、じゃなくてハルヒと長門がやってきた。
「キョーン、また佐々木さんと浮気していたわね。このスケコマシが」
バキバキバキ 鋭いパンチに俺は気絶してしまった。
「ちょっと、私のキョンに何するのよ。」
「キョンはあたしのものなの、あなたにはあげないわ。」
「何言ってるの。キョンは私のものじゃないの。」
「・・・かわいそうに・・・私が介抱してあげる。」
「有希、どさくさにまぎれて何やってるの。」

「九曜さん、涼宮さんと長門さんは入って来れないはずでは」
「―――2人の―――力は―――思った―――以上―――」

こうして俺達は無事に街まで帰った。でも、ハルヒに殴られた痕は、街に戻って病院に行っても消えることはなかった。
鶴屋さん。言いふらさないで下さい。「約束だから仕方ないにょろ」
(めでたし、めでたし かな?)

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最終更新:2007年10月07日 11:17
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