妖帝イリエス

「あーら、そんな風に思っていてくれたとは知らなかったわ。勿論、私もブドーにはウンザリだけど」

【名前】	妖帝イリエス
【読み方】	ようていいりえす
【声】	高島雅羅
【登場作品】	星獣戦隊ギンガマン
【登場話】	第一章「伝説の刃（やいば）」～第三章「大地の知恵」 第十三章「逆転の獣撃棒」 第二十章「ひとりの戦い」 第二十二章「光の出現」～第三十四章「不死身のイリエス」
【所属】	宇宙海賊バルバン
【分類】	魔人/イリエス魔人族の族長
【配下】	イリエス魔人
【モチーフ】	占い師
【名前の由来】	入り江＋イシス

【詳細】

樽学者ブクラテスの姪にしてイリエス魔人族を率いる3番目の行動隊長。

魔術師や占い師めいた外見の通り妖術や呪術を用いた戦法を得意とし、性格は卑怯で狡賢。
金貨や宝石に目がなく、非常に強欲な守銭奴でもあるため魔獣ダイタニクスの復活の褒美となる金貨には特に執着している。
その執着振りはゼイハブ船長に「（ダイタニクス復活の暁には）褒美の金貨の御準備、お忘れなく」と念を押してまで手柄を金貨で要求しているほど。

第二十五章から部下達に指示を出して行動を始めるも第三十一章では復活が1日遅れる毎に金貨も1枚ずつ減らされると知ったことで焦るようになり、第三十二章では鍵穴から金貨を覗き込むという醜態をゼイハブ達に目撃されている。

その狡賢さと欲深さはさしものゼイハブも呆れてしまい、「始末に終えねえ」と吐き捨てられているほどでさらに裏では「がめついだけの行動隊長」と評されており彼からの信頼は銃頭サンバッシュよりも低い。

そのためバルバンの中でも浮き気味なポジションだが、弟であるデスフィアスは溺愛し特に信頼していた。
ブクラテスも血縁関係にあるため「叔父様」と呼びつつもそれなりの態度を見せているが、弟ほど大切に思っていないらしく時には悪罵している。
デスフィアスを切札と称して呼び寄せた際には操舵士シェリンダから「身内を贔屓するのもいい加減にしろ」と叱責されていたものの、彼が敗れた際には悲嘆に暮れていたあたり、イリエス自身も自分に味方が少ないことを内心理解していたのかもしれない。
なお配下の者達からは「マザー」と呼ばれている。

忠義心の塊である剣将ブドーとは性格が正反対ということもあって反りが合わず一方的に嫌っている。
ブドー自身他者からの評価に基本的に無頓着なこともあり、イリエスに対して何かしているような場面は見られない。つまりは逆恨みである。
イリエスの性格からしてゼイハブから厚い信頼を寄せられ軍団の中でもかなり評価の高いブドーに対しての嫉妬心が強かった可能性もある。
また彼女の叔父であるブクラテスは壊力坊が登場したエピソードで自分の発言をブドーから「素人考え」と一蹴されたことがあったため、利用してはいたが調子良く持ち上げてくれていた銃頭サンバッシュと比較して嫌悪感を募らせていた。ブドーに対してこの血族相性悪すぎじゃないだろうか。

そのため度重なる作戦の失敗を重ねつつもブドーがギンガの光を見つけた際には、「手柄と金貨を取られる」と考えたことでブクラテスに泣き付き、彼との共謀でブドーを失脚させている。

そしてその後釜として行動隊長に就任し「ギンガの光がなくても魔術でダイタニクスは復活させられる」として自分の配下を率いて作戦を実行するようになるも…

実はゼイハブはイリエスがブドーを陥れたことに気が付いていた。
だがあえてそれに言及しなかったのは、4人しか居ない幹部が更に減りダイタニクス復活が遠のくことを懸念したためであり、表立って咎めなかっただけであった。

配下の魔人達も作戦の失敗が続き、切札であるデスフィアスが敗北したことを嘆き悲しみ、遂に自らダイタニクスの復活に乗り出し、メドウメドウ以外の魔人族の怨念を受けてパワーアップする。

結局ギンガマンに破れ死亡するも、その魂は宝石と化しブクラテスはそれを回収して復活させようとしていたが、軍団の掟を破った制裁としてブクラテスはゼイハブの粛清を受けてしまい、残された宝石も破王バットバスに粉砕されダイタニクスの腐敗箇所にばらまかれ防腐剤として使われるという哀れすぎる末路を辿った。

【余談】

占い師を彷彿とさせる姿をしている。
名前は「入り江」から。また姿や行動は古代エジプト神話に登場する神の一柱、「イシス」の要素と思われる。

イシスとはオシリスという冥府を司る神の配偶神であり、セト神に殺害された夫を息子たちの手を借りてつなぎ合わせて魔術を使い蘇らせたとある。
ブドーを陥れた流れはイシスの伝承におけるラーを陥れた逸話が由来か。
イシスは夫であるオシリスと共に高い人気を得て信仰されたが、キリスト教が広まるにあたりその信仰を奪われてしまった。
最終的に自分の行いが原因で引導を渡される末路を辿ったのはそういった歴史が反映されたものなのかもしれない。

声を演じる高島氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となり、『ウルトラマンレオ』のマイティ松本の夫人以来、24年振りに特撮作品に出演している。
夫である銀河万丈氏（『爆竜戦隊アバレンジャー』の爆竜ブラキオサウルスなど）もスーパー戦隊シリーズに出演している。

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