「ファンデッキ」とは、多少セオリーから外れてでも遊び心を盛り込んで構築したデッキのこと。
他の卓上カードゲーム(非電源TCG)の世界でよく使われる用語で、一般的には「ネタデッキ」と言ったほうが分かりやすい。
戦国大戦の場合、他の多くのカードゲームとは異なり試合前に相手にデッキ構成が公開されるので、
「使っていて面白い」だけでなく、いわゆる「出オチ」的な面白さを望むこともできる。
蔑称という訳では無いが、あくまで自分のデッキを表す時に使う言葉であり、
他人のデッキを指して「ファンデッキ(ネタデッキ)」と呼ぶことは失礼に受け取られることもあるので気をつけよう。
奇抜なデッキになりやすく、計略やスペックに偏りがでるため戦いにくいものがほとんどだが、勝利を狙えない訳ではない。
ただし、こうしたデッキを「真剣に相手をする気がない」として不快に感じるプレイヤーもいるようである。
いずれにしても「ファンデッキだから負けても仕方ない」「こっちはファンデッキなのにガチで向かってくるとは大人気ない」などといった
甘えは当然通用しないので、使用の際はそういった勘違いの無いように心がけるべきだろう。
なお、ファンデッキの「ファン」は本来fun(お楽しみ)であって日本でよく使われるfan(愛好家)ではないのだが、
国内で生まれたカードゲーム(特に若年層から幅広くプレイされるゲーム)などでは人口に膾炙した後者の意で解釈されることもあり、
その場合は「自分の好きなカードを入れて構築したデッキ」という意味になるが、対象範囲が広くなるのでここでの紹介は省かせてもらう。
共通点デッキ
個々の武将になんらかの共通点を見出し寄せ集めたテーマデッキ。「○○単デッキ」と呼ばれる。(○○の部分には共通点が入る)
戦国武将本人の特徴や境遇から、カードとしてのイラストやスペックなど、共通点の着眼点は様々。
ファンデッキの組み方としてはオーソドックスかと思われるが、問題は対戦相手に気付いてもらえるかどうか。
女性単デッキ
女性武将だけで構成されたデッキ。
Ver2.0x現在、2コスト以上の女性武将は11枚しか存在しない。
その他の女性武将は大半がサポート系計略要員で、その多くが味方強化か妨害か舞踊。
そのため、高コストのワントップをサポートしまくる型と、搦手でいなし続ける型に分かれる。
特技「魅力」が多い分、早い段階から計略を使えるのも重要。
総合的な武力・戦闘力が低くなりがちなので、枚数による手数や計略で上手くいなしたい。
2コスト以上の主力を強化して壁役や囮にしたり、各種妨害計略で敵の行動を制限して迂回したりと、極力全軍での正面からのぶつかり合いは避けるのが定石。
美形デッキ
所謂「イケメンキャラ」を中心に構成されたデッキ。
耽美系・美少年系・ダンディ系など「美形」に対する捉え方は人それぞれな為、デッキバリエーションも多彩。
女性が声を当てている男性武将のみの「女声単」などというのもある。
子供単デッキ
カードイラストが少年少女、未成年らしく描かれている武将を集めたデッキ。
見る人の認識にもよるが、3Dポリゴンの等身が低い者を集めると間違いない。
概して低コスト・低スペックであり、各家ごとの枚数も限られるため超多色ワラワラになりがち。
兵種デッキ
特定の兵種の武将のみで構成したデッキ。
その兵種の利点・欠点が直接戦闘の展開に影響するので、相手のデッキに対しての得意不得意が出やすい。
騎馬隊単デッキ
騎馬隊の武将のみで構成したデッキ。
高い機動力と攻撃力を両立するが、操作の難しさと迎撃の危険性が問題。
