著:2スレ目372殿(=4スレ目>>311殿)
秋山完結編 その1の続き



秋山信友に率いられた兵三千は東美濃に侵入。
十一月、岩村城を包囲した。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「……」

  ハ_ハ
(゚∀゚ )(大丈夫だ……、あれから何度も練った策ではないか)

信友は兵たちに、包囲したまま待機の命を伝えていた。勝手に攻めた者は厳罰に処す、と。
城内の者はこの武田軍が不気味でしょうがない。

城兵「包囲したまま、寄せて参りませぬな。 あの秋山伯耆らしくもない」

州* ‘ ω‘リ おつやの方「秋山……」

州* ‘ ω‘リ「五年前、私がまだ岐阜にいた頃、信玄の使いで信長殿の元に来た者ですね……」

おつやも記憶の片隅にだが、信友を思い留めていた。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「この城に、あのお方がいる……」

何年も想い続けた女が目の前の城にいる。自然と気分は高揚した。
敵味方としてだが、今の信友には些細な事だ。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「城内へ使いを送れ!」



和議の会見を致したし
雑兵一人だけを供とし、おつやの方様自らお越し頂きたい
当方も、同じ条件で大将秋山伯耆がお待ち致す


使いの言葉を聞いたおつやは不安を隠せなった。

州* ‘ ω‘リ(罠……?)

州* ‘ ω‘リ(それにしては、手が込んでいる……)

州* ‘ ω‘リ「いいでしょう、今より一刻後に伺います」

  ハ_ハ
(゚∀゚ )(殺されるとも慰み者にされるとも分からんのに、大胆なお方だ……)

  ハ_ハ
(゚∀゚*)(しかし……惚れ直したよ!)

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「急ぎ会見の場を整えよ! わしも支度せねばな!」


          ,  -‐- 、             ♪
   ♪    /,ィ形斗‐''' ´  ̄`''‐- 、
       //ミ/─-   _      ヽ   ♪
     , - 、!({ミ//`ヽ  - 、`ヽ     ヽ
    / 、ヽ⊂!´/         ヽ ヽ   「i「i}i、
  /冫┐ i'´.l   '´゙   "ヽ    ゙ー、,,{  ノ
   ̄  l  l l   ⊂         ーゝ 'ヽ、
        !  l ',  ,r            /ヽ  \
       l  ヾ,、 `''' ─ '      / -‐、‐ヽ   >
      t     /` ー- 、___,ォュ'´    ヽ、  /
         ` ー-!    、`ーi 「´      , -‐'´
          ` ー- 、l  l」 伯耆  <



陣幕が張られた会見場に、二人の男が床机に腰掛け並んでいる。
一人は大将、信友。もう一人は信友が適当に選んだ足軽である。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )ドキドキ……

武田足軽「大将さん、何でオラが……」

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「お主は座っているだけでいいよ!」


”岩村城方、おつやの方様参られました!”の声に信友は背筋を正す。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )(ああ、ついに……)

州* ‘ ω‘リ「亡き景任が妻、おつやにございます……」


            ハ_ハ
キタ━━━━━━(゚∀゚ )━━━━━━ !!!!!


あの岐阜城での謁見から五年、何度この人の姿を思い浮かべただろう。
あの時から些かも変わっていない。信友は懐かしさすら感じた。

武田足軽「大将さん、大将さん!」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「……ハッ! ようこそお越し下さいました!」

おつやは信友の対面に据えられた床机に座る。彼女が引き連れてきた雑兵もそれに倣った。



  ハ_ハ
(゚∀゚ )「それでは和議の件についてですが……」

州* ‘ ω‘リ「何とぞ、我が命に代えても城の兵……」

おつやの言葉を遮り、信友は織田足軽に話しかけた。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「おい、お主!」

織田足軽「はい?」

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「お主は我が武田と戦いたいか?」

無礼に過ぎる振る舞いであった。
しかし猛牛、信友の名を身に染みて知っているのが岩村城の兵である。

織田足軽「奥方様の前だけども……もう武田との戦はごめんだ……」

うん、と頷いてから今度は自分の連れて来た足軽に話しかける。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「お主はあの岩村城を力攻めにしろと言われたらどうする?」

岩村城は日本三大山城のひとつに数えられる。
いかに信友率いる武田軍とは言え、力攻めにしては被害は免れないだろう。

武田足軽「大将さんの前だけど……嫌な城攻めになりそうだなぁ」

信友は再び頷いた後、おつやに向き直り口を開いた。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「このように、双方の兵に戦を厭う気が漂っております」



州* ‘ ω‘リ「そのようですね……」

州* ‘ ω‘リ「分かりました、私が自刃致します。 城の者たちの命は助けて戴けますか」

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「とんでもない!」

おつやは信友に憎悪を覚えた。この男は自軍の損害をかえりみず、敵を皆殺しにするつもりなのか。

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「あなたのような方を殺しては、武田武士の名がすたるというもの!」

意外な返事におのうは戸惑った。

州* ‘ ω‘リ「はぁ」

  ハ_ハ
(゚∀゚ )「誰も死なず、戦が終わる道が一つ、あるのですよ!」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「あなたにそっ……それがしの」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「それがしの妻になって頂きたい!」


ポポポ( ´゚д゚)´゚д゚)‘ ω‘リ ポヵ-ン


この場にいた三人が固まった。それ程、場違いな信友の発言だった。
どこにいくさ場の、しかも和議で敵に求婚する男がいただろう。



州#‘ ω‘リ「伯耆殿は、私を侮辱するためにこの場を設けられたのですか」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「と、とんでもない!」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「五年前、岐阜であなたを一目見た時から……」

信友はしどろもどろになりながら、喋り続けた。
自分が今までおつやを想い続けていたこと。
景任が斃れ、未亡人になったと聞いた時どれだけ寂しいだろうかと思い、心を痛めたこと。
今回の西上戦で岩村城を攻略しなければならなくなり、煩悶したこと。

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「……というわけです」

州* ‘ ω‘リ「……はぁ」

いつしか、おつやの顔から怒気は消えている。

州* ‘ ω‘リ「城へ戻り、皆と話し合ってみます」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「では、本日はこれにて」

おつやが去る様子を呆然と見送る信友へ、足軽が声を掛けた。

武田足軽「大将さん、あんたいい男だねぇwww」

  ハ_ハ
(゚∀゚;)「……」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年12月15日 23:20