オウル・ドーパント

「これはワシの身体……いや……宿り木、……いやいや……『巣』だ!」

【名前】 オウル・ドーパント
【読み方】 おうる・どーぱんと
【登場作品】 風都探偵
【登場話】 第57話「闇はoの巣2/猟奇的な刃」~
第65話「闇はoの巣10/さらなる闇の足音」
【分類】 ドーパント
【能力】 高速飛翔からの鋭利な爪による斬撃、洗脳した「巣」による肉弾戦、相手のメモリーカラーの知覚(ハイドープ
【メモリ】 オウル
【綴り】 owl
【頭文字デザイン】 真正面で羽ばたく梟が翼を下に折り曲げた瞬間(O)
【モチーフ】 梟、樹木
【生体コネクタ位置】 不明(「巣」の方は胸)

【詳細】

知性ある猛禽類「梟」の記憶を宿すドーパント
類を見ないガイアメモリの特異性から、2本のメモリによってそれぞれ全く姿が異なる2体の[[ドーパント]]が存在する

主導権を握る本体はモチーフの梟そのままの寸法と容姿をした鳥型で目にも映らぬスピードで音も無く飛翔し、高速飛行から繰り出す爪の攻撃で人間を容易く惨殺してしまう。
一方、「巣」と呼称されるもう一体は首の無い巨人の姿をしており、その巨体からパワフルな戦いをする。
「巣」の首の付け根には樹木の枝や根のように触手が生い茂っており、その部位に本体のドーパントが止まり木のようにドッキングすることで鳥頭の巨人が完成。
超速と豪腕、さらには後頭部に移動した翼による飛翔を兼ね備えた最強のドーパントへと変貌する(とくにスピードはアクセルのトライアルと渡り合う程)。
因みに巨人の手は人間と同形だが、合体時には梟の脚のクローに変形し、隠し技として両脚も同様に変形可能。

メモリの本来の使用者は鳥羽音吉。
表向きは風都の塾校「王道学習塾」の塾長で、生徒たちに分け隔てなく接する穏やかな老人だが、裏の顔として旧組織(ミュージアム)壊滅後に最も勢力を伸ばしている闇の密売組織『ORIGIN』のトップという一面を持つ。
ハイドープにより目にした相手と相性のいいガイアメモリの色(例えば仮面ライダーたちはアクセルの赤、ジョーカーの黒、サイクロンの緑、等。因みに自分のオウルメモリは黄)を識別することができ、塾生の中で素質がある人間を見出してはガイアメモリを売り捌いて悪の道へ走らせていた。
『街』の幹部スクリームもその過程で塾から誕生した「優秀な卒業生」であり、その実績から雪侍たちとも交友があることから、事実上『ORIGIN』もまた『裏風都』の傘下である。

『ORIGIN』の構成員が隠れ家に踏み込んだ竜や刃野の摘発で混乱している裏で、路地裏に逃亡していた末端の部下たちを「巣」を使って口封じに殺害。残酷な切断遺体を残して撤収する。
その陰惨な犯行現場や殺害方法はスクリームと酷似しているが、竜のプロファイリングから「相手に苦痛や絶望を存分に与えて死に逝くサマを楽しむ」スクリームに対し、「如何に標的に気付かれる間も無く鋭利に切断する力を向上できるか」という自身の能力に固執している節があり、彼からスクリームとは別のベクトルの異常性を持つ犯人だと見破られている。

探偵事務所に来た不良少女、逢瀬奈々の「親友の沖田舞を探してほしい」という依頼を受けた翔太郎たち探偵側、そして『ORIGIN』の黒幕の手掛かりを求めて捜査していた竜たち警察側は互いに無関係の事件だと思っていたが、この音吉が設立した塾の存在が発覚。
赤点生徒の成績を補助する塾という隠れ蓑に、上記のように生徒たちにメモリを売買していた悪の巣窟いう事実が判明する(実は舞が行方不明になったのも乱暴な奈々に絶交を宣告した彼女への報復にこのメモリ売買の噂がある塾を紹介した奈々自身が原因であり、それに罪悪感を抱えた奈々は焦りを見せつつも黙秘していた)。

音吉本人は塾長室に侵入してきた一葉と合流して警告と相談(好意=殺意を向けているアクセルを殺せる口実を作れるよう協力させて欲しい)を受けた直後、塾を訪問した竜たちの事情聴取を受ける。
ガイアメモリの売買などの罪状を証拠が無いと白けて彼らを追い返し(ただし竜には「硝子のように生気の無い瞳」から危険人物であることを一目で見抜かれていた)、外に出た二人を「巣」の身体で襲撃。
変身しようとする竜の手から謎の鎌鼬でドライバーを弾き飛ばし、生身の彼を追い詰めていく(因みに同時に襲われた刃野はドーパントが出現した衝撃で何かのコントのようにゴミ箱に顔がはまって周囲の状況が理解できなかった)。

