549 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/12/22(月) 09:09:27
「着きましたよラマンさん。この研究室の主ソフィアリ親子は僕の知る限りでは
一番のスペシャリストですってラマンさんいねえー!」
ウィリアムが研究室の前で振り返るとラマンは点線状の輪郭を残し忽然と消えていた。
「ど、どこにいったんだ?そうか女子寮!ここに行く途中にあった女子寮に違いない!」
昨日のエミヤーマンが女子寮に現れた事実を元にゲミ・ラマンも女子寮に向かう習性が
あると推測しダッシュするウィリアム。その推測は正しかった。
時間は少し戻ってこっそりウィリアムの後ろを離れて女子寮前に来たゲミ・ラマン。
「言っておくがこれは断じてスケベ心からきた行動ではないよ。ほら、昔から
いうじゃないか。ヒーローに掛かった呪いを解くのは女性の愛だって」
お天道様と天国にいる50人以上のラマンと関わりを持った美女達に言い訳しラマンは
飛び上がり空中で静止する。
「2倍速ルパンダーイブ!」
自らを加速し、ラマンは光になった。
それは他の人間が使うダイブとは根底から違う、
口先だけの言葉や単なる身体強化ではなく、彼のルパンダイブは本当に当社比2倍速、
ならばそれはもはやルパンダイブと呼べるステージを超え、
まさにベランダに干した下着にたどり着くまで決して止まらないサイコクラッシャーだった。
「だが男は断る」
「んな?」
見えない壁にぶつかったかのように門に体半分突っ込んだ所でブレーキのかかるラマン。
今まさに門の向こうの理想郷へと旅たたんとしたラマンを門自身が押し留めた。
上を見ると門の中央にエメラルド色の目が光を放ちその辺りから声が聞こえる。
「我、女子寮の門番ゲートキーパーなり。また来たか下着泥棒よ、今度は逃がさぬ」
「ち、違うっ!僕は君の探している奴とは別人だから離せっ!」
「別人・・・?確かに良く見ると仮面が無い。ふむ、ならば汝の名とここに来た目的を言うがいい」
「僕は正義の味方ゲミ・ラマン!女子寮に癒しを求めてここに来た」
「ゲート・スタンプ!」
「ぷげらっちょ!」
ゲートキーパー必殺の右支柱パンチを額に受け倒れるラマン。
起き上がり再突入を試みるが先程の倍速化の反動と病により全身に激痛が走りのた打ち回る。
「あばばばばばばば、痛い、すんごい痛い、舞弥、救急箱持ってきて、
アイリ、治癒魔術っ、治癒魔術ぷりーーーず!」
手足をジタバタさせこの場にいない嫁コンビの名を叫ぶラマン。
もし彼女達がここにいても今のラマンには手を貸さないだろう。
「汝大丈夫か?主に頭とか」
「心配してくれるのかい?じゃあそこをどいてくれ。この奥に行かないと僕はマジで死んでしまう」
「それほどの変態か。ならば死ね、女性の敵よ」
ゲートキーパーの両支柱と周りの垣根が浮き上がりラマンに狙いを付ける。
「ゲート・クラッシュ!」
最終更新:2009年04月04日 16:26