23-458「佐々木の昔日」

 く、くくくっ
「どうしたんですか?佐々木さん」
「いや、ちょっと昔の事を思い出してね」
「そうなんですか。それはいいお話なんですか?」
「ねぇ、橘さん。あなたは過去の自分の言動に後悔したりするって事はあるの?」
 へっ・・・?
「私も一応は普通の女の子のつもりですから後悔することもありますよ。
 そうですね、ぬか喜びと反省の連続ですよ」
「そうなのかい」

 ・・・あれ?佐々木さんこのネタ判らないのかな?とりあえずお話しなきゃ。

「反省ばかりしていると自己嫌悪になっちゃいますから、私の場合はお菓子のように
 食べてしまうのです」
「反省を?食べる?お菓子?どういう事だい?」
「失敗を分析して、マイナス要素をプラス要素に変えて学ぶのです。
 でもでも、失敗だけでは勉強になりませんから基礎を学ばなくてはいけないのです。
 こう見えても毎日エィエィって感じでトレーニングや勉強もしてるんですよ」
「そう言う意味だったんだ。分かったよ」
「あっ、佐々木さん。いま私のことを遊び呆けているように思ったでしょ?」
「いや、そんなことは決して・・私の表情がそんな感じに見えたなら謝るよ」

「それで、佐々木さん。何か昔に後悔するような事があったんですか?」
 ・
 ・
 ・
「なぁ、佐々木よ」
「どうしたんだい?キョン」
「俺たちがしている受験勉強に一体どんな意味があるかって考えたりしないのか?」
「キョン、簡単な事だよ。社会に出るためのハードルと言ってもいいだろう」

「野球選手たちがする長距離ランニングと同じ様な意味合いで、社会に出て必要になる
 基礎を築くような物だよ。誰だって人に事を任せる場合は基礎が出来ている人に任せた いだろ。
 基礎があることの証明として受験というハードルを乗り越えて学歴や資格を手に入れて、
 自分の可能性をより広げるための手段だと、僕は考えているよ」
「さすがは佐々木、理論整然として充分に納得だ」

「ところでお前はどんな将来像を考えているのだ?
 まさか月並みに誰かさんのお嫁さんになりたいとかは考えてないだろうな」
「む・・・・僕が月並みの将来を考えるなって事かい?どういう意味か教えてくれ賜え」
「そう言う意味じゃないぞ。頭脳明晰のお前の事だから、末は博士か大臣かと考えた」

「けど、そんな将来も悪くはないな。
 しかし、ひねくれ者の僕に貰い手なんて居るわけ無いよ」
「そうか?引く手数多に思うが万が一、行き遅れた時は俺の所に来いよ。
 ど~んと相談に乗ってやるぞ」
「そうかい、その時はよろしく頼むよ」
「あっはっは・・・」
「くっくっく・・・」


…佐々木さん、その時は基礎勉強中だったんですね。心中お察しします。

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最終更新:2007年10月24日 21:02
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