「キョ―ン、フラグを立てるのよー」
俺達は、団長ハルヒの命令で、町内会対抗の運動会に助っ人として来ている。
俺だけでなく、SOS団と佐々木団の面々も一緒だ。それから、谷口と国木田だな。
それは結構だが、大会の間ずっと町内会の旗を立て続けるという大役を仰せ遣った。
開会式前から1時間ずっとフラグを立てて疲れたな
「栄養補給に干しブドウでもどうかな?」
「ありがとう、佐々木」モグモグ
「干しブドウ食うと喉が渇いたな」
「それは予想してたよ。お茶でもどうかな?」ゴクゴク
(佐々木さんたら、自分の飲みかけのお茶を)あわわ
(彼が口をつけたペットボトルを、佐々木さんは自然に飲んでいます。涼宮さんの形相が鬼のようです)
(・・・)ゴゴゴゴ
(キョーン)ビキビキ
「なあ、国木田。あいつらって、いつもあんな感じか?」
「中学時代からずっとそうだよ」
「フン、規定事項だ」
「―――ユニーク―――」
「佐々木さん。うらやましいのです」
大会が始まり、まず長門の出番だ。200メートル走ですね。
「長門ちょっと来てくれ」
「行く」
「宇宙的インチキパワーを使わない範囲で頑張ってくれ」ヒソヒソ
「了解した。貴方のために頑張る」
その時、長門の無表情な顔が僅かに緩んだような気がした。
「ちょっとキョン、有希と何の内緒話しているのよ」
「まあまあ落ち着いて、涼宮さん。
きっと気持ちを落ち着かせるアドバイスでも貰っているのでしょう。
我々も本番前に何かアドバイス貰いましょう」
次はヤリ投げ、九曜さんだ
「―――」
どうしました?九曜さん
「九曜さんは長門さんの真似をしていると思うよ。くつくつ」
「宇宙的インチキパワーを使わない範囲で頑張って下さい」ヒソヒソ
「―――貴方のために―――頑張る―――」
障害物だな。橘と谷口が出る。
「橘ちょっと」
「橘、失礼かもしれないが、お前は彼氏いるのか?」ヒソヒソ
「何言ってるのですか、佐々木さんの前ですよ」ヒソヒソ
「そんなの関係無いぞ。どうなんだ」ヒソヒソ
「えーと、今いないです///」ドキドキ
「橘、教えてくれてありがとう」
(そんな、佐々木さんという人がいるのに、でもキョンさんに気をかけられてうれしい、でも佐々木さんに・・・)
「おい、キョン、お前なー」
「谷口、橘の奴彼氏いないらしいから、良い所を見せればお前にもチャンスが、」
「友達思いなのはうれしいが、お前、自分のやっていること判って無いだろ」
「何か悪いことしたんなら、すまん」
「後でゆっくり話がしたいな」
次は、800メートル走。古泉とハルヒだな。
「ハルヒ」
「何よ///」
「頑張れよ」
「あんたに言われなくても頑張るわよ///」ドキドキ
やれやれ、相変わらず機嫌が悪い。
「涼宮さんはああ言ってますが、あなたに励まされてうれしいのですよ」
「そうか。てっきり嫌われているのかと思った。古泉、お前の活躍も期待しているぞ」
おい古泉、なんで顔を赤らめる。
午前中だけで、この他にもいろいろな競技があった。俺の競技の間、フラグを立てるのは谷口や藤原に代わってもらった。
んで、昼休み。藤原が一時代わってくれたので、やっと休める。
「モグモグ。朝比奈さんのお弁当、すごくおいしいです」
「ありがとう。キョンくん」ドキドキ
(奴は何人にフラグを立てているんだ。これも規定事項なのか?)
午後、俺と佐々木は二人三脚で大会新記録を出した。ちょっとした自慢だな。
「佐々木。今日の賞状大事にしような」
「もちろん、二人の一生の記念だよ。僕達の子供達にも自慢しよう」
大会新記録の賞状、そして俺と佐々木が二人で写っている記念写真は俺の宝物だ。
そんなこんなでフラグを立てまくった一日だった。すごく楽しかった。
(終わり)
最終更新:2008年01月26日 10:48