枚数を少な目の3~4枚で組むと、総合的なバランスと操作性に無理が少ない。
轟駆けなどを有し気合持ちも多い武田家が最有力。武力重視・超絶強化なら上杉家も。
実用化されている例として、
赤備えの采配デッキがある。
槍足軽単デッキ
槍足軽の武将のみで構成したデッキ。
攻城力と兵力に優れるため、単純なぶつかりあいでは頑強さを発揮する。
一方機動力に欠けるので、弓や鉄砲に一方的に撃たれたり迂回する敵に追いつけず取り逃がしたりが起きやすい。
計略が多彩な武田家や低コスト帯が優秀な浅井朝倉家、対鉄砲用の盾槍を持つ北条家が候補に上がる。
鉄砲隊単デッキ
鉄砲隊の武将のみで構成したデッキ。
瞬間的な火力では兵種随一だが、弾込めの間は劣化足軽となり無防備。
防柵や気合持ちなどを間に挟んで相手と一定の距離をとって対峙し、敵主力に集中砲火を掛け攻勢に移る。
兵種専用の特技として狙撃と車撃があるが、混合すると操作量がさらに増してしまう。
超絶強化や采配など多彩な鉄砲が揃う本願寺雑賀衆と島津家が最有力だが、織田家・上杉家も優秀な人材は少なくない。
実用化されているデッキ例は多い。
弓足軽単デッキ
弓足軽の武将のみで構成したデッキ。
長い射程距離からの射撃で間断なく兵力を削り続けられる点が長所だが、専ら敵の機動力に左右される。
大筒確保を主眼に置き、相手の動きを制限できる計略を用意したい。
瞬発力のあるダメージ源となる焙烙を持つ毛利家、低コスト層が豊富な今川家、対応力の高い計略のある武田家が有力候補。
実用化されている例として、
三矢の采配デッキがある。
足軽単デッキ
足軽の武将のみで構成したデッキ。
兵力は多いが攻撃手段は乱戦しかないため、いかにして敵の攻撃を掻い潜り接近戦に持ち込むかが全て。
総武力か枚数を多めに組み、持ち前の兵力と併せてゴリ押しに持ち込み敵城に貼り付きたい。
本願寺の坊官を中心に構成し、足りない要素を各家から補う。
特技デッキ
特定の特技をもつ武将を集めたデッキ。
兵種単デッキ同様に利点・欠点が直接戦闘の展開に影響するので、相手のデッキに対しての得意不得意が出やすい。
Ver2.0xで、気迫の采配(気合)や堅守の采配(防柵)など所持特技に関連した計略が増加した。
忍単デッキ
特技「忍」持ちを集めたデッキ。
姿を隠している間は鉄砲や弓のターゲットにされず、突撃や迎撃、端攻城も狙いやすい。
ただしほとんどの武将は統率が1なので、正面からのぶつかり合いや虎口・大筒といった要所での制圧には滅法弱い。
またVer2.0x現在、騎馬隊はSR加藤段蔵とSR風魔小太郎、SS大島山十郎風、SS風魔小太郎の4枚のみ。
また、軽騎馬隊のEX望月千代女が唯一の1コス忍として追加された。
家宝は統率力を補う軍配系、ぶつかり合いを避ける術書系や馬系が有力候補。
忍びらしく、奇襲を心がけよう。
伏兵単デッキ
全武将を伏兵で構築し、開幕に敵の数を減らしてあわよくばそのまま落城を狙うデッキ。
伏兵持ち武将は武力が残念なことが多いので、当然ながら開幕で勝負を決められないと一気に辛くなる。
守りに強いSR松永久秀がいると多少は心強い。
狙いが明確に伝わってしまうデッキなので、高統率騎馬などで落ち着いて伏兵を処理されたり、高統率武将のローテーションでしのがれたり、
伏兵を暴かれた後に復活家宝で復活されたり、大筒を盾に立ち回られたり、柵が大量に設置されていたりすると悲惨である。
そういう時は複数の伏兵を交差させるように動かす伏兵重ねなどでせめて悪あがこう。
家宝は伏兵展開後に開幕乙を狙う刀系、伏兵のダメージを上昇させる軍配系などが相性がいい。
気合単デッキ
