光影叙事詩天使譚
光影叙事詩天使譚とは?
2007年4月から6月にかけて、全13話にて独立UHF系列で放送されたアニメ
全13話放送された
[アニメ概要]
古の天界で六聖獣が制定されるところから話が始まる……
かつて、穏やかで美しい古の天界において、すべての天使は平等だった
能力の差こそあれ、それについて差別を設ける事などなかった
しかし、ある日のこと
大神ゼウスが、天使たちの能力の強弱を元に階級を定め、住まうところ、与えるものさえも違えるようになった
更に、その上に君臨するものとして六聖獣の任を上位天使の中から制定することにするとお達しがあった
上位天使と呼ばれるものは13人
そのうち9人が候補として選ばれ、更にその中から6人を選んで任命すると言うのだ
ただでさえ、上位、中位、下位の階級ができたことによる身分の差が、天使たちの心に陰を落として行ったことに、大神であるゼウスは気付かなかったのだろうか?
それとも、気付いていながら、自らの思いを貫く事のみ邁進したのだろうか?
今となっては、それさえもわからない……
はるか昔、自らの側近であった光の天使ルシファーを堕天させたこともある大神ゼウスは、その頃からであろうか、徐々に慈悲の心を捨て去るようになっていった
自らの考えのみがすべてと思うようになったのか、誰の異見も聞かぬまま、ゼウスは自分の思う道を突き進んでいく
平和そのものだった天界に、やがて差別が生まれていく
一度決めた事を覆さない大神のやり方に、不平等に不満を漏らすものが出はじめ、天使の心に大なり小なりの陰を落とす
優遇される天使は下のものたちを蔑む事を覚え、下位の天使は羨望と卑下と嫉む事を覚えていく
そんな心が、やがて、反駁の心へと発展してしまう
はるか古の平和な時代を知っているがゆえに
生まれないはずの天使の心の中に、大切なものたちへの愛が宿るがゆえに……
上位天使であるユダ、ルカ、ゴウ、シン、レイ、ガイ、そして、人間とのハーフであるキラとマヤの兄弟、シヴァやサキ、神官であるパンドラやカサンドラたちは、そんな渦中に息衝いた天使だった
誰よりも強く美しいとされた光の天使ユダは、未来の天界を憂ぎ、それでも、六聖獣の長として、もう一度、ゼウスを信頼しようと試みた
だが、地上の動物たちを統べる役目を一任しながら、実際行わせたのは、魔物や辞令に従わないものたちの討伐だった
天界のみならず、下界さえもこよなく愛していたユダは、次第にゼウスの本性に疑問を持つ
大義名分と実際やらせていることの差に、永久に神に従うものであるはずの天使に抗う心が生まれてくる
それを決定的にしたのは、命令に従わないと言うだけで討伐させようとした狼の一族の頭である金狼のカムイを、命に従い討伐してしまったことだろう
いったい、大神はなにをしたいのか
何をさせたいのか……
未来をどうしたいのか
天使たちを、天界を何処に導こうとしているのか……
やがて、天界では年に一度の聖霊祭の日が近づこうとしていた
聖霊祭の前日は、いつの間にか、粛清が恒例となっていた
ちょっとした出来事を仕出かしたと言うだけで、次々と天使たちを粛清してしまうゼウス……
粛清とは、天使を天使ならざる姿に変えて、地獄とはまた違う暗黒の森へと堕とす事
元々は、古に不埒な振る舞いを働く目に余る天使たちが増えてきたことで、それを戒めるために行ってくれとユダが進言したものだった
しかし、ゼウスの心は徐々に蝕まれ、清浄なる心も良心さえも、いつの間にか消えていた
そのせいだろうか、本来なら粛清の対象とならないような罪でさえ粛清しだし、それゆえに堕とされたものものが、恨みを持ってしまった……
聖霊祭の日――ついに、事件は起こる
それまで粛清され、恨みを持ち続けていたかつての天使たちの、その恨みが爆発したのだった
魔物となって天界を襲う、恨みを持ったかつての天使だったものたち
天界を救うべく、ユダとルカは戦い、ゴウたち4人は他の天使たちの非難を誘導した
邪悪なる存在と成り果てたかつての天使たちの恨みは、ユダに襲い掛かり、ユダと彼を助けようとしたルカは呪われてしまう
彼らを救うべく聖なる頂に再び登頂した4人が持ち帰った光のオーブは、二人の呪いを解き消滅した
そんな出来事を経て、ユダは決意する
このまま大神ゼウスを、神として君臨させておくことはできない――と
慈悲の心を失ってしまった彼は、すでに古の心優しかったゼウスではなくなっていた
そのことに心を痛めつつも、ユダの心は、未来を見据えていた
かつての平和な天界を知るがゆえに
かつての平穏な世界を取り戻したいと思うがゆえに……
お互いを思いやり、お互いを支えていける彼ら六聖獣は、気付かない間に愛の心を宿していた
「天使には愛の心がない」
などと言っていたのは、誰だったろうか……
しかし、それは覆された
皮肉にも、大神が目をかけていた最も強きもの――六聖獣たちの存在によって
愛ゆえに未来を憂いでいたユダ
愛ゆえに反駁を決意するユダ
そして、それに同意する、ルカ、ゴウ、シン、レイ、ガイ
取り戻したい平和な世界を手にするために
そうして過酷なる未来へと、その身を投じていく彼ら六聖獣
未来は、彼らに微笑むのだろうか?
安らかな日々は、彼らに訪れるのだろうか?
★アニメならではのオリジナル設定が!?
若干なる差異であることもありますが……
そんな差異を見つけたら、どうぞご投稿くださいませ♪
■『セイント・ビースト 光影叙事詩天使譚』
最終更新:2008年11月22日 10:41