ルナトリガーが助太刀に来たことで竜もドライバーを拾い直して変身し、二体のライダーと交戦する。
その後も謎の鎌鼬で攻撃するが、その斬撃が微妙にドーパントの動作と連動していない感覚を不審に思ったダブルが、トライアルに変身したアクセルが応戦している間にマキシマムドライブ「トリガーシャイニングフィールド」を発動、光の感知粒子で隠れていた本体を見破られてしまう。
見えない斬撃の正体は、巨人型が攻撃している裏で超高速で飛び回る鳥型の本体が標的の懐から急上昇しながら爪で切り裂いていたのだ。

トリックを見破られて別々のドーパントがいたことを指摘されるが、本体は人型も自分の「巣」であると語って合体し、完全体でアクセルに攻撃を仕掛ける。
スピードだけならばトライアルと互角だったが、さらにトライアルには不足しているパワーで圧倒し、ビル壁に削り付けながら上昇し、高度から叩き落とす。
咄嗟にルナジョーカーに変身したダブルの腕のクッションで地面への直撃は間逃れたがアクセルに重傷を負わせ、装甲を着た仮面ライダーよりも生身の人間を綺麗に刻むのが楽しいというサイコな思想を語り逃走する。

この襲撃行為は、実は配下の他の塾講師(全員がバイオレンス・ドーパントで翔太郎から「暴力教師」と呼ばれる)たちの逃走を手伝う時間稼ぎであり、彼らとともに監禁されていた舞の身柄も別のアジトに移送していた。
しかし、逃走車に取り付けていたスパイダーの発信器から居場所を特定され、先生4名のバイオレンスは全員メモリブレイク、舞も救出される。

その後、わざわざ監禁するほど舞に執着していた事実から、翔太郎たちが彼女が搬送された病院の周囲を警戒しているとスクリームとともに病院の向かいのビル屋上に出現する。
その様子から翔太郎たちの読み通り保護された舞を再度誘拐するかと思いきや、取り出したオウルメモリを病室に向かって放ち、なんとベッドに寝ていた舞が例の巨人に変貌、奈々を庇った竜を殴り飛ばして窓から転落死させる。

検索の閲覧を終え、エクストリームメモリで一足遅く合流したフィリップにより、そのカラクリが語れる。
音吉は膨大な頭脳領域を持つ「オウル」のメモリを2本所持し、本体である自分用、そして変身と同時に思念波を注いで傀儡にする舞専用のメモリを使い分けていたのだ(つまり最初に指摘された「別々のドーパントがいた」いう回答もある意味正解だったのだが、傀儡にされた舞を「自分の一部の『巣』」と主張して彼女の人権を無視する辺り、このドーパントの冷酷さが伺える)。
自分も梟型に変身すると、自分のハイドープ能力の詳細、そしてスピードには長けるがパワーに劣るオウルメモリを最強のドーパントに仕立て上げる逸材を探していたことを明かし、変身したファングジョーカーの相手をスクリームに任せて「巣」の下へ向かう。
絶望する奈々と彼女を必死に守ろうとする亜樹子を狙うが、死んでいなかった竜の投擲したエンジンブレードで背後から攻撃されてしまう。

そして変身したアクセルと再戦する。
二度目の戦いでは掴み合いの最中にドライバーの力で加熱したり、背面のホイールパーツをぶつけるという不意打ちに手こずるが、自身も脚から爪を生やすという奥の手でアクセルを捕え、再度超高度から落下させる。
しかし、落下中にエクストリームメモリから転送された強化アダプターを受け取ったことでアクセルブースターに強化変身。地上から急上昇して繰り出す彼の剣撃に、あたかも自分の犯行方法のようなダメージを受けてしまう。
自分が有利な筈の制空圏で縦横無尽に飛び回るブースターに憤怒し、高速で回転しながら突進をしかけるが、強化アダプターのアジャストで同時に覚醒したブースターとエンジンのツインマキシマムとの一撃勝負に敗北し、メモリブレイクされる。

が、実はこのダメージで破壊されたのは舞用のメモリだけであり、当人は攻撃を喰らう瞬間に分離して危険を回避していた。
満身創痍になりながらも蓄積したダメージの反動で竜の変身が解けると、再びドーパントに変身して超スピードで逃亡しようとする。
しかし、一か八かの賭けでファングトリガーにメモリチェンジしたダブルの「ファングスクリュードル」の弾頭に追いつかれて爆破、今度こそメモリブレイクされて海上に墜落した。

主犯の音吉は警察に連行されたが、莫大な頭脳領域を使うオウルメモリがブレイクした反動からか、意識不明のまま身柄を確保されてしまう。
一方、ドーパントとして利用された舞の身体は逆にメモリの毒素や後遺症も少なく完全に回復した暁には社会復帰が可能で、竜は奈々に彼女の心の支えになってくれるよう約束させた。

最終更新:2020年04月13日 00:36