全武将を気合持ちで構築し、粘り強く戦場に留まり消耗戦を仕掛けるデッキ。
勢力としては、気合持ちが多く超絶強化に優れる上杉家が有力。
気合持ち武将は統率力が残念な事が多いので、伏兵処理や妨害・ダメージ計略には細心の注意が必要となる。
槍足軽や足軽が多いが全兵種いるので、多色なら兵種をバランスよく組める。
家宝は消耗戦からのもう一押しに向かえる兜系や、低統率を補い超絶強化を活かしやすい軍配系などが相性がいい。
気合持ちに効果が高いUC波多野秀治を組み入れても面白い。
魅力単デッキ
全武将を魅力持ちで構築し、早い段階からの計略でアドバンテージを取るデッキ。
上記の女性単デッキはこの魅力単デッキの中の一種。
魅力持ちは全ての勢力にいるが、本願寺はやや少なめ。
兵種やスペックも様々で、多色ならバランスよく案外自由に組める。
R上杉景虎やUC斎藤龍興は計略がコンセプトと合致している。
家宝は開幕でのぶつかり合いでイニシアティブを取れる刀系が有用。
防柵単デッキ
全武将を防柵持ちで構築し、敵軍の行動を制限しつつ戦うデッキ。
鉄砲隊や弓足軽を多めに揃えて、防柵の後ろから兵力を削るのが基本戦術。
弓足軽の射撃や鉄砲の貫通系計略が相手だと防柵があまり意味を成さない。
全コスト帯で織田家が多いが、低コスト多めで枚数を集めたいなら浅井朝倉家もいい。
防柵持ちに効果が高いR別所長治を組み入れると、守るだけでなく攻勢にも転じることができる。
計略デッキ
特定の系統の計略をもつ武将を集めたデッキ。
計略が偏るため対応力に欠け、デッキ相性が如実に出る。
単体強化単は立ち回り次第では良い勝負ができる可能性があるが、
ダメージ計略単、強制移動単まで来ると多色化もあって実用性は厳しい。
戦国数奇単デッキ
特殊なレアリティである戦国数奇(SS)の武将のみで構成したデッキ。
通常レアリティのカードに比べ偏った性能のものが多い。
種類・排出量が少なく、固有の計略を持つものも多いので初見では対処しづらい。
龍虎デッキ
名前に「龍」「虎」が入っている武将で編成したデッキ。
- UC一条信龍、R五龍姫、R斎藤義龍、R伊勢龍姫、SR龍造寺隆信 (9コスト)
高コストの槍と弓が頼りになる。
「越後の龍」こと上杉謙信、「龍の如く」の甘粕景持を入れればそれなりのデッキにはなる。
- R甘利虎泰、UC小畠虎盛、UC飯富虎昌、R原虎胤、C諸角虎定 (9コスト)
武田信虎から「虎」の偏諱を受けた人物が多い武田単で組んだ場合。
大型の采配や陣形こそないが、速度上昇騎馬・超絶強化・火牛と揃っている上に武将のスペックも悪くない。
鬼デッキ
戦国時代では、武勇に優れた将を「鬼○○」と呼んだ。
そんな猛将・勇将を集めたデッキ。
織田家:「鬼玄蕃」佐久間盛政、「鬼柴田」柴田勝家、「鬼五郎左」丹羽長秀、「鬼左近」島左近、「鬼武蔵」森長可、「鬼将軍」加藤清正
武田家:「鬼虎」小幡虎盛、「鬼弾正」真田幸隆、「不死身の鬼美濃」馬場信春、「鬼美濃」原虎胤
上杉家:「鬼小島」鬼小島弥太郎
島津家:「鬼石曼子」島津義弘、「鬼武蔵」新納忠元
他家:「鬼十河」十河一存、「鬼道雪」立花道雪、「丹波の赤鬼」赤井直正、「鬼義重」佐竹義重、「鬼真壁」真壁氏幹、「青鬼」籾井教業、「鬼九郎」戸沢盛安
作家デッキ
イラストレーターが同じ武将を集めたデッキ。該当ページ参照:
作家デッキ
声優デッキ
担当声優が同じ武将を集めたデッキ。
Ver1.0xから参加している声優は、一人あたりの担当武将が多いので組み易い。
参考ページ:
参加声優一覧
地元デッキ
出身地が同じ武将を集めたデッキ。該当ページ参照:
