4-584「プロローグ」

====================プロローグ====================


「─────ン。」
なんだ。聞こえないぞ。妹か?妹の奴か?もう起きる時間なのか?・・・・まだ早いだろう。もっと寝かせてくれ。兄からの切実な願いだ。
「────ョン。起きるんだ。」
・・・・・・あれ、この声どっかで聞いたことあるような・・・・・・もう少しはっきりいってくれ。
「キョン!起きるんだ!」
聞こえてきたのは昔から聞き慣れてる奴の声だった。そいつの声で俺は目を覚ました。・・・・・・のだが、
何で佐々木が俺を起こしている?why?なぜ?
俺の頭はたちまち煙を上げそうになる。つくづく自分の脳の低スペックを自覚させられるぜ。
「ようやく起きたようだね。とりあえずまずはまずは僕の話を聞いてもらおうか。
 僕にいえることは唯一つ。それは周りが灰色になっているということだね。こんな見事な灰色は見たことがないね。
 僕はこの事態をどう過ごせばいいのかわからない。だからとりあえず僕は君の意思に従うことにするよ。
 こういうことの経験は君のほうが遥かにしているだろうからね。」
だろうな。お前は橘達から神扱いされてるとはいえ、経験値はほぼ最低値だからな。
「くっくっくっく。君の比喩はいつ聞いても面白い。」
そいつはどうも。
「その様子だとどこにも異常はないようだね。いつもの君で安心したよ。」
安心する前に情報を漏洩しちまってもよかったのか?
「なに。そのときはその時さ。」
・・・・・・・あの・・・・・佐々木さん?ものすごく笑顔が怖いのですが・・・・・
「気のせいさ。」
しかしお前いつから逆立ちで話すようになったんだ?・・・・・・・・・って俺が仰向けになってるだけか。
俺の上からどいてくれると嬉しいんだが。寝転がったまま話すのも失礼だし何より動けない。
「ああ、そうだったね。失礼したよ。」
なんだか残念そうに見えたのはきっと気のせいだな。ほら、もういつもの笑顔でいるじゃないか。
「しかし何でまた俺もお前も制服なんだ?俺はさっき寝巻きでベットに入ったばかりだと思ったのだが。」
「僕もそうさ。」
なんだか俺のたいしたことない第六感が何かを告げているぞ。しかもこれはあまりよくない気がムンムンするぜ。
そうだ、これはあの一年のとき、ハルヒと一緒に来た閉鎖空間の状況に似ているじゃないか。
「・・・・・・その顔だと何か心当たりがありそうだね。僕の予想であれば君は過去に
 似たような状況に置かれている。違うかい?」
・・・・・・お前はいつから超能力を得たんだ?
「君の顔に出ていたのさ。君は顔に物事を出すタイプだからね。きっと・・・・なんだっけ・・・・あの・・・・・そうだ、SOS団でも
 考えてることを涼宮さんに見抜かれているのだろう?」
ご明察だ。そこまで言い当てられるとぐぅの音も出ないぜ。だが、残念ながら前者の問いの答えは5割正解って所かな。
「・・・ふむ、では残りの5割というのはなんだい?」
確かに俺は過去に似た状況にあったことはあるぞ。だがな、そのときとは圧倒的に違う事があるんだ。
「それは?」
まず一つ目、あの時はハルヒと二人っきりにされたんだ。お前には言ったかな?アイツには閉鎖空間を作ることができるって話。
「確かに言ったね。覚えているよ。まぁ、あの時は半信半疑だったけどね。」
なら話は早い。あの時は空間の創造主が一緒に居たんだ。だが、今回は空間の創造主、
つまりハルヒはこの場にいない。前回よりも難題って事だ。
「それは困ったね。しかし、まず一つ目というくらいだからまだあるのだろうね。」
ああそのとおりだ。二つ目は場所だ。
「・・・・・場所?」
よく見てみろ。ここは・・・・・
「俺達の居た中学だ。」
「・・・・・あ・・・・・本当だ・・・・・・しかしなぜまたここなんだ?」
「それはきっとこれから来る奴が説明してくれるはずさ。・・・・・ほら来た。」
空から下りてくる一つの赤い光。親方!空から変なのが降りてきた!・・・・・なんてことにはならないぞ。
俺はアイツが誰だか知っている。よく知っているとも。我がSOS団の副団長様だ。
「ああ、橘さんの組織の反対勢力の機関に所属する彼か。」
ああそうらしいぜ。俺は古泉が空からゆっくりと降りくるのを眺めながら、あるひとつのことを考えていた。
やっぱり今日のあれはまずかったかもな。

さて、ここから回想に入るのだが、ここはどうか一つご静聴願おう。そして、解決策が浮かんだ、もしくは
助けに来てくれるという奴がいたらここまできてくれ。・・・・・・って見えねぇし!

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最終更新:2007年10月11日 21:50
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