許されざる想い
アニメ・『セイント・ビースト四聖獣~
聖獣降臨編~』
第3話 許されざる想い
許されざる想い
地上での住む所も決まった四聖獣と放浪天使たち
下界での始めての買い物で、ガイは美味しそうなフライドチキンを目撃するも、鳥類の長であるレイに止められる
陽が落ちた頃、雨が降り出していた
嵐が来る前の雨だった
昼間、女神に言われた言葉が、ゴウの心に引っかかっていた
「ハヤブサのヒロに暗黒の啓示が出ています」
誰よりも純真で心清き守護天使だったヒロに暗黒の啓示!?
しかし、女神の鏡は嘘をつかない
何かの間違いなのではないかと思いつつも、嫌な予感はずっと取れなかった
たくさん食べて、ソファーで寄り添うようにして転寝してしまったキラとマヤの寝顔を見て、ゴウがそのまま寝ててくれれば良いのにと悪態をつく
そこをガイたちに弄られて、怒り出す一幕も(この頃は短気だと言う設定)
夜更け、ひとりバスタブに浸かるゴウは、不穏な影を感じていた
呪われるがゆえに古に封印せし封印の地に、嵐の中なのに近寄る人影
そして、落ちる雷――
ただの思い過ごしなのか?
今見えた映像は、何も関係がないのか?
女神の鏡に写った啓示も気になる……あれは、誰だったのか?
一抹の不安を抱えつつ、何もすることができないゴウだった
翌日から、新聞を賑わす事件が起こり始める
鳥たちが人間を襲うのだという
その調査をすべく、鳥類の長であるレイが単身現場近くへ訪れていた
ちょうどその頃、子供の悲鳴が聞こえ、駆けつけたレイはその子が鳥たちに襲われている現場を目撃する
子供を助けると、誰かが空を飛んでいった
追いかけたレイが対峙したのは、ハヤブサのヒロだった
レイは、確信できてしまった
ここ数日の鳥の仕業である事件は、すべてヒロの仕掛けたものなのだということを
「なぜ、こんなことを?」
問いかけるレイに、ヒロは操った鳥を使い、攻撃を仕掛けてくる
やがて語りだす、ヒロの思い……ハヤブサとしての命を落とし、守護聖獣として復活してから彼は空を飛べないでいた
つのる「自由に空を飛びまわりたい」という思い
それでも、守るべき主人がいた頃は、空を飛びたいという気持ちも紛れていたが、人間である主人は、長命である守護天使たちよりもはるかに短い生を終える
主人に先立たれて、ひとり取り残されたヒロには、もう空を飛びたい思いしかなかった――けれど、守護天使である以上、彼が空を飛べることはない
レイのように大羽を持って自由に空を飛べるのは、天使の中でも限られているのだから
感じる虚無感、焦がれる空……その思いは何処へ行けばいい?
自由に空を飛びたい思いが募る一方のヒロに、手を差し伸べたかに見えたものがいた
古に封印されし“再生の地”
ここで儀式を行えば、死したものも甦ると言われている
が同時に呪われてしまうゆえ、そこは封印されていたのだった
しかし、その地で儀式を行ったものがいる
そしてヒロがハヤブサとしての能力に目醒め、自由に空を翔られる様になった
ヒロは言う
「神が私に何をしてくれた!」
危ういところを、レイは必殺技で難を逃れる
しかし、それはヒロを倒してしまうことに他ならなかった
命尽きる直前に、ヒロは呟く
「あの方のために……」
彼に手をさし伸ばしてきたのは誰なのかを問うと、一人の名前が零れる
「ユダ」と
彼ら四聖獣が、最も戦いたくなかった相手だった
古の天界において、最も強く美しかったユダとその親友だったルカ
神に逆らい破れ、堕天させられ、今は封印されているはずだった二人
できれば、彼らとの戦いは避けたいものだったが、運命はそうさせてはくれなかった
沈痛な面持ちで佇む彼らを、憎っくき仇とでも言うように睨みつける人影がいた……
最終更新:2008年11月28日 16:59