地元デッキ
史実デッキ
歴史に基づいて構成したデッキ。該当ページ参照:
史実デッキ
ハーレムデッキ
男性武将1枚(特に主君)と複数枚の女性武将で構成されたデッキ。
コンセプトは女性単に近いが、戦闘力・計略とも強力な主君を擁する分、いくらかは使いやすくなっている。
主君らは武家限定の采配を持っていることが多いが、周りが女性武将である故にパワー不足な感は否めない。
一方でワントップ型の主君に対するサポート計略は充実しているので、SR上杉謙信やSS織田信長、SS武田信玄を軸とした方が安定する。
R上杉景虎やUC斎藤龍興は当主ではないが、非常にデッキテーマにあった計略を持っている。
亜種派生として、女性武将1枚と複数枚の男性武将で構成されたデッキ「逆ハーレムデッキ」や、主君と親密な小姓を集めた「若衆道デッキ」などが考えられる。
スペックデッキ
計略や特技を度外視して額面上の武力・統率力を重視したデッキ。
Ver2.0x現在、9コストちょうどで組んだ時、最大総武力は39、最大総統率力は57、最小総武力は11、最小総統率力は4。
ケニアデッキ
高コストの武将3体からなるデッキ。
本作は2.5コスト以上の高コスト武将は武力・統率力ともに高く、計略も1体で戦況を覆せるものが多い。
その為単体の制圧力が非常に高く、正面からのぶつかり合いではまず負けない。
また枚数が少ない分、操作がしやすくなるというメリットもある。
反面1体でも撤退してしまうと、防衛の穴を突かれてしまい、一気に不利になってしまう。
ダメージ計略などでうっかり全滅してしまうとほぼ「詰み」である。
見た目の豪快さとは裏腹に、運用には非常に神経を使わされるデッキである。
ちなみに「ケニア」の由来は三国志大戦Ver1時代に、このデッキタイプで活躍したプレイヤーの名前から。
原点である三国志大戦ではデッキの中の1ジャンルとしての認識がされている。
戦国大戦の騎馬単が向かない仕様等によりファンデッキの扱いであったが、Ver1.2xの武力依存度の高い環境で注目され十分に実用し得るものとして認識された。
ケニアデッキ
8枚ワラデッキ
低コストの武将8体からなるデッキ。
登録可能コストが8であっても9であっても登録可能枚数は8枚が最大。
当然コスト1の武将ばかりの極端な編成となる上、コスト1の武将には騎馬隊が存在せず、特技「忍」「攻城」もいない。
基本的には枚数差(部隊数差)を活かした断続的な攻城を主体とする。いわゆる「数の暴力」である。
散開して敵を撹乱したり、敵主力を引き付けている間に逆サイドからラインを上げたり、時には密集して一点突破を仕掛けたり、と戦場全体を見渡す広い視野が必要となる。
ただ個々の能力値は低いので、正面からのぶつかり合いではまず勝てない。
さらに、圧倒的な武力差ができる超絶強化計略全般には壊滅的に弱い。
また8枚ものカードを同時に扱うので操作量が多く、それぞれの部隊の動きが単調かつ直線的になりがち。
登録可能コストが9の場合は、コスト1.5の武将2枚かコスト2の武将1枚を採用できるので、飛躍的に選択肢が増える。
特に騎馬隊を採用できるのは大きく、移動速度が上がる計略と併せて、ワラワラをサポートする型は侮りがたい制圧力を持つ。
計略では、部隊数を参照する「多勢の構え」や「大勢力の爆進陣」、コスト1の武将を効率よく強化できる「内助の功」、恩恵が大きい「転生舞踊」などが有力候補。(
大勢力の爆進陣デッキ、
転生舞踊デッキは該当ページ参照)
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