1
秋山信友に率いられた兵三千は東美濃に侵入。
十一月、岩村城を包囲した。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「……」
ハ_ハ
(゚∀゚ )(大丈夫だ……、あれから何度も練った策ではないか)
信友は兵たちに、包囲したまま待機の命を伝えていた。勝手に攻めた者は厳罰に処す、と。
城内の者はこの武田軍が不気味でしょうがない。
城兵「包囲したまま、寄せて参りませぬな。 あの秋山伯耆らしくもない」
州* ‘ ω‘リ おつやの方「秋山……」
州* ‘ ω‘リ「五年前、私がまだ岐阜にいた頃、信玄の使いで信長殿の元に来た者ですね……」
おつやも記憶の片隅にだが、信友を思い留めていた。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「この城に、あのお方がいる……」
何年も想い続けた女が目の前の城にいる。自然と気分は高揚した。
敵味方としてだが、今の信友には些細な事だ。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「城内へ使いを送れ!」
2
和議の会見を致したし
雑兵一人だけを供とし、おつやの方様自らお越し頂きたい
当方も、同じ条件で大将秋山伯耆がお待ち致す
使いの言葉を聞いたおつやは不安を隠せなった。
州* ‘ ω‘リ(罠……?)
州* ‘ ω‘リ(それにしては、手が込んでいる……)
州* ‘ ω‘リ「いいでしょう、今より一刻後に伺います」
ハ_ハ
(゚∀゚ )(殺されるとも慰み者にされるとも分からんのに、大胆なお方だ……)
ハ_ハ
(゚∀゚*)(しかし……惚れ直したよ!)
ハ_ハ
(゚∀゚ )「急ぎ会見の場を整えよ! わしも支度せねばな!」
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//ミ/─- _ ヽ ♪
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` ー-! 、`ーi 「´ , -‐'´
` ー- 、l l」 伯耆 <
3
陣幕が張られた会見場に、二人の男が床机に腰掛け並んでいる。
一人は大将、信友。もう一人は信友が適当に選んだ足軽である。
ハ_ハ
(゚∀゚ )ドキドキ……
武田足軽「大将さん、何でオラが……」
ハ_ハ
(゚∀゚ )「お主は座っているだけでいいよ!」
”岩村城方、おつやの方様参られました!”の声に信友は背筋を正す。
ハ_ハ
(゚∀゚ )(ああ、ついに……)
州* ‘ ω‘リ「亡き景任が妻、おつやにございます……」
ハ_ハ
キタ━━━━━━(゚∀゚ )━━━━━━ !!!!!
あの岐阜城での謁見から五年、何度この人の姿を思い浮かべただろう。
あの時から些かも変わっていない。信友は懐かしさすら感じた。
武田足軽「大将さん、大将さん!」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「……ハッ! ようこそお越し下さいました!」
おつやは信友の対面に据えられた床机に座る。彼女が引き連れてきた雑兵もそれに倣った。
4
ハ_ハ
(゚∀゚ )「それでは和議の件についてですが……」
州* ‘ ω‘リ「何とぞ、我が命に代えても城の兵……」
おつやの言葉を遮り、信友は織田足軽に話しかけた。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「おい、お主!」
織田足軽「はい?」
ハ_ハ
(゚∀゚ )「お主は我が武田と戦いたいか?」
無礼に過ぎる振る舞いであった。
しかし猛牛、信友の名を身に染みて知っているのが岩村城の兵である。
織田足軽「奥方様の前だけども……もう武田との戦はごめんだ……」
うん、と頷いてから今度は自分の連れて来た足軽に話しかける。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「お主はあの岩村城を力攻めにしろと言われたらどうする?」
岩村城は日本三大山城のひとつに数えられる。
いかに信友率いる武田軍とは言え、力攻めにしては被害は免れないだろう。
武田足軽「大将さんの前だけど……嫌な城攻めになりそうだなぁ」
信友は再び頷いた後、おつやに向き直り口を開いた。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「このように、双方の兵に戦を厭う気が漂っております」
5
州* ‘ ω‘リ「そのようですね……」
州* ‘ ω‘リ「分かりました、私が自刃致します。 城の者たちの命は助けて戴けますか」
ハ_ハ
(゚∀゚ )「とんでもない!」
おつやは信友に憎悪を覚えた。この男は自軍の損害をかえりみず、敵を皆殺しにするつもりなのか。
ハ_ハ
(゚∀゚ )「あなたのような方を殺しては、武田武士の名がすたるというもの!」
意外な返事におのうは戸惑った。
州* ‘ ω‘リ「はぁ」
ハ_ハ
(゚∀゚ )「誰も死なず、戦が終わる道が一つ、あるのですよ!」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「あなたにそっ……それがしの」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「それがしの妻になって頂きたい!」
ポポポ( ´゚д゚)´゚д゚)‘ ω‘リ ポヵ-ン
この場にいた三人が固まった。それ程、場違いな信友の発言だった。
どこにいくさ場の、しかも和議で敵に求婚する男がいただろう。
6
州#‘ ω‘リ「伯耆殿は、私を侮辱するためにこの場を設けられたのですか」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「と、とんでもない!」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「五年前、岐阜であなたを一目見た時から……」
信友はしどろもどろになりながら、喋り続けた。
自分が今までおつやを想い続けていたこと。
景任が斃れ、未亡人になったと聞いた時どれだけ寂しいだろうかと思い、心を痛めたこと。
今回の西上戦で岩村城を攻略しなければならなくなり、煩悶したこと。
ハ_ハ
(゚∀゚;)「……というわけです」
州* ‘ ω‘リ「……はぁ」
いつしか、おつやの顔から怒気は消えている。
州* ‘ ω‘リ「城へ戻り、皆と話し合ってみます」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「では、本日はこれにて」
おつやが去る様子を呆然と見送る信友へ、足軽が声を掛けた。
武田足軽「大将さん、あんたいい男だねぇwww」
ハ_ハ
(゚∀゚;)「……」
最終更新:2009年12月15日 23:20