18 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/09/09(火) 22:15:53


「犯人は・・・僕だ」

場がしんと静まり返る。

「本当・・・本当にそうなのかウェイバー?」
「そうだよチャダさん。ケイネス先生達を殺したのも、この部屋の前に嫌がらせの紙を
毎日貼り付けていたのも、赤いのをここに呼び寄せたのも全部僕がやったんだよヒヒヒ」

もちろん本当はそんな事は僕はやっていない。でも一度冗談を言い出すとなかなか
止まらない。

「てめえが、てめえがソラウさんを!答えろウェイバー!何でこんな事をやったんだ!」
「理由なんてないさ、たまたま僕にとって目に映ったのがあの人だっただけだよ。
誰だってよかったんだ」
「てめえ・・・!」

俊夫さんが顔を真っ赤にしてこちらを睨み付けてくる。さすがにそろそろまずいかも
知れないと思った僕はそろそろ本当の事を話す事にした。

「待って、今のは冗談・・・」

だが、僕が言葉を撤回するよりも一瞬早く、包丁を構えた俊夫さんが突っ込んできた。

「死ねーっ!」

僕の腹に包丁が根元まで食い込む。
ちょっと・・・調子に乗りすぎたかな・・・。


                                     終


END11『冗談はほどほどに』


「じゃ冗談はこのぐらいにしてとりあえずこの紙を何とかしようか」
「それじゃたまたま通りがかった事だし俺も手伝うよウェイバー。これ書いたの俺だし」
「ありがとうございます俊夫さん」

突然のアドリブで行われた2時間サスペンスごっこはこれでお終い。
僕達は俊夫さんを加えた三人で悪口の書かれた張り紙を処分していった。
こういった仕事の経験のある俊夫さんがいたおかげで10分足らずで作業が終了。

僕達の隣に住んでいる俊夫さんは自称六年生。
単位そっちのけで全部の講義に無理やり参加してみたり、色んなバイトや商売に
手を出している内に卒業できなくなったまま何年もここにいるんだとかいう
変わった人だ。隣人ではあったが僕とは特別な付き合いはなく、彼がケイネス先生の
講義に顔を見せた時に初めて隣の部屋の人だと知ったぐらいだ。

「さすが手際いいですよね、俊夫さん」
「ペンションとかコンビニとかで色々とバイトしているからね、それにこれの犯人
俺だから、いやーゴメン。ウェイバーが帰ってくるまでには終わらせるつもりだったん
だけどね」
「そうですね、それじゃあこれの犯人を捜さないと。俊夫さんも協力してください」
「そうじゃな、ずっとここに住んでいる俊夫なら何か閃く事があるやもしれん」
「あれ、さっき俺自白したよね?」

僕達は再び犯人推理に戻った。犯人め絶対許せないぞ。

「僕じゃないのは確かだとして誰がこれを作っているんだろうね」
「俺だよ」
「なんじゃ、犯人がわかったとか偉そうに言っといて結局分かってなかったのか。
うーむ、一体誰がこんな真似をしたんじゃろうか・・・」
「俺だってば」
「そう言えば俊夫さんは隣に住んでいるけど怪しい人は見ていなかったんだよね。
本当に何も気づいたことはない?」
「ああ、確かにこないだチャダにその事を聞かれたときは怪しい奴は見なかったって
言った。一応これは嘘じゃないよ、実行犯は隣室にいた俺自身だし」
「それじゃあ犯人についての情報は結局なしという事か、それにしても動機はなんだろう」
「そうじゃな、こんな事して犯人に何の特があったんじゃろうな?」

そうだ、痕跡も残さず何度もこんな危険な事、ただ単に僕に恨みがあるだけでは出来ない。
犯人はいったい何を考えていたのか―?

「実は俺ウェイバーがここを出て行った直後に悪口一言に付き1ドルという契約で
ウェイバーへの文句の張り紙を作って貼るのは商売としてどうだろうって冗談でここの
新聞部に提案しちゃったんだよ。でもこれが新聞部を通じてウェイバーを嫌って
いた連中やこういったいたずらが好きな連中に知れ渡ったらしくてさ、毎日俺が
外へ出るたびに使い魔のカエルやらカラスやらネコが通り過ぎる時に小銭と悪口の
内容を書かれたメモを次々と渡していくんだよ。それが、初日から20ドル以上になってさ。
つい、魔が差しちゃったんだよ」
「本当、犯人の奴は一体何を考えてるんだろうね俊夫さん」
「いや、怖かったんだ。もし、俺がこれを受け取らなかったり張り紙をしなけ
れば俺がどうなるか分からなかった。別に俺は部屋が隣なだけでウェイバーの友達でも
ないし、ウェイバーも俺と特別親しいわけでもない。本人の前でこんな事は言いたく
ないがそんなほぼ他人ともいえる奴の為に金をつっかえせるか?以上で話は終わり。
これが動機だよ。さあ煮るなり焼くなり好きにしてくれ。というか心臓に悪いから
早く俺をどうするかの話に移ってほしいんだけど」

ここまでの情報を整理してもう一度僕は犯人を推理する。
今度こそ間違いない、これが―僕の出した答えだ。

【選べット】学食のときにパスタの値段をドルにしてしまったので今更修正できないのん。
ガンツ:「犯人は暫定世界最強魔術師ロード・バルトメロイ。
うん、他には考えられないな。よし、僕達の中で一番腕の立ちそうな俊夫さんに
先陣をきってもらおう。そして、僕達は逃げながら俊夫さんの勝利を祈る。
この陣形をフリーファイト-4と名づけよう!」
変:「チャダさん、俊夫さん、お腹すいたから学食いかない?俊夫さんのオゴリで」


投票結果


ガンツ:5
変:2


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最終更新:2008年10月25日 16:29